【日立KGF型浄化槽】担体詰まりを解消｜清掃から担体交換まで解説！

日立KGF型浄化槽では、経年劣化によりスポンジ担体がろ過部で詰まります。

詰まりは水の流れを妨げ、浄化処理の機能を低下させるほか、環境への悪影響を引き起こします。定期的な点検と担体の入れ替え工事が必要です。

本記事では、浄化槽の清掃から担体入れ替えの手順について解説します。

担体入れ替えのメリットや費用の目安も紹介します。

記事を参考に、浄化槽の適切な管理を行い、長期的な機能維持を目指しましょう。

» 担体の種類や特徴

担体が流出した槽内の状況

担体が流出している1槽の状態です。

原因として、生物ろ過槽のネットが破損し、返送管から逆流が発生しています。問題を解消するためには、修理や補強が必要です。

2槽の状況です。

担体流動槽です。写真右側に、担体が流出している様子が確認できます。

流出を防ぐための対策が必要です。

担体が沈殿槽にも一部流出しています。

担体流出が発生している浄化槽では、担体が左右に偏り固まる傾向があります。

浄化槽清掃後の槽内の状況

清掃後の1槽です。

清掃後の2槽です。

担体流出防止ネットと散気管を取り外しました。

回収した担体は45ℓのゴミ袋3袋分でした。

スポンジ担体は汚れが吸着しやすく、詰まりによってろ過機能が低下します。

清掃が完了した担体流動槽内の様子です。

槽内での作業を行うため、きれいな状態に整えます。

担体入れ替え修理の作業手順

生物ろ過部に複数の穴を確認したので、補修を行いました。

流出防止ネットの隙間を防ぐため、FRP板を上下に打ち込み補強します。

今回使用する担体は2種類あります。

緑の担体は担体流動槽用、黒の担体は生物ろ過槽用としてそれぞれ投入します。

交換する担体はスポンジ担体ではないため、経年劣化しにくく、長期間にわたり安定した性能を発揮します。

左が担体流動槽用、右側が生物ろ過槽要です。

生物ろ過槽に担体を投入します。

ガイドパイプを設置し、中間ネットを取り付けて作業を進めます。

中間ネットを取り付けました。

劣化が見られたため、補強を施し耐久性を向上させています。

担体流動槽に担体を2袋投入します。

上部ネットの上下を補強し、配管を元通りに戻します。

コーキングを施して作業完了です。

水張り後の槽内

水張り後の1槽です。

水張り後の2槽です。

水張り後、ブロワーの電源を入れて担体流動槽の動作確認を行います。

正常に稼働していることを確認したら作業完了です。

» 水張りが必要な3つの理由

水張り後の槽内は以下の動画をご覧ください。

まとめ

浄化槽には消耗品があり、担体もその一つです。交換の目安は以下のとおりです。

工事費用の目安としては10〜20万円です。

内訳は、清掃料や技術料、担体の仕入れ費用、古い担体の撤去費用が含まれます。費用は作業内容や人槽、状況によって変動します。

担体交換により水質が改善され、臭気の発生を抑えられます。また、浄化槽の長期的な機能維持につながります。

» 担体・ろ材の種類や特徴