
浄化槽内の配管に空気を供給する重要な機器がブロワーです。
ブロワーは微生物に酸素を供給する役割を持っていて、「ブロワーが故障するとニオイの発生や配管の詰まりの原因」となります。
修理なんて難しそうだなぁ〜
ブロワーの修理を自分で試みたいけれど、「必要な道具が分からない方や、騒音が気になっても新品に交換するとコストがかかると悩んでいる方」は多いかと思います。
そんな方々のために、以下の動画と本記事でブロワーのメンテナンス方法を詳しく解説しております。
動画をご覧いただくことで、修理に必要な道具や手順を理解していただけると思います。
ブロワーの修理方法と騒音対策についてわかりやすく解説していきます。
- ダイヤフラム(チャンバーブロック)
- ベクトルナットドライバー
- プラスドライバー

あると便利な道具
- ペンチ
- マイナスドライバー
- 清掃ブラシ

ブロワーの故障原因No.1はダイヤフラム!
まず、故障しやすい部品について解説いたします。
- ダイヤフラムが破れる(修理できる)
- 中のロッド(磁石)が割れている(修理はできるが更に費用がかかる)
- 中のコイル(電線)が断線している(修理不可、新規取替)
ブロワーの故障の多くは「ダイヤフラム」の問題が原因です。
もし、ダイヤフラム以外の部品に問題がある場合、部品の取り寄せが難しく時間もかかることが多いです。
このため、ダイヤフラム以外の部分に故障がある場合、新品のブロワーへの交換が経済的な選択となります。
今回は、ダイヤフラムの故障に焦点を当てて解説します。
ブロワーには必要な風量が明記されているため、その風量に合ったブロワーの選択が極めて重要になります。

なぜブロワーは壊れる?主な故障原因
ブロワーは一年を通じて稼働するため、多くの要因が故障の原因となります。
フィルターの詰まり、配管の問題、浄化槽とブロワーとの距離、設置場所などが挙げられます。
特に、ブロワーの内部に存在する「ゴム製の弁」は連続的な伸縮を繰り返します。このため、経年劣化により損傷を受けやすいのです。
ダイヤフラムはブロワー内部で非常に重要な役割を担っています。経年劣化や摩耗により損傷がある場合、迅速な交換が必須です。
ダイヤフラムの役割とブロワーへの影響

上の写真は新品のダイヤフラム、下の写真は破損したダイヤフラムを示しています。

破損したダイヤフラムは、汚れや破れた部分がはっきりと確認できます。
一部の破れた箇所だけを交換する選択を考えるかもしれませんが、「ダイヤフラムは基本的に上下セットでの交換をおすすめ」します。
また、新品のダイヤフラムの写真で示される小さな矢印の部分も、破損していることがしばしば見受けられます。
メーカーの推奨によれば、ダイヤフラムは年に一度の交換が良いとされています。
もし修理後、1年も経たずに故障が再度発生した場合、ブロワー全体の交換を考慮する時期かもしれません。
これは、ダイヤフラム以外に問題が存在するか、機械そのものの寿命を迎えている可能性が考えられるからです。
ステップ1カバーを外す

修理を始める前に、まずコンセントを抜き、アース線を外してください。その上で、ブロワーを逆さにします。
続いて、プラスドライバーを使って4本のネジを外していきます。
ただし、上部のカバーは本体としっかり固定されているので、取り外す際には少し手間取る場合があります。
そんなときは、マイナスドライバーを吹き出し口に添え、写真のように「てこの原理」を活用してください。これにより、カバーをスムーズに取り外すことができます。


ステップ2防音フィルターを外す

カバーを取り外すと、防音フィルターが見えます。このフィルターはホコリをたくさん吸収していることがあるので、ブラシで優しくこすり、ホコリを取り除きましょう。
フィルター清掃方法動画
以下の動画でも解説しています。
ステップ3ダイヤフラムのナットを外す

プラスドライバーで4本のナットを外します。交換が必要な部品はゴム管を除く全てなので、左側のゴム管の固定具も同時に取り外しましょう。
ステップ4ナットドライバー

矢印で指示されている部分にはナットが取り付けられています。
ナットドライバーを使用し外します。
慣れた方は両側を同時に作業することもできますが、初めての方や不慣れな方には一つずつ進めることをおすすめします。理由は、取り付け方向を間違えるリスクがあるからです。

ステップ5:ロッド(強力な磁石)の確認方法


上の写真で示されているのは正常なロッド、下の写真ではヒビや欠けが見られるロッドです。
ロッドは空気を送り出すために左右に動きます。ヒビや欠け、摩耗がある場合、ロッドの交換が必要です。

ステップ6ダイヤフラム取り付け


写真は反対側を示していますが、手順は変わりません。部品を交換するとき、止め具の取り付けも忘れずにしっかりと行ってください。
矢印に保護スイッチを合わせる
フィルターの取り付け後、保護スイッチの矢印が正しい位置になっているかを確認しましょう。確認後、コンセントを接続して動作の確認を行います。
写真では矢印の詳細が見づらいかもしれませんが、拡大するとはっきりと確認できます。


保護スイッチは、ダイヤフラムが損傷したときに自動で電源を遮断し、過熱を防ぐ役割を持っています。
矢印を正確に合わせると、電流が通りスイッチが作動します。
修理後にブロワーが動作しない場合、保護スイッチがオフのままかもしれません。
ブロワーの修理は意外と手軽にできます。
コストを節約したい方は、この機会に挑戦してみる価値があります。
私は慣れているので、作業にかかる時間は約10分です!
ブロワーの振動音を改善する方法

ブロワーの騒音は、多くの方が気にされるポイントです。ダイヤフラムを新しくしても、騒音の問題が解消しないことがあります。
一度騒音が気になると、それが気になり続けるものです。新しいブロワーを購入する前に、以下の方法を試してみることをおすすめします。
ちなみに、この「チャンバーブロック」という部品は、写真で示しているものです。
弁はゴム製で、長年の使用によって必ず破損します。
左の写真は破損した弁です。
右の写真は新品の弁を示しています。ダイヤフラムは消耗品なので、経年劣化による交換が必要となります。

コーキング塗布方法:本体とカバーに塗る方法

写真を見ていただければ分かるように、ブロワー本体の周囲にコーキングを施すだけで、騒音の問題が改善されます。
特に音に敏感な方には、このコーキング方法をお試しいただきたいです。
詳しいコーキングの塗布方法については、下記の動画で紹介しています。
このコーキングの方法は他の機種にも応用可能です。特に、LPシリーズのブロワーは音が大きく響きやすい傾向があります。
コーキングなんかして剥がれなくなるんじゃないの?
全く問題ありません!

まとめ

記事を読むうちに、手間がかかると感じた方は、新しいブロワーの購入が最も手早く簡単な方法と思われるかもしれません。
そういった方々のために、こちらで特におすすめのブロワーをピックアップして紹介します。
私はこの業界で10年以上経験を持っておりますので、安心して信頼できる「ブロワーのランキング」をご覧いただけるかと思います。
ぜひ、ご参考にしてください。

ゴム管の取り外しは難しく感じることがあります。そんな時は、ペンチやプライヤーを使い、外す部分を優しく回して取り外しましょう。