本記事では、浄化槽管理士が「ニッシンNIS型」浄化槽の特徴、保守点検方法ついて解説しています。記事を通じて、日々の維持管理に役立てることができます。
まずは、お客様への元気な挨拶から始めましょう!
おはようございます!〇〇会社です、浄化槽の管理にお伺いましたー
マンホール周りの外観チェック!
まず、マンホールの周辺と外観に異常がないかを確認し、1槽の点検を開始します。1槽は汚水が最初に流れ込む場所で、汚れが最も溜まりやすい槽です。
スカムの厚さと底部に堆積した汚泥の状態を確認します。
槽内に虫が発生している場合、殺虫剤を散布しマンホールを約3分間閉じることで駆除を効果的に行います。
2槽の点検
2槽でも、1槽と同様にスカムの存在と底部に堆積した汚泥の量を確認します。さらに、嫌気ろ床槽のろ材から発生したガスを放出するガス抜き作業を実施します。
塩ビ管やブロワーを使用し、2槽のばっ気(撹拌)を行います。
担体流動槽点検のポイント!
ガス抜き作業後、担体流動槽をチェックします。担体流動槽は黒いネットでカバーされており、酸素を好む好気性微生物が生息しています。
消毒剤について
消毒槽の薬剤が不足している場合は、追加で補充します。法定検査で薬剤不足が指摘されないよう、定期的な補充が必要です。
薬筒の種類によっては薬剤の使用量を調整できます。
残留塩素
残留塩素とは水を消毒した後に水中に残る塩素の量を指します。水に色がついている場合、それは残留塩素が多いサインです。
塩素が適量残っていれば、滅菌が成功している証拠です。残留塩素が不足すると、水中の微生物が繁殖し、水質が悪化する可能性があります。
特に水の使用が少ない地域や配水管が古い場所では、残留塩素の減少が問題となります。
以下は残留塩素を測定する方法です。
水中の残留塩素を測定する際、DPD錠剤の反応速度が異なります。
これは、「遊離残留塩素」と「結合塩素」の違いを示しています。「遊離残留塩素」は、他の物質と反応していない活性状態の塩素で、プールや飲料水の消毒において重要です。
遊離塩素は細菌やウイルスを素早く滅菌します。
一方、「結合塩素」は、有機物や不純物と反応してしまった塩素で消毒効果が低下します。
DPD錠剤を用いたテストでは、遊離残留塩素は迅速に反応し、結合塩素の反応は遅れがちです。
水質管理には塩素の濃度を適切な範囲に保ち、結合塩素のレベルを最小限に抑えることが求められます。
管理に必要な道具
亜硝酸性窒素を測定する理由
硝化反応の観察のため、亜硝酸性窒素の測定を行います。測定の際に透視度、pH、DOといった要素も一緒に調べ、結果を点検記録票に記録します。
透視度は20センチ以上が目安!
透視度計の底部に十字マークがあり、マークが明瞭に見える水位までを測定します。
放流水の透視度基準値は合併処理浄化槽では20センチ、単独処理浄化槽では7センチです。
今回の点検では透視度が30センチ以上と測定され、処理が良好な状態であることが確認できました。
透視度が20センチ以上であることは、合併処理浄化槽における放流水が浄化槽法によって定められたBOD(生物化学的酸素要求量)20ミリグラムパーリットル以下の基準を満たしていることを示します。(ただし例外もある)
BODは採水した水を5日間放置し、その間に微生物が消費する酸素の量を測定して水の汚染度を評価する指標です。
使用された酸素量が多いほど水は汚れています。透視度が20センチ以上の場合、この基準をクリアしていると見なされます。
ブロワーフィルターとバルブを確認!
ブロワーフィルターの清掃をします。
作業が全て終了したら、全バルブを開放して機能の正常性を確認し、次にマンホールを清掃して向きを合わせます。最後にロックをかけて作業完了です。
おわりに
この記事では、浄化槽管理士が行う具体的な作業手順について解説しました。新たに浄化槽管理業界に参入する方々が参考にしていただければ幸いです。
紹介した作業手順が日々の業務をスムーズに進める助けとなり、効率化や問題解決に役立つことを期待しています。
業界全体の水準向上に貢献することを願っています。
最後まで見て頂きありがとうございました。
スカムとは上部にできる浮きカスことです。