
初めてフジクリーンCA型浄化槽の清掃を行う際、構造がコンパクトで清掃手順がわからず、戸惑った経験はありませんか?
この記事では現役の浄化槽管理士によるフジクリーンCA型浄化槽の清掃手順を、写真と動画を交えて紹介します。各工程の理由や注意点もあわせて解説するので、流れを理解しやすくなっています。
記事を読めば、フジクリーンCA型浄化槽を効率的に清掃する方法がわかります。以下の動画でも手順を解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
ショート動画はこちらです。
フジクリーンCA型浄化槽の清掃前
フジクリーンCA型の外観は、掲載している写真のとおりです。

浄化槽の大きさは、軽自動車1台分ほどです。使用開始から1年が経過しており、槽内には汚れが多くたまっているのがわかります。

以下の写真は接触ろ床槽です。

以下の写真は、沈殿分離槽と嫌気ろ床槽内の状態です。

1槽目は汚水が最初に流入して汚れをためる役割があるため、特に汚れが多くなっています。

バルブの調整は以下のとおりです。
槽内の水をできるだけ滞留させるため、返送水量は少量に設定しています。この調整により、嫌気ろ床槽への負荷が軽減され閉塞の予防にもつながります。

手動逆洗で汚泥を剥がしておく
清掃時間に余裕がある場合は、ブロワーを塩ビ管に接続し、接触ろ材や嫌気ろ材にエアレーションを行いましょう。


フジクリーンCA型清掃手順

清掃を行う際は、現場の状況にもよりますが、まず嫌気ろ床槽からの引き抜きがおすすめです。上部にたまった浮遊物やスカムを先に吸引することで、ろ材の詰まりを防げます。
嫌気ろ床槽の清掃後は、接触槽から汚泥を引き抜き水分を含ませます。この汚泥を嫌気ろ床槽へ排出すると、ろ材に付着した汚れを効果的に落とせるため、清掃効率が高まります。
槽内やマンホールも丁寧にブラッシングします。

接触槽の引き抜き後は、水張りを行いましょう。消毒槽を空のまま放置すると、槽が浮き上がり破損の原因につながります。

最後に、汚れが最もたまる沈殿分離槽の引き抜きを行います。汚泥が濃く、スカムが固まっている場合は、まず槽内の水分を吸引して水位を下げましょう。
水位が下がったら、吸引した汚泥を排出しながらスカムを崩して吸引すると、効率的に清掃できます。

清掃後の様子は、以下の写真をご覧ください。


フジクリーンCA型浄化槽の水張り|完了後の作業内容
接触ろ床槽から水張りを行いましょう。沈殿分離槽から水をためると、散気管からエアーが抜けて槽内が満水になります。水道代の無駄や作業効率も下がります。

水張り、清掃完了後の外観は以下のとおりです。

マンホールの向きを整えたあと、必ずマンホールロックを締めましょう。最後に、マンホール周辺を水道水で洗い流して清掃を完了します。

フジクリーンCA型の人槽別槽容量
型式 | CA-5 | CA-7 | CA-10 |
処理対象人員(人) | 5 | 7 | 10 |
沈殿分離槽 | 0.317 | 0.447 | 0.635 |
嫌気ろ床槽 | 0.600 | 0.842 | 1.208 |
ピークカット部 | 0.120 | 0.170 | 0.246 |
接触ろ床槽 | 0.296 | 0.415 | 0.593 |
処理水槽 | 0.165 | 0.228 | 0.326 |
消毒槽 | 0.015 | 0.015 | 0.021 |
総容量(㎥) | 1.513 | 2.117 | 3.029 |
目安重量(kg) | 120 | 150 | 230 |
フジクリーンCA型ブロワー仕様
型式 | CAB5 | CAB7 | CAB10 |
常用圧力 | 15kPa | 15kPa | 18kPa |
吐出風量 | 60L/分 | 90L/分 | 110L/分 |
吐出口径 | 13A | 13A | 20A |
定格電圧 | AC100V | AC100V | AC100V |
消費電力(50/60Hz) | 39W | 55W | 75W |
定格電流※ | 1.5A | 1.5A | 2A |
重量 | 約5kg | 約5kg | 約5.5kg |