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【ポータブルデジタル圧力計】PDPG-30Aで浄化槽ブロワーの圧力を測定する方法

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ブロワーの風量が不安定と感じた経験はありませんか?風量の低下や圧力の変動は、浄化槽の処理性能を低下させます。

ブロワーが故障する原因は、部品の劣化や過負荷によって起こります。浄化槽を安定して運用するには、ブロワーの圧力測定が重要です。

この記事では、PDPG-30Aポータブルデジタル圧力計を使った圧力測定の手順を解説します。ブロワーの圧力測定は、トラブルの予防にも効果的です。

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PDPG-30A デジタル圧力計の特徴

PDPG-30Aは、0.01kPa単位で表示できる高精度なデジタル圧力計です。手のひらに収まる軽量ボディにバックライト付き液晶を備え、暗い場所でも使用できます。操作が簡単なため、専門知識がなくても使用できます。

アナログ式圧力計と異なり、圧力を正確に表示できます。ブロワーメーカーのカタログなどを参照すれば、現在の圧力からおおよその風量も把握可能です。

ブロワー修理後に完成品を取り付けて圧力を計測すれば、前回の故障がダイヤフラムの寿命によるものか、高圧や低圧が原因で早期に破損したのかを判断できます。仕様は以下のとおりです。

項目内容
サイズ横140mm×高さ75mm×幅24mm(本体部分)
接続部13A
電源DC1.5V(ボタン電池L1154×4個使用)※電池交換可能
圧力範囲0~30kPa
常用使用圧力80kPa
最大許容圧力80kPa
精度0.3kPa以内(@25°C±3°C)、0~50°Cでは最大0.6kPaの誤差あり
耐圧/破壊圧120kPa
保管温度-10~70°C
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ブロワーの圧力管理が必要な理由

ブロワーの圧力管理が必要な理由

ブロワーの圧力管理が必要な理由は以下のとおりです。

  • 微生物の活性を維持し処理能力を安定させる
  • 処理水の水質悪化と臭気の発生を防ぐ
  • 機器故障・維持コスト増を防ぐため

微生物の活性を維持し処理能力を安定させる

浄化槽内の好気性微生物は、有機物を分解する際に大量の酸素を必要とします。ブロワー圧が低下するとエアー供給が不足し、微生物の働きが弱まり分解速度が落ちます。

酸素不足が進行すると、微生物が死滅したり嫌気化が進んだりして臭気が発生します。ブロワーの故障を放置すると、近隣からの苦情につながります。

処理水質の悪化と臭気の発生を防ぐ

ブロワーによるエアー供給は撹拌効果もあり、槽内の汚水を生物膜に均一に届けます。

圧力が不足して水流が弱まると、流れのない死水域に汚れが滞留し、スカムが発生します。処理水質が悪化し、BOD基準を超える可能性があります。

機器故障・維持コスト増を防ぐため

圧力の変動は、ダイヤフラムの摩耗や配管の詰まり、エアー漏れなどの異常を示すサインです。早期に対処すれば修理で対応できますが、放置するとブロワーが故障し、交換費用がかさみます

ブロワーの圧力が上下する原因

ブロワーの圧力が上下する原因は、以下のとおりです。

  • ブロワー内部のダイヤフラムが経年劣化
  • 配管の詰まりやエアー漏れ
  • フィルターの目詰まりや過負荷運転

ブロワー内部のダイヤフラムが経年劣化

圧力低下の主な原因は、ブロワー内部にあるダイヤフラムの劣化です。ダイヤフラムは使用から1年を超えると、摩耗が進行します。

ブロワーの安定稼働には、定期的な清掃と点検が必要です。現実的ではありませんが、メーカーは年1回のダイヤフラムの交換を推奨しています。

配管の詰まりやエアー漏れ

ブロワーの圧力が上昇する原因は、配管の詰まりによる過負荷です。配管内に汚れや異物、オイルがたまると空気の流れが阻害され、圧力が不安定になります。

フィルターの目詰まりや過負荷運転

ブロワーのフィルターが詰まると過負荷運転となり、圧力が上昇します。ダイヤフラムやブロワー本体に過度な負荷がかかり、故障の原因になります。

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デジタル圧力計の操作方法と測定する際の注意点

デジタル圧力計の操作方法と測定する際の注意点

デジタル圧力計の操作方法と測定する際の注意点を、以下で解説します。

デジタル圧力計の操作方法

デジタル圧力計の操作方法は、以下のとおりです。

  • ゲージスイッチをONにする
  • 電源ON時に再度スイッチを押すとバックライトが点灯する
  • 電源をOFFにするにはスイッチを約3秒押し続ける
  • 圧力が1kPa以上のときにゼロリセットを行う
  • ゼロリセット時はスイッチを約6秒押し続ける
  • 表示が安定したらゼロリセットを完了する

圧力を測定する際の注意点

圧力を測定する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 出口が13Aの場合は圧力計の大口側をブロワーに接続する
  • 小口径側をゴム管に接続して計測する
  • 出口が20Aの場合は異径ソケットを使い接続する
  • 圧力計の大口側をゴム管に、小口径側をブロワーに接続する
  • 電池交換時は電動工具の使用を推奨する
  • ノイズが発生する場所での使用を避ける
  • 直射日光下での長時間使用を控える
  • 直射日光を避け湿気や結露のない場所に保管する
  • 機器に叩いたり衝撃を与えない

圧力測定の参考動画

圧力測定の参考動画は以下のとおりです。

  • 現場での測定結果
  • 新品vs中古ブロワーの圧力比較
  • 浄化槽満水から回復までの圧力変化
  • ダイヤフラム交換前後のデータ

現場での測定結果

以下の動画では、さまざまな条件下で圧力を検証しています。圧力計の操作手順や具体的な使用例は、次の動画をご覧ください。

新品vs中古ブロワーの圧力比較

新品ブロワーと中古ブロワーの圧力測定結果は、以下の動画をご確認ください。

浄化槽満水から回復までの圧力変化

以下の動画では、満水状態の浄化槽が徐々に正常な水位へ戻る過程での圧力変化を測定しています。圧力の推移予想しながらご覧ください。

ダイヤフラム交換前後のデータ

以下の動画は、ブロワー修理後にダイヤフラムを交換する前後で実施した圧力測定の結果です。

まとめ

圧力測定は浄化槽の処理性能を安定させ、トラブルを防ぐうえで効果的です。浄化槽を正常に運転するには、ブロワーの圧力管理が重要です。

点検時に測定し、過去の記録と比較することで早期に異常を発見できます。PDPG-30Aポータブルデジタル圧力計を使えば、簡単に圧力を測定できます。

圧力測定を習慣化し、浄化槽を安定して運用しましょう。

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ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは浄化槽業界に10年以上携わる、現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」がコンセプトです。実体験をもとにYouTubeやSNSを通じて、現場で得た気づきや詰まり解消法、ブロワーの修理法などを発信しています。 浄化槽は主に下水道が整備されていない地域で活躍するインフラ設備です。微生物の働きによって汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が不可欠です。維持管理には浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。多くの方に向けて、浄化槽の役割や正しい使い方を伝える活動を行っています。
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