
家庭に設置されているモアコンパクト浄化槽について、詰まりの原因と解決方法を写真を交えてわかりやすく解説します。
さらに、浄化槽の将来的な主流となるモアコンパクト型のメリットやデメリットについても詳しく説明していきます。
モアコンパクト型メリット

- 設置が迅速
- 軽自動車1台分のスペースで設置可能
- コンパクトな構造で清掃費用削減
モアコンパクト浄化槽の設置は、「3日〜10日程度で完了」します。
下水道に比べて設置が迅速に行えるのが特徴です。
現在のモアコンパクト浄化槽は、軽自動車ほどのスペースがあれば設置可能です。
そのコンパクトなサイズにより、引き抜く量も少なくなります。その結果、清掃費用が削減できます。
地域によって異なりますが、浄化槽の汚泥量に基づいて清掃費用が設定されます。
モアコンパクト浄化槽では「汚泥量が少ないため、清掃費用も抑えられる」利点があります。
デメリット
- 複雑な構造で詰まりやすい
- 高頻度使用では汚れが流出のリスク
- 管理にはコストが必要
写真で解説しますが、モアコンパクト浄化槽には詰まりやすい箇所が多く存在します。
槽が小さいため使用頻度が高くなると、沈殿分離や微生物処理が追いつかなくなり、クリーンな水を排出できない可能性があります。
詰まる箇所は5箇所!


今回ご紹介するのは、「フジクリーンCFⅡ型」という浄化槽です。
同様の構造を持つ「ハウステックKTG型」と「マエザワVRCⅡ型」でも応用が可能なので、ぜひ参考にしてみてください。
写真をご覧いただくと、詰まりやすい箇所を指していることがわかります。この箇所には注意が必要です。
両ばっ気詰まり解消方法!
両バルブの詰まり解消方法は、水色のバルブの右側に取り外し可能なユニオン等を取り付けておきます。
その後、ユニオンを外し、水道ホースを取り付けて水圧で詰まりを解消します。
両ばっ気が詰まってしまうと、「浄化槽の機能が損なわれ、1槽がただのタンク」となってしまいます。
両ばっ気の役割は、活性汚泥という微生物が汚れの量を減らしつつ、水をキレイに処理し、中央の沈殿分離槽に汚泥を溜める役割があります。
2枚目の写真の上○部分が詰まると、2槽からばっ気槽に揚水できなくなり、全体的に水位が上がり満水状態になります。


オリフィスは手で緩めると簡単に外せます。
この小さな穴にホコリやゴミが混じり詰まってしまうことがあります。
詰まりを解消するには、小さな穴(直径約1ミリ)にホースを繋いで、ゆっくりと水を流すことが有効です。
オリフィスが詰まるとただのタンク状態になる
オリフィスが詰まってしまうと、槽内の循環が止まってしまい、汚泥が流出する原因と「満水状態」になります。
その結果、家中の水の流れが悪くなる可能性があります。
水の流れとしては、家の中から1槽、2槽、ばっ気槽、沈殿槽、消毒槽、最後に側溝へと流れていきます。

2枚目(先述の写真)の下の〇部分は、沈殿槽から汚泥を返送する管で、沈んでいる汚泥を1槽に返送する配管です。
しかし、この汚泥返送管も詰まってしまうことがあります。
汚泥返送管が詰まってしまうと、汚泥が返送されずに外部に流出してしまい、浄化槽全体の性能低下や周囲環境への悪影響を引き起こすことがあります。
詰まり抜き動画【日立KTG型】
こちらの2本の動画をご覧いただくことで、全ての問題を解決することができます。ぜひご視聴ください。
下の動画は汚泥循環管の詰まり解消方法です。
おわりに

現代では、さまざまなものがコンパクト化される傾向にありますが、浄化槽においては十分な容量がある方が水質も安定します。
容量が大きいほど、汚水が滞留する時間が長くなるから。
これによって微生物が効率的に働き、浄化性能が向上します。
さらに、容量の大きい浄化槽は定期的なメンテナンスの負荷が少なくなります。
容量の小さい浄化槽では、汚水が貯まるまでの時間が短く、頻繁なメンテナンスが必要です。