【浄化槽清掃のタイミングは年1回】費用の目安と業者の選び方を管理士が解説!

【浄化槽清掃のタイミングは年1回】費用の目安と業者の選び方を管理士が解説!

浄化槽清掃のタイミングに迷う方は多いものです。浄化槽は生活排水を処理し、環境を守る大切な設備です。

管理をさぼると処理機能が落ち、においや排水のトラブルが起こります。定期的な清掃が欠かせません。

この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、浄化槽清掃が必要な理由やタイミングと費用の目安・業者の選び方を解説します。

清掃のポイントを知って、浄化槽を良い状態で保ちましょう。

浄化槽清掃の基本|必要な理由・タイミング・費用

浄化槽清掃の基本を、次の3点に分けて解説します。

  • 清掃が必要な理由
  • 清掃のタイミング
  • 清掃費用

浄化槽清掃が必要な理由:汲み取り式とは仕組みが違う

浄化槽と汲み取り式は混同されがちですが、仕組みが違います。

汲み取り式は便槽に汚水をためておき、バキュームカーで定期的に汲み取る方式です。汚水をきれいにする機能はありません。

浄化槽は生活排水をきれいにする設備で、汚泥を引き抜く清掃を年1回以上行うことが法律で決められています。

清掃をしないと処理能力が落ち、悪臭や排水不良が起こります。良い状態を保つには、定期的な清掃が必要です。

底にたまった汚れを汚泥、水面に浮いた汚れをスカムと呼びます。汚泥やスカムがたまりすぎると処理能力が落ちて、悪臭や処理不良の原因になります。

決められた回数の清掃をしないと、都道府県知事から改善命令や使用停止命令が出されます。命令に従わない場合は、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されることがあります。

» 浄化槽法について

» 浄化槽とは

清掃のタイミングは年1回以上が目安

浄化槽清掃のタイミングは、次を目安にしましょう。

  • 1年に1回以上
  • 悪臭がする
  • 浄化槽から汚泥が流出する前

浄化槽清掃は、年1回以上の実施が義務付けられています。保守点検を行う浄化槽管理士から清掃をすすめられたら、すぐに依頼しましょう。

全ばっ気型の浄化槽は、半年に1回以上の清掃が必要です。

飲食店など油や洗剤を多く使う場所は汚れがたまりやすく、年1回より多く清掃が必要になることもあります。

定期的に清掃すれば、浄化槽本来の性能を保てます。

清掃費用の目安は1回2〜5万円

浄化槽の清掃費用は地域や業者によって違いますが、家庭用の5人槽で1回あたり2〜5万円程度が目安です。

費用は浄化槽の大きさや種類でも変わります。正確な金額は、事前に業者へ確認しましょう。

メンテナンス不足や詰まりがある場合は、追加料金がかかることがあります。依頼前に見積もりを取ると安心です。

費用が高くなる主な理由は、汚泥やスカムの量が多いことです。浄化槽の容量が大きいと引き抜く量も増えるので、費用も上がります。

自治体によっては、清掃費用を補助する助成金制度があります。利用するには事前の申請が必要なので、地元の自治体に問い合わせてみましょう。

» 補助金の詳細はこちら

浄化槽には、清掃以外にもメンテナンスの費用がかかります。地域差はありますが、年間の点検費用は約2万円で清掃費用は約3万円が目安です。

ブロワーの電気代は年間で約1万2千円、法定検査費用は約6,000円かかります。合計すると、年間のランニングコストは約6万8,000円です。

» 節水・節約するアイテム7選

浄化槽清掃業者の選び方|4つのチェック項目

浄化槽清掃業者を選ぶときは、次の4つを確認しましょう。

  • 実績・経験年数
  • コストパフォーマンス
  • 資格の保有状況
  • アフターサービスの充実度

業者を選ぶときは、ウェブサイトや地元の役所から情報を集めましょう。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や費用を比べることが大切です。

実績と経験年数で見極める

業者の実績は、経験年数や過去の作業件数・対応した施設の規模からわかります。

マンションや工場など大きな施設の浄化槽を多く扱う業者は、技術力が高く経験も豊富な傾向があります。

実績に加えて、地元での口コミや評判も確認しておくと安心です。信頼できる業者なら、安心して清掃を任せられます。

コストパフォーマンスを比較する

コストパフォーマンスの良さも、業者選びの大切なポイントです。適正な料金で質の高いサービスを行う業者なら、長い目で見て維持費を抑えられます。

安さだけで選ぶと、作業内容が十分でない場合もあります。料金だけでなく、サービスの質や信頼性も重視しましょう。

資格を持っているか確かめる

業者がどんな資格を持っているかも確認しましょう。資格を持つ業者は高い技術と知識があるため、安心して依頼できます。

浄化槽に関連する主な資格には、次のものがあります。

  • 浄化槽設備士
  • 浄化槽管理士
  • 技術管理者
  • 浄化槽清掃技術者
  • 浄化槽検査員

清掃業者に特に関係するのは、浄化槽清掃技術者です。浄化槽の清掃業は市町村の許可制なので、許可を受けた業者かどうかも確かめましょう。

許可業者の情報は、市町村や保健所の浄化槽担当課に問い合わせると確認できます。

アフターサービスの内容を確かめる

アフターサービスの内容も、事前に確認しておくと安心です。信頼できる業者は清掃後も相談にのってくれて、トラブルがあればすぐに対応してくれます。

アフターサービスでは、次の点を確認しましょう。

定期点検とメンテナンス
定期的な点検とメンテナンスは、浄化槽の性能を保つために必要です。長い目で見るとトラブルの予防にもなります。
トラブル時の素早い対応
トラブルが起きたときにすぐ動いてくれる業者なら安心です。早めに見つけて直せば、被害を小さくおさえられます。
無料見積もり
多くの業者は無料で見積もりをしてくれます。費用を事前に知ることができ、必要なサービスを選びやすくなります。

» 浄化槽の仕組み

浄化槽清掃の依頼手順|9つのステップで進める

清掃作業の依頼は、次の手順で進めます。

  1. 業者を検索する
  2. サービス内容を確認する
  3. 評判や口コミを確認する
  4. 複数社に見積もりを依頼する
  5. 業者と契約する
  6. 作業日の日程を調整する
  7. 前回の清掃日を伝える
  8. 作業当日に立ち会う(立ち会い不要も可)
  9. 作業後に明細書と領収書を受け取る

見積もりは複数の業者から取って比べましょう。トラブルが起きたときの対応も、依頼前に聞いておくと安心です。

前回の清掃記録や保守点検の記録があれば、手元に用意しておくとやり取りがスムーズです。

浄化槽清掃の作業の流れ|8つの手順で行う

浄化槽清掃は、次の8つの手順で行います。

  1. マンホールを開ける
  2. 汚泥吸引用のホースを入れる
  3. 汚泥を吸引する
  4. 槽内の機能をチェックする
  5. 配管を調整する
  6. 水道水でブラッシングする
  7. 水を張る
  8. マンホールを閉じる

清掃にかかる時間は、槽の大きさや汚れのたまり具合しだいです。

家庭用の小型浄化槽は30分〜1時間程度で終わります。大型の浄化槽では数時間かかることもあり、業者の技術によっても差が出ます。

作業当日は、バキュームカーを止める場所を空けておきましょう。マンホールの上や周りにも物を置かないようにします。

立ち会いが必要な場合は、日程を事前に打ち合わせておくと安心です。

8つの手順のなかでも、特に大切な3つの作業をくわしく見ていきましょう。

汚泥・スカムの引き抜き

清掃の基本は、バキュームカーで汚泥やスカムを槽の外へ引き抜く作業です。たまりすぎると浄化槽の働きが弱まり、悪臭や排水不良の原因になります。

» バキュームカーの業務内容

槽内・内部装置の清掃

槽内の壁や装置は専用のブラシで丁寧に洗います。こびりついた汚れを取り除けば、浄化槽の処理能力が回復します。清掃の様子は次の動画をご覧ください。

水張り

浄化槽では、各槽に均等に水を張ることが大切です。外側から押す土の力と内側から押す水の力のバランスを保つためです。

均等に水を張ると、汚水の中の固形物を沈める効果もあります。槽の中はいくつかの部屋に分かれていて、入口側から順に水がたまる仕組みです。

片側だけに水がたまると仕切り板に片寄った力がかかり、壊れるおそれがあります。必ずバランスよく水を入れてください。

» 水張りが必要な3つの理由

浄化槽清掃のよくある質問|必要な理由・頻度・放置したとき

浄化槽清掃でよくある質問に答えます。

なぜ清掃が必要なのか?

浄化槽の中には、分解しきれずに残った汚泥が少しずつたまっていきます。たまりすぎると処理性能が落ち、悪臭や排水の逆流の原因になります。

清掃で汚泥を引き抜き、槽内をきれいな状態に戻すことが大切です。

浄化槽清掃の頻度は年に何回?

清掃は法律で年1回以上と決められています。家庭用の浄化槽では年1〜2回が一般的で、使う人数や使い方によって必要な回数は変わります。

清掃を行わないとどうなる?

清掃をしないと汚泥がたまり、排水が流れにくくなります。

ひどくなると排水が逆流して、トイレやキッチンが使えなくなります。においが原因で、近所とのトラブルになるおそれもあるでしょう。

問題を防ぐためにも、定期的な清掃を心がけましょう。

自分で清掃できる?

浄化槽の清掃には専門的な技術と知識が必要です。市町村長の許可を受けた業者に頼むことが法律で決められているので、自分では清掃できません。

清掃費用を安くする方法は?

清掃費用を安くするには、定期的に点検を受けて汚泥やスカムをためすぎないことが大切です。自治体の助成金制度が使えないかも確かめましょう。

» 浄化槽基礎知識

まとめ|定期清掃で浄化槽を快適に保つ

浄化槽を良い状態で保つには、定期的な清掃が必要です。環境や衛生を守るためにも、放置せずに行いましょう。

清掃費用は、1回2〜5万円程度が目安です。業者は実績・費用・資格・アフターサービスの4つの点で比べて選びましょう。

浄化槽清掃の目安は年1回以上ですが、実際の頻度は使い方で変わります。保守点検業者や清掃業者に浄化槽の状態を確認してもらい、必要に応じて清掃を行いましょう。

記事を読んでも解決しないときは

浄化槽のメンテナンス方法は動画でも解説しています!
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