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浄化槽と下水道の違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、浄化槽のメリット・デメリット、下水道との違いを解説します。読めば、導入や維持管理に必要な知識が得られます。
浄化槽には、コスト削減や環境保護、災害への強さといったメリットがあります。
一方で、保守点検や清掃、法定検査が必要で、臭気や虫の発生といったデメリットもあります。維持管理は所有者の義務です。
浄化槽の3つのメリット

浄化槽の主なメリットは以下のとおりです。
- 下水道よりもお得
- 災害に強く原因の特定が早い
- 環境保全へ貢献できる
水道使用量が多い家庭は下水道よりお得
家族が多く水道をよく使う家庭では、下水道使用料が高額になりがちです。下水道の使用料は基本料金と従量料金で構成され、水道使用量が増えると料金も増加します。
浄化槽なら下水使用料はかかりません。
災害に強く故障原因も特定しやすい
浄化槽は耐震性が高く、過去の震災でも破損率が低いです。各家庭で独立した設備で配管も短いため、破損リスクは低く、応急処置後の早期再稼働もできます。
故障のサインは、異臭や排水不良、異音、水漏れなど明確に現れます。原因を早期に特定できる点も浄化槽のメリットです。
水害や地震のあとに使用を迷う場合は、環境省や自治体のチェックシートを参考にしましょう。
河川の水質を守り環境保全に貢献
浄化槽の使用は環境保全に貢献します。ビール1杯(200ml)を川に流すと、水質をもとに戻すには300リットルもの水が必要です。
浄化槽は生活排水中の汚濁物質(BOD)を90%浄化して河川へ放流します。川や海の環境にやさしく、環境への負荷を軽減できます。浄化槽はより良い環境保全のために重要な役割を果たしています。
浄化槽の4つのデメリット

浄化槽のデメリットは以下のとおりです。
- 保守点検・清掃・法定検査のメンテナンスが必要
- 初期設置費用やランニングコストがかかる
- 悪臭や虫の発生リスクがある
- 故障修理の費用がかかる
- マンホールが景観へ影響を及ぼす
保守点検・清掃・法定検査の3つが必須
浄化槽のメンテナンスは保守点検・清掃・法定検査の3つに分類されます。
- 保守点検
- 4か月に1回以上の点検が必要です。点検では、浄化槽が正常に機能しているか確認し、ポンプやブロワーの修理・交換、消毒剤の補充を行います。異常や故障の早期発見にもつながります。
- 浄化槽清掃
- 槽内のスラッジ(沈殿物)やスカム(浮上物質)が一定量を超えると、浄化槽の機能が低下します。年1回以上の清掃が必要です。
- 法定検査
- 保守点検とは別に行います。使用開始後3〜8か月の水質検査と、毎年1回の定期検査があります。
初期費用とランニングコストの目安

初期設置費用とランニングコストの目安は以下のとおりです。
| 初期費用・ランニングコスト | 詳細 |
| 浄化槽本体の費用 | 5人槽の場合、約80万円。容量やメーカーにより変動する |
| 設置工事費用 | 地面の掘削、配管工事、浄化槽の設置費用として10〜100万円 |
| 付帯設備費用 | ポンプ、ブロワー、電気設備、制御盤の設置で1〜10万円程度 |
| 設計・申請費用 | 設計図作成や行政への申請費用として数万円〜数10万円 |
| 初期設置費用(5人槽の場合) | 一般的な戸建て住宅で100〜200万円程度 |
| 電気代 | ブロワーの24時間稼働により、年間約1〜2万円 |
| 保守点検 | 法律で年に3回以上の点検が義務付けられている。年間で約1万2千〜2万円 |
| 清掃 | 年1回以上の清掃が義務付けられている。1回あたり約2〜5万円 |
| 法定検査 | 設置翌年から毎年1回行われ、費用は約5千円 |
放流ポンプやブロワーの交換、浄化槽本体の修理にも費用がかかります。修理費用は業者で差があるため、複数社から見積もりを取りましょう。
自治体によっては、保守点検や清掃、法定検査に補助金が出る場合があります。役所や自治体の情報を確認し、申請方法や基準を調べておきましょう。
故障修理の費用相場
故障の頻度や修理コストは状況で変わります。故障が発生すると機能不全に陥り、さまざまなリスクが生じます。
定期点検を行い、修理コストの目安を把握しておくことが大切です。費用の目安は以下のとおりです。
| 消耗品 | 費用 |
| ブロワー修理 | 約1〜5万円 |
| ブロワー交換 | 約2〜10万円 |
| 排水ポンプ交換 | 約8〜20万円 |
| 漏水修理 | 約10〜30万円 |
| 浄化槽本体の修理 | 約30〜50万円 |
マンホールの設置場所は景観に配慮
マンホールは臭気漏れや落下事故を防ぐ重要な部材です。浄化槽は建物に近い位置への設置が望ましいものの、外観を気にする場合は配置に配慮が必要です。
メーカーごとの色やサイズの違いを確認し、外観に配慮した配置を検討しましょう。
浄化槽と下水道の4つの違い

浄化槽と下水道の主な違いは以下のとおりです。
- 利用状況は下水道が多い
- コストは浄化槽が安い
- 浄化槽はメンテナンスが必要、下水道は不要
- 環境への影響はどちらも小さい
普及率は下水道が約8割で多数派
全体の利用状況を見ると、下水道の利用が全体の約8割を占めており、浄化槽よりも圧倒的に多いです。人口の多い都市部では普及率が高くなっています。
都市部では下水道が多数の排水を一括処理できるため、管理コストを抑えやすいメリットがあります。
浄化槽は下水道が未整備の地域で重要な設備です。両者にはそれぞれ適した利用環境があります。
月々のコストは浄化槽が割安
水道料金の観点では、使用量に応じた料金が発生する下水道に比べ、浄化槽の方が月々の支払いは安くなります。
水道水を多く使う家庭は、浄化槽の方がコストを抑えられます。
維持管理は浄化槽のみ義務
浄化槽と下水道の大きな違いは、維持管理費の負担です。浄化槽は個人所有のため、維持費は所有者が負担します。
下水道は国土交通省の管轄で、所有権は地方公共団体にあります。
下水道の使用者がメンテナンス費用を負担することはありません。
環境負荷は使い分けで最小化
浄化槽と下水道は、適切に使うと環境負荷を抑えられます。下水道は運営にエネルギーを消費しますが、人口密度が高い地域では効率的な排水処理が可能です。
大量の排水を処理する都市部では、下水道の方が浄化槽よりも効率的で環境負荷も小さくなります。
家が離れている地方では、排水量が少なく浄化槽の方が効率的です。都市部は下水道、地方は浄化槽と使い分けることで環境負荷を抑えられます。
浄化槽を長く使う維持管理のコツ

維持管理のコツは以下のとおりです。
- 浄化槽を正しく使用する
- 定期的な維持管理を実施する
日々の使い方と水量に注意する
浄化槽を適切に使うには、水量への配慮が欠かせません。1人1日の水使用量は約200ℓで、5人槽では1日約1,000ℓが処理能力の目安です。
水を多く使う日や、来客で生活人数が一時的に増えるときは、使用量に注意しましょう。
油脂や洗剤の使いすぎは浄化槽の機能を低下させます。油脂は配管詰まりの原因にもなるため、食器やフライパンの油汚れは拭き取って処分しましょう。
洗剤は槽内の微生物に悪影響を与えます。必ず適量を守って使用しましょう。
専門業者に定期メンテナンスを依頼
浄化槽の維持管理には専門知識や技術、経験、法的対応が求められます。そのため、専門業者に依頼することが重要です。業者は定期メンテナンスを通じて、浄化槽を最適な状態に保ちます。
保守点検や清掃、法定検査を行うことで、浄化槽の性能を最大限に引き出し、環境負荷も抑えられます。
下水道に切り替えると変わる3つのこと

浄化槽から下水道に切り替えると、以下の3点が変わります。
- ブロワーやポンプの電気代がかからない
- 浄化槽のメンテナンス代が不要になる
- 臭気の発生が少なくなる
ブロワーが止まり電気代が削減
浄化槽のブロワーは24時間稼働して酸素を供給しています。下水道に切り替えるとブロワーやポンプが不要になり、電気代もかかりません。
維持管理の義務と費用がなくなる
浄化槽の所有者にはメンテナンス義務がありますが、下水道の所有権は地方公共団体です。下水道使用者にはメンテナンスの義務がなく、メンテナンス代も不要です。
臭気トラブルが減って快適に
下水道は地方公共団体が維持管理しているため、故障やメンテナンス不足による臭気が発生しにくいです。
一方、浄化槽は部品の故障やメンテナンス不足で微生物の働きが落ち、清掃不足などが原因で臭気が発生します。
下水道への切り替え工事と費用の目安

下水道への切り替え工事と費用の目安は以下のとおりです。
- 切り替えの工事内容
- 切り替えに伴う費用
本管・公共桝・宅内の3工事
下水道切り替え工事には、市役所が管理する部分と個人が管理する部分があります。個人が管理する部分は、各自で業者を選ぶ必要があります。
- 本管工事
- 家の前の道路に下水管を設置する工事です。本管は家庭からの排水を下水処理施設へ送る管です。
- 公共桝設置
- 本管工事の完了後に設置されます。公共桝は家庭からの排水が集まり、本管へ接続される部分です。
- 宅内工事
- 本管工事や公共桝設置は市が行いますが、宅内工事は個人の責任で行います。家庭の排水口から公共桝まで排水管を設置し、接続します。
切り替え費用は30〜100万円が目安
切り替えに伴う費用の目安は以下のとおりです。
| 項目 | 費用詳細 |
| 配管工事費用 | 建物から公共桝までの配管や、浄化槽から下水道への切り替え工事にかかる費用。敷地の状況や距離により異なり、30〜50万円程度。 |
| 追加費用の発生条件 | 家の近くに下水道管がない場合や、幹線道路沿いの住宅では費用が高くなる。配管距離が長い場合やアスファルトの掘削が必要な場合、50〜100万円以上かかることもある。 |
| 浄化槽撤去費用 | 下水道への切り替えに伴う浄化槽の撤去費用は約5〜10万円。 |
下水道使用の申請には、自治体ごとに異なる手数料がかかる場合もあります。自治体によっては下水道切り替えに対する補助金が提供されます。
地域の役所や自治体の情報を確認し、申請方法や基準を調べておきましょう。
まとめ

浄化槽のデメリットとして、保守点検や清掃、法定検査が必要であり、ランニングコストがかかる点が挙げられます。
下水処理場や浄化槽の維持管理に携わる方がいるため、インフラの必要経費と考えれば納得できます。地域によっては設置に補助金が出るので、役所や自治体の情報を忘れずに確認しましょう。
定期的な清掃やメンテナンスを怠ると、悪臭や虫の発生、槽内の故障が増えます。
浄化槽のメリット・デメリットを理解し、適切な維持管理を実施しましょう。