浄化槽の維持管理では、ロータリーブロワーの点検が欠かせません。ブロワーは365日休まず連続運転しているからです。

中型・大型浄化槽で使うロータリーブロワーは、フィルターや消耗部品、オイルの交換に手間がかかります。

この記事では、HCロータリーブロワーのオイル交換方法について解説します。作業を楽にする「オイル抜きパイプ」の使い方をまとめました。

オイル抜きパイプを使えば、メンテナンスの作業時間を短縮できます。

動画でも解説していますので、お時間のある方はご視聴ください。

ブロワーのオイル交換が必要な理由

ロータリーブロワーにオイル交換が必要な理由を解説します。

中型・大型ブロワーに欠かせない定期メンテナンス

中型・大型浄化槽には大量の空気を送る必要があります。送風能力が高い反面、定期的なメンテナンスが欠かせません。

具体的な作業内容は以下のとおりです。

  • オイルの交換
  • フィルターの清掃
  • ストレーナーの交換
  • 耐油ホースの交換
  • ベルトの交換

消耗部品を放置すると、ブロワーの故障につながります。長く使うためにも、計画的なお手入れを心がけましょう。

オイル交換を怠ると起こる主なトラブル

「面倒だから」とオイル交換を後回しにすると、トラブルにつながります。ロータリーブロワーのオイルは、部品の摩耗を防ぐ血液のような存在です。

オイルの劣化や不足が引き起こす主な問題は、以下のとおりです。

  • 本体からの異音や発熱
  • 羽根の焼き付きによるブロワーの故障
  • 微生物の酸欠による悪臭や水質悪化

ブロワーが止まると浄化槽の処理機能に影響するため、定期的な点検が必要です。

オイル抜きパイプの特徴とメリット

オイル抜きパイプは、HC型ブロワーのオイルを簡単に抜き取れるメンテナンスツールです。オイルキャップ部に直接取り付ける専用管です。

ブロワー運転中にオイルタンクへかかる圧力を利用し、オイルを押し出して抜き取ります。

オイル抜きパイプを使用すれば、作業時間を短縮しつつ、周囲を汚さずに廃油を排出できます。廃油の処理が簡単になり、メンテナンスのハードルも下がります。

本体下部から受け皿へ排出する従来の方法には、「受け皿の準備が必要」「排出に時間がかかる」「周囲が汚れる」というデメリットがありました。

オイル抜きパイプを使った交換手順

オイル抜きパイプを使ったオイル交換の流れを解説します。

作業前にそろえる5つの道具

作業を始める前に、以下の道具を用意してください。

  • オイル抜きパイプ
  • ホース
  • 廃油を入れる容器
  • ウエス(汚れ拭き取り用の布)
  • 新しいブロワー用オイル

古いオイルを抜く6ステップ

  1. ブロワーの電源を切り、安全を確認してから作業を始める
  2. オイルタンクに抜きパイプを垂直に挿入する
  3. パイプ先端がタンク底に当たるまで差し込み、固定ネジを締める
  4. オイル抜きパイプに廃油ホースを接続する
  5. ブロワーを運転し、タンク内圧を利用してオイルを排出する
  6. ホースから泡状のものが出てきたらオイルが抜けた合図です

新しいオイルの補給と量の確認

古いオイルを抜き終わったら、オイル抜きパイプを外します。本体のオイル補給口から、規定量の新しいオイルを注ぎ入れてください。

メーカー指定のオイルは「出光ダフニースーパーハイドロ68X」です。最後に、オイルゲージ棒で量を確認します。

上限線と下限線の間に収まっていれば適量です。オイルが下限線を下回っている場合や減りが早い場合は、早めに補給してください。

あわせて、散気管のつまりによる圧力上昇や、オイル漏れがないかも確認しましょう。

HC機種別のオイルタンク容量一覧

オイルタンクの総容量は以下のとおりです。

機種名(HC)オイルタンク総容量(有効量)
251s1.5L(1.1)
30s1.5L(1.1)
301s1.5L(1.1)
301H1.5L(1.1)
40s2.5L(1.7)
401s2.5L(1.7)
50s3.5L(2.7)
501s3.5L(2.3)
60s5.5L(3.8)
80s8L(6.0)
100s20L(16.0)

オイル抜きパイプでブロワー点検を効率化

HCロータリーブロワーのオイル交換は、オイル抜きパイプを使うと楽に行えます。

日々の作業ストレスが減れば、定期点検の質が上がり、浄化槽の寿命を延ばすことにもつながります。

次回のオイル交換に向けて、オイル抜きパイプの導入をぜひご検討ください。

ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、YouTubeやSNSを通じて現場で得た気づきや詰まり解消法、ブロワーの修理法について発信しています。 浄化槽は下水道が整備されていない地域で主に活躍するインフラ設備です。微生物の働きによって汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が不可欠です。維持管理には浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。浄化槽の役割や正しい使い方を伝える活動を行っています。