浄化槽ブロワーの交換時期と費用|故障のサイン・交換手順・処分方法を解説!
この記事で紹介する内容は次の5つです。
- ブロワーの役割と重要性
- ブロワーが故障する前兆とは?
- 交換のタイミングと費用の目安
- 故障したブロワーは自分で交換できる?
- ブロワーの処分方法と費用
浄化槽は下水道がない地域で使われる設備です。台所やトイレなどの汚れた水をきれいにします。
中でも「ブロワー」は浄化槽の中の微生物に酸素を送る装置です。汚れた水をきれいにするために欠かせません。
ブロワーが故障すると酸素が届かなくなり水をきれいにする力が落ちて、臭いが出たり排水がうまく流れなくなったりします。
おかしいと感じたら早めに修理や交換を考えてください。
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、ブロワーの役割と故障の前兆・交換の目安と費用・交換の手順・古いブロワーの処分方法を解説します。
使い始めて5年以上たち、異音や風量の低下などのサインが出ているブロワーは交換がおすすめです。
交換する機種に迷ったら1口タイプはフジクリーン「EcoMac」、2口タイプはフジクリーン「UniMB」を選べば失敗しにくいです。
浄化槽の心臓部|ブロワーの仕組みと機能

ブロワーは浄化槽の中の微生物に酸素を送る装置です。微生物の働きを支えて水をきれいにする力を安定させます。
ブロワーが止まると酸素が届かなくなり水をきれいにする力が落ちます。浄化槽の働きを保つにはブロワーの定期的なメンテナンスが必要です。
ブロワーが浄化槽の安定運転を支える理由

ブロワーが送る空気は浄化槽の中の微生物に必要な酸素です。この微生物は酸素がないと生きられません。
空気が止まると微生物が死んでしまい水をきれいにできなくなります。ブロワーが故障すると臭いが出て水も汚れます。
ブロワーの寿命と主な故障原因
ブロワーの寿命は使う環境によって変わりますが、目安は約5〜10年です。ブロワーは消耗品なので長く使ううちに傷んでいずれ故障します。
ブロワーのおもな故障原因はダイヤフラムの傷みです。ダイヤフラムは空気を送るゴムの膜で、内部の熱や長年の使用で傷みやすい部品です。
保守点検時にチェックすべき項目一覧
保守点検ではブロワーの動きを確かめてから清掃します。チェックする項目は次の10個です。
- フィルターに目詰まりがないか確かめる
- ブロワーに異物が触れていないか確かめる
- カバーが正しい向きで取り付けられているか確かめる
- タイマー付き機種は試運転で動作を確かめる
- 適切な風量が出ているか確かめる
- ブロワーに異音や過度な振動がないか確かめる
- ブロワーが水平に設置されているか確かめる
- 配管継ぎ手から空気漏れがないか確かめる
- ダイヤフラムに亀裂や劣化がないか確かめる
- 電源コードや配線に損傷や断線がないか確かめる
ブロワー故障の前兆と初期症状

臭いや変な音がするときはブロワーの故障が原因かもしれません。
次のポイントを押さえてブロワーの故障を見逃さないようにしましょう。
- ブロワーから異音がする場合は異常を疑う
- 音がしないブロワーは故障の可能性が高い
- ブロワーが故障した状態で浄化槽を使用しない
ブロワーから異音がする場合は異常を疑う
ブロワーは動いているときにかすかな音がします。音がしないときやふだんと違う音がするときは故障の可能性があるので注意が必要です。
多くの場合は部品の交換で直り、新品に交換するより費用を抑えられます。
音がしないブロワーは故障の可能性が高い
正常に動いているブロワーはわずかに音がします。まったく音がしない場合は故障している可能性が高いです。
音がしないときはまず電源コードが正しくつながっているか確かめてください。電源コードが外れているとブロワーは動きません。
ブロワーが故障した状態で浄化槽を使用しない
ブロワーが故障すると浄化槽の中の微生物が死んでしまい悪臭の原因になります。
水をきれいにする力が落ちると汚れた水が川や海に流れて環境を汚してしまいます。
故障したまま浄化槽を使い続けることは「浄化槽法」違反です。罰を受けることもあります。
所有者である浄化槽管理者が受ける罰は次のとおりです。
保守点検や清掃が基準どおりに行われず、都道府県知事から改善や使用停止を命じられても従わない場合は6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。
引用元:環境省
ブロワーに異常があるときの対処法

ブロワーに故障のサインがあるときは早めに対処しましょう。状況ごとの対処法を紹介します。
- ブロワーが異常に熱くなっている場合
- まず電源を切ってブロワーを止めます。本体は熱いのでやけどに注意して手袋をつけて触ってください。
- ブロワーがまったく動かない場合
- 電源コードがコンセントにしっかり差し込まれているか確かめてください。近くで停電や電気工事がないかも確かめます。電気が来ているのに動かない場合は故障です。管理会社に修理や交換を頼んでください。
風量が弱い・空気が漏れている場合の対処法
ブロワーからシューシューという音がするときは、空気の出口のゴムチューブや内部のビルトインチューブが傷んでいるかもしれません。
新しい部品に交換すれば空気漏れは直ります。
土の中に埋まっている配管が壊れていることもあるので注意してください。
壊れた場所を調べるときは水で薄めた洗剤をかけます。空気が漏れている部分から泡が出るので場所がわかります。
設置場所を見直して共鳴による騒音を防ぐ

ブロワーの音が地面に響いてうるさいときは次の方法を試しましょう。
- ブロワー周辺の落ち葉やゴミを取り除き清掃する
- ブロワー下に防音マットを敷いて振動を抑える
- 電源コードがブロワーに接触しないよう整理する
ブロワーにゴム足がない場合や置き場所が悪い場合は、地面と一緒に震えて音が大きくなります。
ブロワーの音が気になるときは置き場所を見直すと小さくできます。
防音マットはブロワーの下に敷くだけで振動が地面に伝わりにくくなります。
ブロワーの交換タイミングと費用|寿命は5〜10年が目安
ブロワーを交換するか迷ったときは、使った年数と費用を目安に決めましょう。
寿命や不調のサインが出たら交換を考える
使い始めて5年以上たっていて次のサインが出たら、交換を考えるタイミングです。
- ブロワーが完全に止まっている
- いつもと違う音や大きな音がする
- 風量が落ちて水面の泡が弱くなった
フィルター・ダイヤフラム・ピストンなどの消耗部品は長く使うと傷みます。部品を替えても性能が戻らなければ本体の交換を考えましょう。
修理か交換かは使った年数で決める
ダイヤフラム式のブロワーはゴムの膜が傷みやすい一方で、部品の交換で直ることが多くあります。修理費用は1〜2万円が目安です。
5年以上使ったブロワーや何度も故障するブロワーは本体ごと交換するのがおすすめです。
新しい機種は省エネ性能が高いので、電気代が下がるぶん交換費用を取り戻しやすくなります。
業者に頼む交換費用は1口タイプ約3〜4万円・2口タイプ約5〜6万円
管理会社などの業者に交換を頼むと、本体代と取り付け代を合わせて3〜6万円ほどかかります。取り付け代と出張費は1〜2万円ほどが目安です。
| ブロワーの種類 | 業者に頼んだときの交換費用 | 自分で交換したときの費用(本体代) |
| 1口タイプ | 約3〜4万円 | 約2万円 |
| 2口タイプ | 約5〜6万円 | 約3〜4万円 |
置き場所を変えたり配管をやり直したりする場合は追加の費用がかかります。前もって見積もりを取っておくと安心です。
自分で交換するか業者に頼むかを比べる
自分で交換すると費用を安く抑えられるのがメリットです。ただし機種選びや取り付けに失敗するおそれもあります。
| 比べるポイント | 自分で交換する | 業者に頼む |
| 費用 | 本体代だけ(1口で約2万円) | 本体代+取り付け代(1口で約3〜4万円) |
| 手間 | 機種選びから取り付けまで自分で行う | すべて任せられる |
| 保証 | 管理会社の保証は受けられない | 作業保証やアフターサービスがある |
| 失敗のおそれ | 接続口の向きや風量が合わないことがある | ほとんどない |
現場ではお客様が自分で交換して、接続口の向きや風量が合わなかったケースをよく見かけます。
機種選びに自信がないときは契約している管理会社に相談しましょう。
浄化槽に合うブロワーの選び方と交換手順

ブロワーを選ぶときは風量を確かめることが大切です。
風量は本体のラベルや取扱説明書に書いてあります。浄化槽の型式に合った機種を選びましょう。
ブロワーには1口タイプと2口タイプがあります。浄化槽の仕様に合ったほうを選びましょう。
2口タイプのブロワーは空気を送る「散気」とろ材を洗う「逆洗」を2つの口で分けて行います。メーカーによって口の位置が違うので今ある配管に合うタイプを選ぶことが大切です。
ほかのメーカーのブロワーでも、風量と接続口が合えば使えます。ただし本体の大きさや接続口の向きが変わることがあるので、置き場所に収まるかも確かめましょう。
機種選びに迷ったら次の2つから選べば失敗しにくいです。どちらも修理や手入れがしやすく、現場の管理士にも人気のブロワーです。
1口タイプならフジクリーンの「EcoMac」がおすすめです。省エネで運転音も静かです。
2口タイプならフジクリーンの「UniMB」がおすすめです。接続口の向き(右散気・左散気)が今のブロワーと同じか確かめてから選びましょう。
紹介しているのは風量80L/minのモデルです。今のブロワーと風量が違うときは同じシリーズで風量の合うものを選んでください。
手順1:電源コードを抜く

ブロワーを交換する前に必ず電源コードを抜いてください。コードを引っ張らずにプラグの部分を持って外しましょう。
屋外用コンセントには抜け防止のロックがついています。プラグを左に半回転させるとロックを外せます。
ブロワーは4〜6キロと重いので落とさないように注意してください。
手順2:古いブロワーからゴムチューブを外す
古いブロワーからゴムチューブを外すときは止めクリップを手で挟んで取り外します。ゴムチューブは配管にぴったりくっついているので、手では外れにくいこともあるのです。
手で外しにくい場合はプライヤーなどの工具でゴムチューブをつかむと簡単に外せます。
手順3:新しいブロワーを置いてゴムチューブをつなぐ
新しいブロワーは平らな場所に置きます。置き場所がガタつくと振動や騒音の原因になるので気をつけましょう。
ゴムチューブを配管にしっかりつないだら電源を差し込みます。
つなぎ目から空気が漏れていないか・異音や強い振動がないかを確かめましょう。浄化槽のフタを開けて水面が泡立っていれば空気が届いています。
自分で修理するのは難しいので管理会社に相談する
ブロワーが故障したとき自分で修理しようとする方もいます。
ブロワーの中は構造が複雑なので原因を見つけたり直したりするのは一般の方には難しいです。
専門知識を持つ管理会社に相談すれば安全に確実に直せます。
ブロワーの処分方法|4つの方法と費用の目安

古いブロワーの処分方法は次の4つです。
- 市町村のルールに従ってごみに出す
- 管理会社に引き取ってもらう
- 購入した店舗で回収してもらう
- リサイクル業者やフリマアプリで売る
市町村のルールに従ってごみに出す
ブロワーは粗大ごみ・不燃ごみ・小型家電など市町村によって分け方が違います。
粗大ごみとして出す場合の費用は500〜3,000円ほどです。
地域のリサイクルセンターに問い合わせて正しい処分方法を確かめてください。
処分の方法や費用も地域によって違います。くわしくはお住まいの役所に聞くと安心です。
管理会社に引き取ってもらう
ブロワーを交換するときは古いブロワーを管理会社に引き取ってもらうと便利です。処分まで任せられるので手間がかかりません。
交換のときに古いブロワーを無料で引き取ってくれる管理会社も多くあります。点検のついでに聞いてみましょう。
購入した店舗で回収してもらう
故障したブロワーは購入した店舗やネットショップで無料で回収してもらえる場合があります。
ホームセンターや大型電器店では買った店舗でしか回収していないことが多いです。その場合は自分で持ち込む必要があります。
ネットショップの中には新しいブロワーを買うと古いブロワーを無料で引き取ってくれるお店もあります。買い替えと処分を一度に済ませられるので便利です。
前もって回収の方法や条件を確かめておきましょう。
リサイクル業者やフリマアプリで売る
まだ動くブロワーならリサイクル業者に買い取ってもらえることもあります。まずは見積もりを取ってみましょう。
ネットで処分を受け付けているショップもあります。送料は自分で負担することが多いので前もって確かめておくと安心です。
ブロワー交換のよくある質問
ほかの部品も一緒に交換したほうがいい?
部品の状態や使った年数で決めます。問題なく使える部品はそのまま使い続けて構いません。
ブロワーの故障に火災保険は使える?
ブロワーや浄化槽は給排水設備として火災保険の補償に含まれることがあります。ただし古くなって壊れた場合は対象になりません。補償の範囲は契約プランや保険会社によって違うので、加入している保険会社に確かめてみましょう。
まとめ|ブロワーは早めの修理・交換と正しい処分を

浄化槽の働きを保つにはブロワーの定期的なメンテナンスが大切です。
故障をそのままにすると水をきれいにする力が落ちて、臭いが出たり環境を汚したりします。
定期的に点検や清掃をすればブロワーは長持ちします。寿命の目安は5〜10年で、業者に頼む交換費用は3〜6万円ほどです。異常に気づいたら早めに修理や交換をしましょう。
古いブロワーは市町村のルールに従ってごみに出すほか、購入した店舗でも回収してもらえます。管理会社に引き取ってもらうと手間がかかりません。
ブロワーを買い替えるときは次の記事も参考にしてください。風量や接続口の選び方とおすすめの機種を紹介しています。






