浄化槽管理士とは?仕事内容・資格の取り方・年収を解説!
浄化槽管理士は生活環境の衛生を守る専門職です。自然環境を守ることにも役立っています。
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、管理士の仕事内容と資格の取り方・年収を解説します。浄化槽管理士がどんな仕事なのかを知りたい方に向けて書きました。
浄化槽の保守点検をするには国家資格が必要です。浄化槽管理士は点検を通じて浄化槽が正しく働くように保ちます。
浄化槽管理士とは|国が認めた資格の役割と大切さ

浄化槽管理士は「浄化槽の保守点検ができる知識がある」と国が認めた国家資格です。
国家資格は特定の仕事に必要な知識や能力を、国が法律にもとづいて認める資格のことです。
動画でもわかりやすく解説しています。
浄化槽の役割|下水道のない地域で生活排水をきれいにする
浄化槽は下水道が通っていない地域で大切な役割を果たしています。1人あたり1日およそ200〜250リットルの生活排水をきれいにしているのです。
浄化槽管理士は浄化槽が正しく働くように保守点検を行い、水をきれいに保って地域の衛生を支えています。
浄化槽のお医者さんとも呼ばれる仕事です。
浄化槽管理士の仕事内容|保守点検で行うこと

浄化槽管理士は浄化槽法という法律にもとづいて保守点検をします。浄化槽がきちんと働いているか確かめて、調整や修理を行います。
主な作業は水質を調べること・たまった汚泥の量を見ること・消毒剤を補充することです。どれも浄化槽の性能を保つために必要な作業です。
点検結果をもとに、施設のオーナーや管理者へ改善案を提案します。
訪問件数は地域や勤務先で違いますが、1日あたり10〜20件が目安です。
点検のチェックポイント|6つの確認項目
浄化槽に不具合が起きると、詰まりやいやなニオイの原因になります。困りごとを防ぐために次の6つを確かめます。
- 浄化槽が正しく動いているか確かめる
- 汚泥のたまり具合を確かめる
- 配管やろ過装置(担体・ろ材)の目詰まりを調べる
- 空気を送るブロワーを点検する
- 水質を測って基準を満たしているか確かめる
- 消毒剤や微生物を補充する
消毒薬は処理した水を放流する前に大腸菌などを消毒するためのもので、時間とともに減っていきます。点検のたびに減り具合を確かめて補充するのも大切な仕事です。
ブロワーから異音がするときは、防振マットを敷いたり電源コードをまとめたりして調整します。それでも直らない場合はメーカーや専門業者に修理を頼みます。
向いている人の特徴|5つのポイント
浄化槽管理士に向いている人の特徴は次の5つです。
- コミュニケーション能力
- お客さまと気持ちよく話せることが大切です。点検のときに要望をきちんと聞き取り、対応する力が求められます。
- 柔軟な対応力
- 点検は現場ごとに状況が違います。急なトラブルにもその場で考えて動ける方が向いています。
- 細かい作業の正確さ
- 浄化槽の点検では細かい部分に気づく力が必要です。点検や修理を正確に行うことで性能を保てます。
- 技術的な知識
- 浄化槽のしくみを理解して正しく点検するには、技術的な知識が必要です。技術に興味がある方は管理士として活躍しやすいです。
- 汚れやニオイへの強さ
- 汚水や強いニオイのある場所での作業があります。虫や汚物に触れる場面もあるので、こうした環境が苦にならない方に向いています。
浄化槽管理士の資格の取り方|受験資格と試験

浄化槽管理士試験には受験資格の制限がありません。実務経験や学歴・年齢・性別に関係なく、誰でも挑戦できます。
試験会場は宮城・愛知・東京・大阪・福岡です。
試験の概要は次のとおりです。
- 試験日:毎年10月下旬(令和8年度は10月25日)
- 申し込み:7月上旬〜8月上旬、オンライン申請のみ
- 受験料:23,600円(非課税)
- 出題:7科目80問のマークシート方式
- 合格基準:満点の65%前後
- 合格率:20〜30%(令和7年度は22.8%)
合格したあとは免状の交付申請が必要です。免状を受け取るまでは正式な資格にならず、保守点検の仕事はできません。
試験は7科目から出題されます。勉強の進め方は次の章で説明します。
合格率を高める学習方法|独学と講習の比較

資格の取り方は「独学で試験を受ける」と「講習を受ける」の2つです。おすすめは講習を受ける方法です。
講習を受けた人の合格率は80%以上と高くなります。講習のおもなメリットは次の5つです。
- 試験に必要な知識をまとめて学べる
- 同じ業界の人とのつながりができる
- 職場でのスキルアップや昇進につながる
- 法律の知識も身につく
- 試験の重要ポイントを教えてもらえる
講習は必要な知識を短い時間で身につけられるのがメリットです。一方で費用がかかるうえ、講習や修了考査の日程に合わせて時間を作る必要があります。
独学はテキストや問題集で勉強します。ただし内容をよく理解できないまま試験を受けてしまうおそれがあるので注意が必要です。
費用を抑えて自分のペースで進めたい方には独学も良い選択です。
講習の受講料は、独学の受験料23,600円と比べると高くなります。予算と勉強にかけられる期間を考えて選びましょう。
浄化槽管理士の将来性と平均年収|需要と収入の目安

浄化槽管理士の需要は伸びています。自治体や企業からの依頼も多く、将来性のある仕事です。
地域や勤務先によって差はありますが、平均年収はおよそ400万円です。資格を取れば収入アップも期待できます。
環境を守ることに直接関わるので、やりがいを感じやすい仕事です。
経験を積むほど仕事の幅が広がります。
年収は経験と地域で差が出る
経験を積んで資格や技術を身につけるほど年収は上がっていくのが一般的です。毎日多くの家庭を回る仕事なので、丁寧な対応ができる人や件数をこなせる人は会社から頼りにされます。
地域による差も大きく、200万円ほどから700万円を超える例もあるほどです。人口密度や仕事の件数・会社の規模も収入を左右します。
求人は未経験・資格なしでも応募できる
浄化槽管理士の求人は学歴や資格を問わないものが多く、普通自動車免許があれば応募できます。未経験者歓迎の会社がたくさんあるのも特徴です。
入社後に研修を受けられるうえ、資格の取得を支援する会社もあります。働きながら資格を取る人も少なくありません。
働き方は正社員・フリーランス・独立の3つ
多くの人は正社員として働いています。勤務は平日の日中が中心で、週休2日制の会社が多いです。
フリーランスや独立という道もありますが、収入は地域の需要や営業力で大きく変わります。専門知識に加えて自己管理の力も欠かせません。
資格を取ったあとの就職先とキャリア
資格を取ったあとの主な就職先は、保守点検会社・地方自治体・環境保護団体などです。自営業として独立する道もあります。
環境問題への関心の高まりや管理士の高齢化で、現場で働く管理士の需要は増えています。経験を積めば技術管理者や指導者を目指すことも可能です。
環境意識の高まり|求められる知識は増えている
環境問題への関心が高まり、浄化槽にも「よりきれいな水を出すこと」が求められています。法律の改正もあり、浄化槽管理士にはより深い知識が必要になっています。
資格を取ったあとも学びは終わりません。新しい技術に対応するために、最新の知識を学び続けることが大切です。
働きやすさ|自分のペースで現場を回れる魅力
浄化槽管理士の魅力は、自分のペースで現場を回れることです。1件ごとの作業は重い物を運ぶような重労働ではありません。
週休二日制の会社も多く、働きやすい環境が整っています。
専門知識を身につければ浄化槽のトラブルにもうまく対応できます。社会に必要な仕事なので長く続けられるのも魅力です。
まとめ|浄化槽管理士の役割と重要性

浄化槽管理士は浄化槽の保守点検を通じて水と暮らしの環境を守る国家資格です。
仕事は水質を調べたり汚泥の量を確かめたりして浄化槽の性能を保つことです。
受験資格に制限はなく、講習を受ければ合格率も高くなります。
需要が安定していて、自分のペースで働ける仕事です。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。






