浄化槽のブロワーが止まったらどうなる?原因と対処法を紹介
管理会社から「ブロワーが止まっています」と言われて困っている方は多いです。
ブロワーは浄化槽の心臓です。故障するとイヤなにおいが出たり水がきたなくなったりします。
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、ブロワーが止まったときの影響・原因・対処法を解説します。ブロワーが止まっても落ち着いて対応できるよう、参考にしてください。
浄化槽を良い状態に保つための知識を身に付けましょう。
浄化槽にブロワーが必要な理由|酸素供給と水流管理

浄化槽にブロワーが必要な理由は次の2つです。
- 微生物の働きを支える酸素供給
- 水流を支えるブロワーの移送・循環機能
微生物の働きを支える酸素供給
ブロワーの主な役割は槽の中の微生物へ酸素を送ることです。
微生物は汚れを食べて水をきれいにするので、24時間休まず空気を送らなければいけません。
ブロワーが止まると酸素が届かなくなり、微生物が死んでしまいます。死んだ微生物はにおいの原因にもなるのです。
水流を支えるブロワーの移送・循環機能

浄化槽の中にはたまった汚泥を送るための配管がいくつもあります。
ブロワーの空気の力で、汚泥を次の槽へ送ったり元の槽へ戻したりしているのです。
ブロワーが止まるとこの働きも止まり、水の流れを調整できなくなります。排水の流れが悪くなって詰まりの原因にもなります。
ブロワーが停止するとどうなる?浄化槽への影響と主な故障原因

ここでは次の3つを紹介します。
- ブロワー停止による影響
- ブロワーの寿命と消耗部品
- 故障の初期サイン
ブロワー停止による影響
ブロワーが止まると起こるおもな影響は次の6つです。
- イヤなにおいの発生
- 浄化槽の働きが弱まる
- 水がきたなくなる(水質の悪化)
- 配管が詰まって水が流れにくくなる
- まわりの環境への悪影響
- 浄化槽の部品(ろ材など)の破損
次の動画でブロワーが止まったときの槽の中の様子を見られます。
そのままにしておくと次の動画のような状態になります。
ブロワーの寿命と消耗部品

ブロワーには使うほどにすり減る部品が入っています。長く使えばいつかは故障します。おもな故障の原因は次の5つです。
- コイルが古くなったり負荷がかかりすぎたりして故障する
- ゴム弁(ダイヤフラム)が破れる
- ロッド(磁石)が割れる
- 風量調整弁の故障で負荷がかかりすぎる
- ほこりや汚れがブロワーの中に詰まる
ブロワーは長く動かすほど部品がすり減ります。中にあるゴム弁のダイヤフラムが傷むのが故障のおもな原因です。
ブロワーの寿命は5〜10年が目安です。使い方や環境によって差があります。熱くなったり変な音がしたりするのは故障のサインです。
故障の初期サイン
故障の初期サインには風量の低下や異音・振動があります。早めに気づけば大きな故障を防げるでしょう。
電源まわりや配線は自分でも確かめられます。ダイヤフラムやコイルの不具合は分解が必要なので、無理に触らず管理会社に相談しましょう。
ブロワーの種類|ピストン式とダイヤフラム式

家庭用ブロワーには2つの種類があり、それぞれ特徴が違います。
- ピストン式ブロワー
- ダイヤフラム式ブロワー
ピストン式ブロワー:耐久性と省エネ性能が高い

ピストン式は日東工器が採用している方式です。リニア駆動フリーピストン方式という独自の仕組みで動きます。おもな特徴は次の3つです。
- 高い耐久性
- 省エネ性能
- 低い作動音
外側のケースは樹脂製なのでアース工事がいりません。長く使えてメンテナンスもしやすい設計です。
ダイヤフラム式ブロワー:電磁式で修理もしやすい

ダイヤフラム式はフジクリーン・安永・テクノ高槻などが代表的なメーカーです。おもな特徴は次の4つです。
- 低騒音
- 省エネ性能
- 小型
- 軽量設計
設置や取り扱いがしやすく修理も簡単です。
ブロワーが止まったら?すぐできる応急処置と交換の手順

ブロワーが止まったときの対処法は次の5つです。
- 予備のブロワーを設置する
- ネットで新しいブロワーを購入する
- ブロワーの修理方法と交換手順
- 修理か交換かの判断基準
- ブロワー交換後は臭気が発生する
予備のブロワーを設置する
何か臭うな〜
ブロワーが止まるとまわりににおいが広がり近所の人に迷惑をかけます。
においを防ぐには管理会社に予備のブロワーを付けてもらうのがおすすめです。予備があれば故障してもすぐ対応できます。
ネットで新しいブロワーを購入する
ブロワー交換の見積もりを出すとお客様からこんな声をいただくことがあります。
高い!ネットだと〇〇円なのに
見積もりがネットより高いのは取り付け・古いブロワーの撤去と処分・保証の費用が入っているからです。
ネットで買って自分で取り付けると故障したときのサポートを受けられないことがあります。
取り付けに不安があればネットで買ったブロワーの取り付けを管理会社に頼むのがおすすめです。
業者に頼んだ場合の交換費用の目安は5人槽の単独処理浄化槽で約2〜3万円・合併処理浄化槽で約3〜6万円です。風量や型式によって変わります。
ネットで買うなら、現場で修理や手入れがしやすい次の2機種がおすすめです。今のブロワーと風量・口の数が同じものを選びましょう。
1口タイプならフジクリーンの「EcoMac」です。
2口タイプならフジクリーンの「UniMB」です。右散気か左散気かも確かめてから選びましょう。
ブロワーの修理方法と交換手順
修理は比較的かんたんです。ただし部品が手に入らず修理できないこともあります。
修理できるかどうかは管理会社に判断してもらいましょう。
修理できれば新品に交換するより安くすみます。やり方は上の動画を参考にしてください。
自分で交換するときは次の手順で進めます。
- 新しいブロワーの準備
- 購入前に、風量が浄化槽の仕様に合っているかを必ず確かめる
- 電源の切断
- 作業前に必ずブロワーの電源を切る。感電や誤作動を防ぐため
- 古いブロワーの取り外し
- 配管と電源コードを外し、固定しているバンドをゆるめて本体を取り外す
- 新しいブロワーの取り付け
- 新しいブロワーを元の位置に置き、配管と電源コードをつなぐ。空気漏れがないかも確かめる
- 電源の接続と試運転
- 電源を入れて試運転し、変な音や振動がないか確かめる
- 最終確認と調整
- 動きを確かめ、必要があれば調整する。問題がなければ交換は完了
交換するときは点検業者が古いブロワーを引き取ってくれることが多いです。自分で処分する方法は次の記事で紹介しています。
修理か交換かの判断基準
異音や空気圧の低下などの軽い不具合は、部品交換で直せることが多いです。
コイルの断線やロッドの割れなど修理が難しい故障は交換が必要です。長く使って全体が傷んでいるブロワーも交換の時期といえます。
使用年数が5〜10年を超えていたり異常がくり返し起きたりするときは、まだ動いていても交換を考えましょう。
最近のブロワーは省エネ性能が高く電気代を抑えられます。長い目で見れば古い機種を使い続けるよりお得です。
ブロワー交換後は臭気が発生する
ブロワーを交換した直後は死んだ微生物がかき混ぜられて、1〜2日はにおいが出ます。
微生物が元に戻るには時間がかかるので、微生物を増やすシーディング剤を使うのがおすすめです。
トイレに流すだけで微生物が元気になり、においも減って浄化槽の働きが元に戻るのを助けてくれます。
交換後のにおいを防ぐには浄化槽の清掃も効果的です。清掃ではバキュームカーで汚泥を吸い取り、槽の中をきれいにします。
次の動画で浄化槽清掃の様子を見られます。
ブロワーを長持ちさせるメンテナンス

ブロワーは定期的に点検と清掃をしましょう。点検する場所は次の表のとおりです。
| 点検箇所 | 詳細 |
| フィルターの目詰まり確認と清掃 | 目詰まりがないか確かめ、汚れていたら掃除する。目詰まりすると風量が落ちる |
| 異音や振動の確認 | 変な音や振動が出ていないか確かめる。出ていれば内部の部品が傷んでいるサイン |
| 風量の確認 | 十分な風量が出ているか確かめる。風量が足りないと微生物に空気が届かず、浄化槽の働きが落ちる |
| ダイヤフラムの状態確認 | ひび割れや傷みがないか確かめる。傷んでいたら交換する |
| 電源コードや配線の確認 | コードや配線に傷や断線がないか確かめる。タイマー付きなら試運転で動きを確かめる |
雨や直射日光が当たらず風通しのよい場所に置くことも、長持ちさせるポイントです。問題が見つかったら早めに修理や交換をしましょう。
まとめ|ブロワーは浄化槽の心臓

ブロワーが止まると次の7つの問題が起こります。
- イヤなにおいの発生
- 浄化槽の働きが弱まる
- 配管が詰まって水が流れにくくなる
- 水がきたなくなる(水質の悪化)
- まわりの環境への悪影響
- 近所の人への迷惑
- 浄化槽の部品(ろ材など)の破損
ブロワーが止まると浄化槽の働きが弱まるので早めの対応が必要です。故障したら契約している管理会社に連絡して、予備のブロワーを付けてもらいましょう。
早めに対処すればにおいの発生を最小限に抑えられます。
この記事の内容を知っておけばブロワーが止まってもあわてずにすみます。








