ダイキXH型浄化槽はシンプルな構造と独自の技術により、長期間の安定稼働が可能です。
この記事では、XH型の構造や詰まり解消法、メンテナンス法について解説します。記事を読めば、管理のポイントが明確になり、点検や清掃の実務に役立ちます。
ダイキXH型浄化槽の構造と処理方式

上の写真が旧型、下の写真が新型です。

1室目はどちらも同じです。

ダイキXH型は、生活排水を効率的に処理する浄化槽です。処理方式は、横向流夾雑物除去接触ろ床循環方式を採用しています。
嫌気ろ材を使用しないため、ガス抜き作業が不要です。接触ろ材は安定性に優れ、清掃しやすいため、メンテナンス性が高い点が特徴です。
ダイキXH型の特徴
XH型のブロワーは省エネ設計で、少ない電力でも高い処理能力を発揮します。汚水の流れを蛇行させて水流を緩めることで、沈殿分離と脱窒の性能が安定します。流量調整ポンプが不要な構造のため、管理も容易です。
ダイキXH型のブロワーの風量

ブロワーは槽内に空気を供給します。各人槽に応じたブロワーの仕様は、以下のとおりです。
人槽 | 風量 | 消費電力 |
5人槽 | 50ℓ | 28W |
7人槽 | 60ℓ | 35W |
10人槽 | 80ℓ | 51W |
ブロワー小型化により、1日あたりの電気代は約17円と経済的です。
ダイキXH型の総容量|5人槽・7人槽・10人槽
XH型浄化槽は、水流が効率的に設計されています。以下の表で、水の流れに沿った各槽の容量を紹介します。
項目 | XH-5型 | XH-7型 | XH-10型 |
人槽 | 5 | 7 | 10 |
管一活筒 | PP | ||
方式 | 横向流 | ||
材質 | FRP | ||
総容量(m³) | 1.600 | 2.199 | 3.061 |
第1室(夾雜物除去槽)(m³) | 0.429 | 0.590 | 0.828 |
第2室(m³) | 0.346 | 0.461 | 0.626 |
第3室(有効容量)(m³) | 0.299 | 0.420 | 0.617 |
接触床槽(m³) | 0.364 | 0.492 | 0.678 |
処理水槽(m³) | 0.141 | 0.215 | 0.291 |
消毒槽(m³) | 0.021 | ||
長さ(L) | 1,900 | 1,920 | 2,520 |
幅(W) | 1,020 | 1,320 | 1,320 |
高さ(H) | 1,520(1,550) | 220(250) | 270(300) |
流入管径(mm) | 100 | ||
放流管径(mm) | 100 | ||
マンホール径(mm) | φ600×2 | ||
方式 | 電磁式 | ||
電源(V) | 100 | ||
ブロワ送風量(L/分) | 50 | 60 | 80 |
消費電力(W) | 28 | 35 | 51 |
ダイキXH型のメンテナンス方法
ダイキXH型は詰まりにくい構造ですが、汚泥返送管や放流エアリフトでは詰まりが起こることがあります。詰まりが発生した際は、水圧洗浄やブラシを使って清掃してください。
以下の動画で、エアリフトの詰まり解消方法を紹介しています。
XH型の逆洗の手順と注意点

逆洗は重要な作業です。最初に「赤いバルブ」を開け「青いバルブ」を閉じてください。
順序を守らないとブロワーに負担がかかり、破損するリスクがあります。元に戻す際は、手順を逆にして操作しましょう。

常時逆洗中です。

メンテナンスは手動逆洗で対応します。透視度が低い場合や負荷が高いときは「常時逆洗」をおすすめします。
ダイキXH型を長期間快適に使う方法
浄化槽の性能を維持するには、定期的な点検と清掃が必要です。
接触材やブロワーを定期的にチェックし、汚れが溜まったら早めに清掃することで、浄化槽の寿命を延ばせます。
FAQ|浄化槽に関するよくある質問
よくある質問は以下のとおりです。
- Q:保守点検の費用はどのくらいかかりますか?
- Q:ブロワーの交換時期はいつですか?
Q:保守点検の費用はどのくらいかかりますか?
A:保守点検費用は年間で約2万円です。年に3回以上の点検が推奨されており、点検回数は地域によって異なります。
Q:ブロワーの交換時期はいつですか?
A:ブロワーの寿命は5~10年程度です。定期点検で異常が見つかった場合は、早めに修理や交換を行いましょう。
ダイキXH型まとめ


ダイキXH型は構造がシンプルで、長期間の使用に適した浄化槽です。各現場で安定した稼働を続けており、処理性能にも優れています。汚水を効率よく処理し、環境への負荷を抑える省エネ設計が特徴です。