浄化槽ブロワーの音がうるさい!眠れない振動音の原因と対策
「ブロワーの音が気になって眠れない」と悩む方は多いです。
寝室が浄化槽やブロワーに近いほど振動音は伝わりやすいものです。
振動音のストレスがたまると健康や生活の質にも悪影響が出ます。この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私がブロワーの振動音の原因と対策を説明します。
まずブロワーの仕組みと音の種類・原因を見ていきましょう。そのあとに自分でできる対策と部品交換、管理会社に頼む対策を紹介します。
原因と対策を知って静かで快適な生活を取り戻しましょう。
ブロワーの役割と音が出る仕組み

この章では次の3つを説明します。
- ブロワーの役割
- 電磁式ブロワーの仕組み
- 振動音が発生する3つの原因
ブロワーの役割
ブロワーは浄化槽の中の微生物に酸素を含んだ空気を送って元気に働かせる装置です。
微生物の働きで家庭から出る汚水がきれいになります。ブロワーは水を移したり戻したりする配管にも空気を送って浄化槽の働きを支えています。
電磁式ブロワーの仕組み

電磁式ブロワーはコイルに電気を流して電磁石にN極とS極を作る仕組みです。
電磁石とゴム弁であるダイヤフラムについた磁石の間で引き合う力と反発する力が生まれます。この力でダイヤフラムが振動する仕組みです。
この振動で空気を押し出して吐出弁から送り出します。同時に吸入弁から新しい空気を取り込むのです。
この動きの繰り返しで振動や音が出ます。
振動音が発生する3つの原因
ブロワーの振動音は主に次の3つの原因で出ます。
- 設置場所や取り付け方が悪い
- 振動が家の壁や床を伝わって大きくなる
- 長年の使用で部品が古くなったりすり減ったりしている
特にブロワーが家の土台である基礎の近くにあると音が建物全体に伝わってしまいます。
音の種類でわかるブロワーの異音の原因

ブロワーの音は「カタカタ」「ジリジリ」「ブーブー」「シューシュー」などいろいろです。大きく分けると次の3種類になります。
- 振動音:カタカタ・ジリジリ
- 機械音:ブーン・シューシュー
- 劣化音:ガタガタ・ブーブー
振動音:カタカタ・ジリジリはコードやゴミが原因
カタカタ音がする場合は、硬くなった電源コードが本体に当たっている可能性があります。
ジリジリ音はたまったゴミや枯れ葉が本体に触れているのが原因と考えられます。
機械音:ブーンは振動・シューシューは空気漏れ
低いブーンという音は振動が原因です。防振ゴムなどを敷けば振動を抑えられます。
シューシューという音はつなぎ目やホースから空気が漏れているサインです。
劣化音:ガタガタ・ブーブーはパッキンやゴム足の劣化
フィルターカバーからガタガタ音がする場合はパッキンが劣化している可能性が高いです。ブーブーという音はゴム足の劣化が原因です。
どの音も部品の交換や手入れで直せることが多いです。くわしい直し方は後の章で紹介します。
異音の様子は次の動画で見られます。
ブロワーの騒音の目安は40〜60dB

家庭用ブロワーの騒音レベルは40〜60dBほどです。ブロワーの種類や置き場所によって変わります。
| 音の大きさ(dB) | 音の大きさの目安 |
| 120 | 飛行機のエンジンの近く |
| 110 | 自動車のクラクション(前方2メートル) |
| 100 | 電車の通るときのガード下 |
| 90 | 大声による独唱、騒々しい工場の中 |
| 80 | 鉄道の線路脇、飛行機の機内 |
| 70 | 掃除機、騒々しい事務所 |
| 60 | 普通の会話、静かな乗用車 |
| 50 | 静かな事務所 |
| 40 | 昼間の静かな住宅地、図書館 |
| 30 | 深夜の郊外、ささやき声 |
| 20 | 木の葉のふれあう音 |
国が定める住宅地の騒音の環境基準は、昼間55dB以下・夜間45dB以下です。家庭用ブロワーはふつうこの範囲におさまります。
目安を大きく超えているときは故障や部品の不具合が考えられます。早めに点検しましょう。
騒音計を使った測定方法は次の動画を参考にしてください。
振動音が睡眠を妨げる理由と健康への影響

この章では次の3つを説明します。
- 音が睡眠に与える影響
- 振動音が寝室に伝わる仕組み
- 近所からの苦情やトラブルにもつながる
音が睡眠に与える影響
寝ているときに音が気になると次の問題が起こります。
- 浅い眠りが続いて疲れがたまる
- 日中の集中力が下がる
- ストレスやイライラが増える
振動音が寝室に伝わる仕組み
振動音の広がり方はブロワーの設置場所や家の構造によって変わります。
鉄骨やコンクリートの家では振動が伝わりやすいです。壁や床を通って寝室まで響くこともあります。
近所からの苦情やトラブルにもつながる
ブロワーの音や振動は近所の人にとっても迷惑になります。特に夜間は隣の家の寝室まで音が届き、苦情の原因になることがあります。
異音に気づいたら早めに手入れや部品交換をしましょう。音が隣の家に直接届かないように置き場所を工夫するのも効果があります。
自分でできるブロワーの騒音対策4つ

自分でできる対策は次の4つです。
- 置き方を見直して振動を抑える
- 吸音材や振動吸収材で音をやわらげる
- 定期的にメンテナンスを行う
- 間欠タイマーで夜間だけ運転を止める
置き方を見直して振動を抑える
まず考えたいのはブロワーの置き方の見直しです。次のポイントを確かめてください。
- ブロワーが傾いたりぐらついたりしていないか
- ブロワーが家の壁や基礎に直接ふれていないか
寝室から離れた場所へ移すのも効果があります。ただしブロワーを移す工事には専門知識が必要です。
浄化槽から離しすぎると送れる空気の量が減って浄化槽の働きが落ちます。移したいときは契約している管理会社に相談しましょう。
雨風や直射日光が当たる場所では本体の温度が上がり、中のダイヤフラムが早く傷みます。できるだけ日陰など温度が上がりにくい場所に置きましょう。
吸音材や振動吸収材で音をやわらげる

簡単にできる対策として次のアイテムを使ってみましょう。
- 吸音マット・防音マットを敷く
- 配管に防音テープを巻く
- パッキンの代わりにすき間をうめるコーキング材を使う
どれもホームセンターやネット通販で手軽に買えます。
防音カバーでブロワーを覆うときは熱がこもらないように空気の通り道を確保しましょう。熱がこもると部品が傷みやすくなります。
定期的にメンテナンスを行う
メンテナンスをしないでいると振動や音は大きくなります。次のお手入れを行いましょう。
- フィルターや吸い込み口を掃除する
- ブロワーのまわりを掃除して振動を減らす
- 古くなった部品を交換する
こまめなメンテナンスはブロワーを長持ちさせることにもつながります。
間欠タイマーで夜間だけ運転を止める
浄化槽は基本的に24時間ブロワーで空気を送り続けます。
間欠タイマーは決めた時間にブロワーを止めたり動かしたりする機械です。
浄化槽をよく使う家庭には向きません。使う回数が少ない家庭なら影響も小さく効果があります。
例えば22時に寝るなら22時に止めて3時に動かすといった設定が可能です。
止めて動かした際はにおいや水質に影響が出ることがあります。取り付けは契約している管理会社に相談しましょう。
異音を止める部品交換と手入れ7選

少ない費用で自分でできる対策は次の7つです。
- 電源コードを固定する
- ブロワー周辺のゴミや枯葉を掃除する
- フィルターカバーのパッキンを交換する
- ブロワーの設置場所を見直す
- ブロワー本体のゴム足を交換する
- 吹き出し口のゴムホースを交換する
- ビルトインチューブを交換する
電源コードを固定する

長年使うと電源コードが劣化して硬くなります。硬くなったコードが本体に当たると異音が出ます。
コードの状態を確かめてテープや結束バンドで固定しましょう。本体に当たらなくなれば音は止まります。

ブロワー周辺のゴミや枯葉を掃除する

ゴミやホコリがフィルターや吸い込み口にたまると異音が出ます。
本体や電源コードにゴミが触れていないか確かめて周りを掃除しましょう。
フィルターカバーのパッキンを交換する

ブロワーにはフィルターカバーが付いています。
フィルターカバーの裏にはパッキンがあり(一部機種を除く)、長く使うと傷んできます。
パッキンが傷むと本体とカバーの間にすき間ができ、振動や異音の原因になるのです。
新しいパッキンに交換するか結束バンドで固定すると直ります。

フィルターカバーや本体のネジに緩みがないかも確かめてください。
古い機種ではパッキンの製造が終わっていて交換できない場合もあります。
異音が消えないときは新しいブロワーに買い替えるのがおすすめです。安全で電気代も安くなります。
ブロワーの設置場所を見直す

ブロワーは水平なコンクリートベースに設置します。本体にはゴム足が4本あり、傾いた状態で置くと重さが片寄って異音の原因になります。
設置場所を調整して安定した位置に固定してください。
本体のゴム足を交換する
ゴム足は長く使うと劣化してぐらつきの原因になります。
新しいゴム足に交換しましょう。振動を吸収する防振パッドを敷くのもおすすめです。

吹き出し口のゴムホースを交換する

ブロワーの吹き出し口には必ずゴムホースが付いています。
長く使うとホースがひび割れたり破れたりして空気が漏れます。

空気漏れを止めるには新しいゴムホースに交換しましょう。
ビルトインチューブを交換する

多くのブロワーは吹き出し口の内側にビルトインチューブという部品が入っています。長く使うとこのチューブが傷んで、空気が漏れることがあるのです。
チューブが破れると本体の中から「シューシュー」という音がします。

くわしくは次の動画でも解説しています。
業者に頼む騒音対策|配置の見直しと静かな機種への交換

この章では次の4つを説明します。
- 配管とブロワーの位置を見直す
- 音の静かなブロワーへ交換する
- ブロワー選びで確認したい2つのポイント
- 業者依頼にかかる費用の目安
配管とブロワーの位置を見直す
浄化槽とブロワーは配管でつながっています。ブロワーや配管が寝室の近くにあると音が気になりやすくなります。
音の原因はブロワー本体の音だけではありません。配管を伝わる振動が響く音も含まれます。
ブロワーと配管を寝室からできるだけ離すと効果があります。
音の静かなブロワーへ交換する
最新のブロワーは昔の製品より音がずっと静かです。
最初にお金はかかりますが長く快適に過ごせるので交換する価値は十分にあります。
省エネ性能も上がっているので電気代の節約にもつながります。
ブロワー選びで確認したい2つのポイント
ブロワーを選ぶときは2つの点を必ず確かめましょう。1つは音の大きさを示すデシベル値です。
もう1つは浄化槽の型式に合う風量です。
風量が足りないと浄化槽が汚水をきれいにできなくなります。
業者依頼にかかる費用の目安

専門業者に防音対策を頼む場合の費用は5万円くらいが目安です。
この金額には設置場所の変更やサイレンサーの取り付けなどが含まれます。
地面を削る作業や配管の移動など大がかりな工事が必要な場合は10万円以上かかることもあります。
まとめ|快適な睡眠環境を取り戻すために

ブロワーの音を完全になくすのは仕組み上難しいです。それでも小さくする対策はできます。
音が気になるときはまず吸音材を敷いたりブロワーのメンテナンスをしたりしてみましょう。
どちらも手軽に始められて効果も早く感じられます。夜だけ間欠タイマーで運転を止める方法もあります。
カタカタ・シューシューなどの異音は、電源コードの固定やパッキン・ゴム足・ホースの交換で直ることも多いです。
騒音対策に悩んだときは契約している管理会社に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けると自分の家に合った対策を選べます。






