この記事では、ダイキXE-5型浄化槽の特徴や維持管理のポイントを、わかりやすく解説します。
処理方式や基本的な仕組みについて説明し、詰まりなどのトラブルが発生した際の対処方法も紹介します。
この記事で解決できる内容は、以下のとおりです。
- 処理方式の確認
- 風量と総容量の詳細
- 浄化槽の管理要点
- 詰まりの際の対処法
ダイキXE型の処理方式|固液分離型流量調整付担体流動循環方
ダイキXE型は「固液分離型流量調整付担体流動循環方式」を採用しています。この処理方式は、槽内で固形物と液体を分け、微生物の力で汚水を分解する方法です。
間欠定量移送装置により、排水の移送量を一定に調整します。大量の水が一度に流れ込んだ際や未処理水の外部漏れを防ぐ役割です。
ダイキXE-5型の風量と総容量
ダイキXE-5型のブロワーの風量は50ℓに設定されています。他の合併処理浄化槽に比べて少ないため、電気代の節約と二酸化炭素排出量の削減ができます。
各槽の容量は以下のとおりです。
- 汚泥貯留部:1.071㎥(流入側)
- ピークカット部:0.098㎥
- 担体流動槽:0.389㎥
- 沈殿槽:0.145㎥
- 消毒槽:0.021㎥
5人槽の槽内の全てを引き抜くと容量は1.724㎥です。脱窒(窒素を取り除く)に必要な汚泥を残す場合の容量は1.624㎥になります。満水状態時の総容量は2.1㎥です。
XE-5型の処理能力
以下はXE-5型の処理能力の詳細です。
項目 | 値 |
処理対象人員 | 5人 |
日平均汚水量 | 1.0㎥/日 |
放流水BOD | 20mg/ℓ以下 |
放流水SS | 20mg/ℓ以下 |
放流水T-N | 20mg/ℓ以下 |
ダイキXE-5型浄化槽のメンテナンス方法
ダイキXE-5型浄化槽のメンテナンス方法は、以下を参考にしてください。
- メンテナンスの要点|間欠定量移送装置の取り扱い
- 間欠定量移送装置の清掃方法
- 逆止弁の良い例と悪い例
メンテナンスの要点|間欠定量移送装置の取り扱い
現在の設計ではパイプの長さが正確に合っており、取り外しの余裕がないため、長期間使用するとパイプが破損するリスクがあります。
浄化槽の管理は長期間にわたるため、パイプの破損を防ぐには工夫が必要です。
MCユニオンやパイプカッターを使用することで、パイプの取り外しや交換が容易になり、破損リスクを軽減できます。
ポンプを取り外す際は、配管を慎重に扱い、破損や折れを防ぐことが重要です。
間欠定量移送装置の清掃方法
間欠定量移送装置底部の逆止弁は、定期的な清掃が必要です。
手で開けられない場合は、パイプレンチや専用工具を使用して取り外し、ブラシで清掃します。
逆止弁が汚れるとポンプの効率が低下するため、定期的なメンテナンスが重要です。
赤いマークのついた箇所と逆止弁をブラシなどで清掃してください。弁が汚れているとポンプの効率が落ちるため、定期的な清掃が大切です。
赤○が付いた箇所と逆止弁は、ブラシで清掃してください。
詰まりを解消した後、ポンプを元に戻し、正常に機能するかを何度か確認します。問題がなければ、作業完了です。
逆止弁の良い例と悪い例
以下の動画では、逆止弁の良い例と、悪い例を解説しています。
逆止弁を掃除しても排水がスムーズに行われない場合、逆止弁が劣化しています。経年劣化の場合は、新しい逆止弁に交換しましょう。
逆止弁は消耗品のため、定期的な交換がおすすめです。以下のショップで購入できます。
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よくあるトラブルと解決方法
よくあるトラブルと解決方法は、以下を参考にしてください。
- 詰まり対処法
- ダイキXE型浄化槽の清掃手順
詰まり対処法
逆止弁を清掃しても排水がスムーズに行われない場合、逆止弁が劣化している可能性があります。劣化している場合は、新しい逆止弁に交換しましょう。逆止弁は消耗品のため、定期的な交換が推奨されます。
ダイキXE型浄化槽の清掃手順
以下の動画では、清掃手順をわかりやすく解説しています。
まとめ|ダイキXE-5型を長く使うための管理ポイント
固液分離型流量調整付担体流動循環方式を採用し、担体に付着した微生物によって有機物を分解します。
間欠定量移送装置が搭載され、一定量の水を順次移送します。ブロワー風量が少なく、環境負荷を軽減しつつ経済的に運用できます。
家庭用浄化槽を長く使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に、逆止弁やポンプの清掃・交換は、詰まりや故障を防ぐために重要です。