クボタHS型浄化槽は1997年5月9日に認定され、現在も広く使用されています。初心者には、メーカーや型式、構造を把握するのが難しいです。
この記事では、クボタHS-5P型の構造と特性を解説します。ぜひ参考にして、HS-5P型への理解を深めましょう。
- 処理方式は？
- ブロワーの風量、総容量は？
- 管理ポイントは？
クボタHS-5P型の処理方式｜嫌気濾床接触ばっ気方式
処理方式は「嫌気濾床接触ばっ気方式」で、広く用いられる標準的な方法です。第1室と第2室には嫌気性ろ材が設置され、固形物と液体が分離されます。
まず、嫌気性微生物が有機物を分解します。次に、ばっ気槽内の「接触ろ材」で好気性微生物がさらに処理を行います。
好気性微生物と嫌気性微生物の違いは以下のとおりです。
- 好気性微生物は酸素が必要な微生物
- 嫌気性微生物は酸素が不要な微生物
クボタHS-5P型のブロワー風量｜60ℓの特徴
稼働中のブロワーには、日東工器のLAブロワーが設置されています。古い型式の浄化槽は容量が大きいため、風量の大きいモデルが使用されています。
| 人槽 | 風量(ℓ) |
| 5人槽 | 60 |
| 6人槽 | 80 |
| 7人槽 | 80 |
| 8人槽 | 100 |
| 10人槽 | 120 |
ポチップ
クボタHS-5P型の総容量と内訳
維持管理要領書では2.859㎥となっていますが、現場の写真には2.862㎥以上と記載されていました。
誤差なので気にはならない量ではありますが。。。
知っている方がいれば教えて下さい。
水が移送する順に各容量を説明します。
| クボタHS-5P型 | 槽容量(㎥) |
| 嫌気ろ床第１室 | 0.907 |
| 嫌気ろ床第２室 | 0.610 |
| 接触ばっ気槽 | 1.009 |
| 沈殿槽 | 0.308 |
| 消毒槽 | 0.025 |
| 放流 | – |
合計2.859㎥になります。
6人槽以上の総容量
6人槽以上の総容量は以下のとおりです。
| 人槽 | 総容量(㎥) |
| 6人槽 | 3.537 |
| 7人槽 | 4.268 |
| 8人槽 | 4.957 |
| 10人槽 | 6.323 |
クボタHS-5P型のメンテナンスポイント
第1室と第2室には嫌気ろ床槽で、「ろ材」が使用されています。管理ポイントは以下のとおりです。
- 1室・2室のガス抜き
- 点検時の手動逆洗
- ブロワーフィルターの清掃
ろ材は嫌気性微生物が付着しやすい材質で、微生物の活動を促進し浄化能力を高めます。ろ材にはガスが溜まるため、定期的なガス抜きが必要です。
ガス抜きの手順は、以下の動画で確認できます。
手動逆洗の手順と重要性
逆洗を行うときの目安は以下のとおりです。
- 接触材に生物膜が多く付着している場合
- 沈殿槽にスカムが発生している場合
- 溶存酸素(DO)の値が低下している場合
- 清掃実施前に逆洗を行う
構造例示型は手動逆洗です。逆洗時には、まず逆洗バルブを開き、次に散気バルブを閉じます。
数分間実行すると、ろ材に付着した生物膜が剥がれます。
クボタHS-5P型のまとめ
HS型では、嫌気濾床接触ばっ気方式を採用しており、嫌気性と好気性微生物がそれぞれ役割を果たしています。ろ材やブロワーの風量も重要な要素です。
5人槽のポイントは以下のとおりです。
- 嫌気ろ床槽を用いた接触ばっ気方式を採用
- ブロワー風量は60ℓ
- 5人用槽の総容量は2.859㎥
- 1室および2室のガス抜きが必要
- 手動逆洗が必須
維持管理を行うことで、浄化槽の性能を最大限に引き出し、長期間安定した運用が可能になります。
