- ブロワーの主な機能
- ブロワーが停止した場合の影響
- ブロワーが停止したときの解決策や対応方法
この記事をご覧になっている方は浄化槽のブロワーに関する問題を抱えていると思います。
ブロワーが動作しない、故障しているという指摘を管理業者から受けることは珍しくありません。
ブロワーは浄化槽の「心臓部」とも呼ばれ、重要性は非常に高いです。停止してしまうと浄化槽は機能を果たさず、単なる汚水貯蔵タンクと化してしまいます。
故障や停止が発生した際には、迅速に修理や交換を行うことが求められます。
ブロワーが停止すると起こる問題
- 不快なニオイの発生
- 浄化槽の機能低下
- 汚水の浄化不足による水質悪化
- 配管の詰まりによる水流の不具合
- 環境への負荷と影響
以下の動画ではブロワー停止時の槽内の状態を紹介しています。
さらに放置すると以下のようになります↓
ブロワーは消耗品!寿命と適切な取り扱い方
故障する原因
- モーターが経年劣化や過負荷により故障する
- 風量調整弁の故障が原因で過剰な負荷が発生する
- 粉塵や汚れがブロワー内部に詰まる
- 過熱や異常音、動作不良を引き起こす
ブロワーはあまり知られていない装置ですが、消耗品の部品があるため故障は避けられません。
長時間の稼働により部品の劣化や摩耗が起こるのは自然なことで、原因は内部部品である「ダイヤフラムの劣化」です。ブロワーの一般的な寿命は約8年程度です。
ブロワーの役割とエアー供給の重要性
微生物は生き物であり、活動には酸素が不可欠です。ブロワーの役割は必要な酸素を供給することにあります。
ブロワーが停止してしまうと酸素の供給が途絶え、微生物の活動が低下します。結果、微生物が死滅し強烈な悪臭の原因となります。
ニオイの問題については多くの方から相談が寄せられています。
移送・返送・循環の重要性
槽内には移送管や返送管など、多様な配管が配置されています。ブロワーのエアー供給量によって、汚泥の移送や返送が調整されています。
ブロワーが停止すると浄化槽の全機能が同時に停止。水の移送ができなくなり、「家全体の排水の流れが悪くなり詰まりを引き起こし」ます。
ブロワー停止が浄化槽に与える影響
ブロワー停止は微生物の死滅とニオイの発生だけでなく、処理水への影響もでます。
微生物には「好気性微生物」と「嫌気性微生物」の2種類が存在します。
以下の図をご覧いただければ、家庭で発生する生活排水がまず液体と固体に分離され、次に1槽、2槽、3槽という順序で処理されながら右方向へと流れていく様子です。
浄化槽は複数の槽から構成されており、各槽で異なる微生物による汚水の処理が行われます。
1槽と2槽には酸素を必要としない「嫌気性微生物」が存在し、初期の汚水を分解。
3槽目では「好気性微生物」が活動し、嫌気性微生物によって分解された汚水のさらなる浄化を行います。
ブロワー停止により微生物のバランスが崩れると、汚水の正確な処理が行えなくなります。その結果、未処理の汚水が側溝や河川に流れるリスクが高まります。
ブロワー停止は水質の汚染やニオイの問題、浄化槽や環境全体への影響をもたらす深刻な問題です。
ブロワーが停止した時の対応手順
ブロワーが止まっている時の対処方法は以下の3つになります。
- 予備のブロワーを設置する
- インターネットで新しいブロワーを購入する
- 管理会社に連絡を取り、修理または新品への交換を依頼する
ブロワーが停止すると周囲にニオイが発生し、ご近所の方に不快感を与えます。
近所迷惑になっていないかな〜
ニオイの発生期間を最小限に抑えるためには、管理会社に予備のブロワーを設置してもらうこと。
ブロワーの故障やメンテナンスが必要な際でも迅速に対応でき、ニオイの問題を最小限に抑えることが可能です。
ブロワーの購入方法とおすすめポイント
ブロワーが故障しお客様に見積もりに対するお話をすると、以下のように仰られることがあります。
高い!ネットだと〇〇円なのに
理由は、取引先からの仕入れ価格がネット上の価格よりも高いことや、見積もりには「取り付け、撤去、処分費用、補償」などの追加コストが含まれているためです。
自身でブロワーの新規交換や修理を行うことで費用を節約することも可能です。
取り付けに自信がない場合は、ネットで購入したブロワーを管理業者に取り付けてもらう方法もあります。
ブロワーの修理や新規交換方法!
結論として、ブロワーの修理や交換についてはプロに任せることをおすすめします。修理をすることで新規交換よりもコストを抑えることが可能。
ネットでブロワーを購入し自分で取り付ける場合、「後々のサポートが利用できない企業」もあるため注意が必要。
動画でも詳しく解説しているので、興味ある方はぜひ参考にしてください。
ブロワー交換時はニオイが発生する!
ブロワーを交換後、1〜2日で強いニオイが発生します。死滅した微生物が撹拌されて空気中に拡散するためです。
微生物が回復するまでには時間がかかるため、ニオイが気になる方はシーディング剤の併用が効果的です。シーディング剤は微生物活性を促進し脱臭効果もあります。
使用方法はトイレに直接流すだけです。ニオイの軽減と浄化機能の回復をサポートできます。
数日間にわたるニオイを避けるには浄化槽清掃が効果的です。浄化槽清掃はバキュームカーを使って汚泥を吸引し槽内を清掃する作業です。
以下の動画では清掃の実際の様子を紹介しています。
まとめ
ブロワーが停止すると起こる問題
- ニオイの発生
- 浄化槽の性能低下
- 排水不良による詰まり
- 水質の劣化
- 環境への悪影響
- 近隣住民への迷惑
- 浄化槽内部の故障や破損
ブロワーは浄化槽にとって重要な装置です。微生物が汚れを分解するために酸素が必要なため、ブロワーは24時間酸素を供給します。
酸素供給不足は浄化効果と処理能力の低下を招きます。定期的な点検と清掃により、ブロワーの問題や故障を早期に発見し修理できます。
ブロワーの機能を最大限に発揮し、浄化槽の性能を活かすことで環境に良い影響を与えます。
未来の子供達や未来の環境のことを考え一人一人が意識することがとても重要です。