
モアコンパクト型浄化槽の維持管理には、詰まりの問題がよく発生します。
そのため、正しい知識を持つことが重要です。
この記事では、フジクリーンCA型浄化槽の基本について、初心者の方でも分かりやすく説明しています。
また、浄化槽の維持と管理の要点も明確に解説しています。
詰まる箇所を覚えておきましょう!
処理方式=接触ろ床方式
フジクリーンCA型浄化槽は「接触ろ床方式」を採用しています。
方式は以下のようになります。
- 沈殿分離槽:最初に汚水はこの槽を通ります。ここで固形物や油が分離されます
- 嫌気ろ床槽:次に、この槽で有機物や窒素が脱窒されます
- 接触ろ床槽:最後に、好気性微生物が活動し、有機物や窒素の硝化が行われ、より高い水質処理が行われる
項目 | 基準値 |
---|---|
BOD | 20mg/L以下 |
T-N | 20mg/L以下 |
SS | 15mg/L以下 |
COD | 30mg/L以下 |
構造、総容量(5人槽の場合)
- 沈殿分離槽 0.317㎥
- ↓ 流入
- 嫌気ろ床槽 0.600㎥
- ↓
- ピークカット部 0.120㎥
- ↓
- 接触ろ床槽 0.296㎥
- ↓
- 処理水槽 0.165㎥
- ↓
- 消毒槽 0.015㎥
- → 放流
人槽 | 総容量 (㎥) |
---|---|
5人槽 | 1.513 |
7人槽 | 2.117 |
10人槽 | 3.029 |
ブロワーの風量

人槽 | 風量 (ℓ/分) | 圧力 (kPa) | 消費電力 (W) | 吐出口径 (mm) |
---|---|---|---|---|
5人槽 | 60 | 15 | 39 | 13 |
7人槽 | 90 | 15 | 55 | 13 |
10人槽 | 110 | 18 | 75 | 20 |

CA型1槽、維持管理ポイント

まず、水の流れに番号を振っていきます。

一つ目の詰まりのポイントは、赤○で示された3箇所です。
返送部分での詰まりは、バルブを全開にし、ハンマーで軽く叩くことで大抵は解消できます。
それでも生物膜が取れない場合は、ブラシを使っての清掃が求められます。
次に、汚泥攪拌装置の散気管。
こちらの詰まりは、ユニオンナットを外してホースを取り付け、水圧で洗浄することで解消されます。
また、「汚泥撹拌装置は汚泥を細かく撹拌し、スカム(表面の汚泥)の生成に関して非常に重要」です。
この機能を持続させるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
詳しい手順や詳細な解説については動画をご視聴ください。
CA型2槽、維持管理ポイント


二つ目の詰まりのポイントは「嫌気ろ床槽」で、これは槽の4番目の部分に位置します。
ろ材に汚泥やガスが蓄積すると、水の流れが悪化します。
点検時には、塩ビ管を使用して「ガス抜き」を行うことが必須です。
詰まりの判断基準は、4番と5番の水位の比較にあります。
通常、水位は同じ高さになります。
もし水位に変動があれば、それは詰まりの兆候と判断することができます。
下記の動画で確認できます↓
ばっ気槽、消毒槽、維持管理ポイント


消毒槽の詰まりの主な原因として、オリフィスの詰まりが挙げられます。
オリフィスが詰まると水の揚水が停止し、「満水状態」になります。


オリフィスには、ブロワーからの微細なゴミやホコリが「詰まりやすい細い穴」が存在します。
揚水の不具合が生じた場合、蛇腹部分を取り外し、クリップやマチバリのような細い道具で穴内のゴミを除去することで、揚水の機能が回復します。
また、水道水を流すことも詰まりの解消に効果的です。
上記の動画で、オリフィスの詰まりを解消する方法を詳しく解説しています。お時間があれば、ぜひご参照ください。
オリフィスを洗浄をする際は、上部にある放流エアリフト管も洗浄しておきましょう。
揚水される水は消毒剤を通過した後に細菌が除去され、側溝や河川へ放流されます。
フジクリーンCA型浄化槽清掃動画
閲覧注意ですが、上記の動画で私の実際の清掃手順を紹介しています。
何か参考になる点があれば、ぜひ取り入れてみてください。
おわりに

現役の浄化槽管理士の皆さんには、解説してきた内容に共感していただけるのではないでしょうか。
また、これから現場での業務を始める初心者の方々は、この記事で解説する問題に必ず直面することとなります。
皆様の実務に役立つ情報を、本記事で詳しくお伝えしました。
この情報が皆さまの浄化槽管理にとって参考となれば幸いです。
個人的にこのモアコンパクト型は管理しやすい浄化槽です!
揚水とは水を高い所に上げること。