浄化槽を使い続けるには保守点検が欠かせません。「費用はいくらかかるのか」「どのくらいの頻度で必要なのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、保守点検の費用相場や点検頻度・業者の選び方を解説します。読み終えるころには、自分の浄化槽をどう管理すればよいかがわかります。
浄化槽が正しく働いているかを定期的に確かめ、必要なら調整や修理を行いましょう。自分の浄化槽に合った点検頻度や相場の価格を知っておけば、トラブルを防いで長く使えます。
浄化槽の保守点検費用|家庭用は年間約1〜3万円が相場

保守点検費用の相場は、浄化槽の大きさや型式・地域で違います。家庭用浄化槽の場合、年間約1〜3万円が相場です。
都市部では物価や人件費が高いため、費用も高くなりやすいです。浄化槽が多い地域では業者どうしの競争があり、費用は比較的安く抑えられます。
保守点検・清掃・法定検査の頻度|点検は4か月に1回以上

保守点検・清掃・法定検査の頻度を、次の3つに分けて紹介します。
- 保守点検の頻度
- 清掃の頻度
- 法定検査の頻度
保守点検は4か月に1回以上
家庭用の浄化槽は、4か月に1回以上の保守点検が義務付けられています。
浄化槽の種類によっては、より多くの点検が必要な場合もあります。
| 20人槽以下の浄化槽の場合 | 処理方式 | 頻度 | 年間の点検回数 |
| 単独処理浄化槽 | 分離接触ばっ気方式、分離ばっ気方式 | 4か月に1回以上 | 3回以上 |
| 単独処理浄化槽 | 全ばっ気型 | 3か月に1回以上 | 4回以上 |
| 合併処理浄化槽 | 嫌気ろ床接触ばっ気方式、接触ろ床方式など | 4か月に1回以上 | 3回以上 |
清掃は年に1回以上
浄化槽の清掃は、年に1回以上必要です。全ばっ気型浄化槽は容量が小さいため、半年に1回以上の清掃が必要です。
清掃ではバキュームカーで汚泥を引き抜き、付属の設備を洗います。清掃は市町村の許可を受けた業者だけが行えます。
法定検査は7条検査と毎年の11条検査
法定検査には、設置後に行う「7条検査」と毎年1回受ける「11条検査」の2種類があります。
保守点検や清掃がきちんと行われているか、浄化槽が正しく働いているかを確かめる検査です。
環境省は、浄化槽から基準を満たした水が流れ出ているかを重く見ています。そのため、法定検査を受ける人を増やす取り組みを進めています。
基準を満たさない水は、川や海の水質を悪くしてしまうからです。
浄化槽保守点検の流れ|準備・点検・報告の3ステップ

浄化槽の保守点検は、次の3つのステップで進みます。
- 保守点検前の準備
- 保守点検の業務内容
- 保守点検の報告
手順1:業者と契約して日程を決める
まず保守点検業者と契約します。わからないことがあれば、契約の前に業者へ聞いておきましょう。
日程が決まると、保守点検が始まります。
修理や交換が必要な場所を前もって伝えておくと、当日の作業がスムーズに進みます。
手順2:外観・水質・付属設備を点検する
保守点検では、主に次のような作業を行います。
- 外観の確認:変な音やにおいがないか、マンホールなどにひび割れがないかを目で見て確かめる
- 水質チェック:水のにごりや数値を測り、浄化槽が正しく働いているかを調べる
- 付属設備の点検・清掃:ブロワーやポンプを点検し、必要があれば掃除する
手順3:点検記録票で結果を確かめる
保守点検が終わると、点検記録票が渡されます。問題がなければ「異常なし」と書かれているので、内容を確かめましょう。
不具合があった場合は、どこに問題があるかを確かめて修理や改善を行いましょう。
保守点検業者の選び方|実績・保証・見積もりを比べる

保守点検業者を選ぶときのポイントは、次の3つです。
- 実績と口コミで選ぶ
- 保証とアフターサービスの良い業者を選ぶ
- 複数の業者から見積もりを取る
実績と口コミで選ぶ
業者を選ぶときは、実績と口コミが参考になります。長く営業している業者や、地域での契約件数が多い業者は安心しやすいです。
ネットの口コミだけでなく、近所の方に契約している業者の評判を直接聞いてみましょう。より役に立つ情報が得られます。
保証とアフターサービスの良い業者を選ぶ
業者を選ぶときは、料金だけでなくサービス内容や保証も確かめましょう。費用が安くてもサービスが足りないと、浄化槽にトラブルが起きたときに対応が遅れます。
料金が少し高くても、サービスや保証がしっかりしていれば安心です。トラブルが起きたときも落ち着いて対応を頼めます。
複数の業者から見積もりを取る
保守点検や清掃の料金は、業者ごとに違います。サービス内容や料金を複数の業者で比べ、納得できる業者を選ぶことが大切です。
浄化槽の保守点検のよくある質問|怠ったときのリスクや自分での点検

浄化槽の保守点検について、よくある質問に答えます。
- 保守点検を怠った場合のリスクは?
- 自分で保守点検は可能?
- 保守点検業者に依頼するメリットは?
保守点検を怠った場合のリスクは?
保守点検を行わないと浄化槽の働きが落ち、流れ出る水が汚れて悪臭が出ます。さらに悪化すると故障につながり、高い修理費用がかかります。
浄化槽を使う方は、必ず定期的に保守点検を受けましょう。保守点検を行わないと、浄化槽法による罰則を受けることもあります。
都道府県から改善命令や使用停止命令が出されます。この命令に従わない場合は、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
自分で保守点検は可能?
自分で点検することもできます。ただし専門の知識や道具が必要なため、一般の方には難しいのが現実です。
確実に管理するなら専門業者に任せるのがいちばんです。
浄化槽は構造が複雑で、正常かどうかを見分けるのも簡単ではありません。点検した内容を記録票に書き残すことも求められます。
清掃のタイミングや汚泥の流出リスクもあるため、自分で保守点検を行うのは現実的ではありません。
保守点検業者に依頼するメリットは?
専門の知識と技術で、浄化槽の性能を長く保てます。問題を早く見つけて、修理費用や被害を小さく抑えられます。
定期的な点検で、槽の中の微生物が元気に働ける状態を保てるのも大きなメリットです。
まとめ|浄化槽の保守点検は信頼できる業者に頼もう

浄化槽の保守点検は、寿命を延ばして異常を早く見つけるために欠かせません。点検の頻度は浄化槽の種類や大きさで違い、費用も処理方式や地域によって変わります。
費用とサービスのバランスを見て、実績や口コミも確かめたうえで信頼できる業者を選びましょう。
定期的に保守点検を受けて、浄化槽を長く安心して使いましょう。