
- 2口ブロワーは、右散気用と左散気用の2種類がある
- 右用と左用の取り付けを間違えると、正常な動作ができない
- 紹介する商品は、右用・左用の判別は不要
- UniMBブロワーのメリット、デメリット
浄化槽の「逆洗」とは何か、初心者でもブロワー選びに失敗しない方法、そして2口ブロワーの特徴とは?これらの疑問を解消するための記事です。
その疑問、現役浄化槽管理士の私が解決します!

この記事をご覧になっている方々の中には、管理業者からブロワーの故障を指摘され、ブロワーをお探しの途中で、当ページに辿り着いた方もいるかもしれません。
この記事では、浄化槽における「逆洗」の必要性を、初心者の方にもわかりやすく詳細に説明しています。
さらに、失敗せずに2口ブロワーを選ぶためのポイントについても解説しています。
ブロワーの種類や特性を理解することは、最適なブロワー選びに欠かせません。
この記事をお読みいただきそれぞれの情報をしっかり把握して、ご自宅の浄化槽に合ったブロワーを選ぶ参考にしていただければ幸いです。
ブロワーの選び方!右散気と左散気とは?

2口ブロワーには「右散気、左散気」があります。
ばっ気(散気)とは、水中に空気を送り込んで撹拌し、微生物に酸素を供給すること!

吹き出し口をよ~くご覧いただくと、上の写真は「右側のばっ気」であり、下の写真は「左側のばっ気」と表記されています。

2口の内訳は、「散気用」と「逆洗用」です。
通常は散気モードで運転し、設定した時間になると自動的に逆洗モードに切り替わります。
なぜ切り替わる必要があるのかというと、槽内には汚水をろ過する「生物ろ過槽」があり、スポンジのような「担体」でろ過処理を行っています。
(担体にはさまざまな種類があります)
一定方向の流れで汚れをろ過していると、汚れが吸着して目詰まりを起こしてしまいます。
例えば、台所の流しのネットも長く使用しているとネットに汚れが詰まり水の流れが悪くなりますよね?
槽内でも同じことが起きています。
ろ過機能を回復させるために、詰まった汚れを剥がして再び、ろ過できる状態にする必要があります。
そのため、設定された時間に「逆洗」を行い汚れを剥がします。

右ばっ気用と左ばっ気用の違い
2口ブロワーには右ばっ気用と左ばっ気用が存在し、その設置を間違えると問題が発生します。
間違った設置の結果、「ろ過槽に常時空気が供給されてしまう」ため、ろ過機能が正常に動作せず、水位の上昇や水質の悪化などが引き起こされます。
それに伴い、水質に悪影響を及ぼし不快なニオイが発生します。
このような状態は浄化槽の正常な処理を妨げ、環境への悪影響となります。
したがって、正しい方向に設置することが非常に重要です。
迷ったらフジクリーンUniMB型

2口ブロワーは多くのメーカーから販売されており、どれを選べばよいか迷う方もいるかもしれません。
そこで、おすすめする商品を一つご紹介します。
それは「フジクリーンUniMB」という型式の2口ブロワーです。
この商品は、品質や性能に優れているため非常におすすめです。
ご自宅の浄化槽の型式に合わせて、風量範囲「60ℓ~100ℓ」の中から適切な風量を選び設置してください。
さらに、この商品を購入すると一万円以上する圧力計が付属しているため、とてもお得です。

ただし、Amazonで購入する場合は、圧力計は含まれていないことにご注意ください。
吐出口の向きにもう悩まない!

フジクリーンUniMBの2口ブロワーには、L字のゴム間とは異なる「吐出口反転アダプター」が別途付属しています。
アダプターを使用することにより、「散気と逆洗の吐出口を反転」させることができます。
手順は以下の通りです。
- H型のゴム管をブロワーの吐出口に接続
- 次に、アダプターに配管を接続
吐出口反転アダプターの使用により、散気と逆洗の配管の切り替えが手軽にできるので、「初心者の方でも迷うことなく操作できるブロワー」となっています。

実際の取り付けた様子の写真は以下になります。

写真のように空気の流れを反転しています。
UniMBブロワーのデメリット
- 13の塩ビ管は付属していない
- 場所によっては設置が難しい
写真をみてもらうとわかると思いますが、こちらの塩ビ管が付属されていません。



ご家庭で使用しているブロワーが左向きだった場合、「13号の塩ビ管を使用し、5センチ程度の長さが2本必要」となります。
したがって、合計で約10センチメートルの長さが必要になります。
塩ビ管が別途で必要です。
ブロワーは壁側に取り付けられることが多いので、吐出口反転アダプターを取り付ける際には注意が必要です。
壁に当たってしまい、取り付けができなくなる可能性があるためです。
そのような場合は、配管の加工やブロワーの位置の調整が必要になることがあります。

主要浄化槽のタイマー設定が簡単

浄化槽の種類やメーカーによって、逆洗の回数が異なります。一日に一回の場合もあれば、二回の場合もあります。
フジクリーンブロワーは「多くの主要な浄化槽に対応」しており、タイマー設定も問題なく行えます。
各家庭の状況に合わせて適切な維持管理とタイマー設定を行うことで、良好な水質を維持することができます。
工具不要!手軽なメンテナンス方法!
ブロワーは、内部にゴミやホコリが侵入しないよう「フィルター」が標準装備されています。
多くのメーカーの製品では、フィルターカバーをネジで固定しているため、メンテナンス時にはドライバーが必要です。
ただし、フジクリーンブロワーは特別設計されており、フィルターカバーはワンタッチで開閉可能です。
これにより、メンテナンスやタイマーの設定が格段に簡単になります。

手で簡単に開閉できる構造により、防水性や防塵性が低下するのではないかとの懸念があるかもしれません。
しかし、その点についてはご安心ください。
このブロワーは「IP54」の試験基準をクリアしています。
IP54とは、防塵性と防水性の等級規格を示しており、この基準を満たしていることは、高い防塵・防水性能を持っている証明となります。
アース工事不要!
このブロワーは、タイマーケースとACソレノイドに適切な絶縁材を使用しており、2重の絶縁構造を採用しています。
そのため、地面との電気的接続を目的とする「アース工事は不要」です。
単にコンセントに接続するだけで、すぐにお使いいただけます。
取り付けも簡単なので、初心者の方でも安心して使用できます。

静音で騒音対策もバッチリ!

ブロワーの騒音は、多くの浄化槽使用者にとって一般的な悩みの一つです。
特に夜間、音が気になり「眠れない」という声が多く寄せられています。
しかし、こちらで紹介するブロワーはその点を大きく改善しています。
騒音レベルは「わずか37デシベル(dB)と非常に低い」です。この数値は、静かな図書館や住宅地の昼間の騒音と同等。
一般的な会話やスーパーマーケット内の60dBと比べても、その静かさが分かります。
この高い静音性は、ユーザーの騒音に対する苦情を解消する目的で設計されたものです。
トップクラスの省エネ性能!

ブロワーは24時間連続で動作し、微生物や循環配管にエアーを供給します。
このため、省エネ性能が高いブロワーを選ぶことは、経済的に大きなメリットがあるといえます。
以下の表は、「散気を23時間、逆洗を1時間と仮定して計算」したものです。
※端数を切り捨てて計算しているため、少しの誤差が生じることをご了承ください。
モデル | 消費電力 (W) 散気 | 消費電力 (W) 逆洗 | 24時間の電気代 (円) | 365日の電気代 (円) |
---|---|---|---|---|
風量60ℓ | 36 | 39 | 22/1 | 8,159/384 |
風量80ℓ | 49 | 52 | 30/1.4 | 11,106/512 |
風量100ℓ | 69 | 72 | 42/1.9 | 15,639/709 |

まとめ

ブロワーの選び方に困っている方は、現役の浄化槽管理士おすすめのUniMBブロワーをおすすめします。

浄化槽の働きを支えるブロワーは、「浄化槽の心臓」とも称されるほど重要な役割を果たしています。
ブロワーの故障やメンテナンスを怠ったりすると、ニオイの発生や浄化槽自体の損傷、さらには周辺環境への悪影響が出る可能性があります。
そのため、何か問題を感じたら速やかに交換や修理を行うことがとても重要です。
浄化槽は、「あなたの貴重な資産」です。