この記事では、浄化槽のブロワーに関する問題とその解決策について解説します。ブロワーは浄化槽の「心臓部」であり、停止すると浄化処理ができなくなります。この記事で解決できる問題は以下のとおりです。
- ブロワーの機能
- ブロワーが停止したときの影響
- ブロワーが停止したときの解決策や対応方法
ブロワー故障時に発生する重大な問題
ブロワーが故障や停止した場合は、修理や交換を行う必要があります。ブロワー停止による影響は以下のとおりです。
- 不快なニオイの発生
- 浄化槽の機能低下
- 汚水の浄化不足による水質悪化
- 配管の詰まりによる水流の不具合
- 環境への負荷と影響
以下の動画ではブロワー停止時の槽内の状態を紹介しています。
さらに放置すると以下のようになります↓
ブロワーの寿命とメンテナンス方法
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2022/12/IMG_5746.jpg)
ブロワーには消耗部品があるため、故障は避けられません。主な故障原因は以下のとおりです。
- モーターが経年劣化や過負荷により故障
- 風量調整弁の故障が原因で過剰な負荷が発生
- 粉塵や汚れがブロワー内部に詰まる
- 過熱や異常音、動作不良を引き起こす
長時間の稼働により部品の劣化や摩耗が起こるのは自然です。故障の原因は内部部品である「ダイヤフラムの劣化」によるもの。ブロワーの寿命は約8年です。
![1口ブロワーおすすめ](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2021/10/y-3-320x180.png)
ブロワーの役割と酸素供給の重要性
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2023/10/compact-wastewater-blower-placed-in-a-grassy-area-with-trees-in-the-backdrop.-Theres-a-clear-power-outage-as-indicated-by-the-unli.jpg)
微生物の活動には酸素が不可欠です。ブロワーは必要な酸素を供給する役割を果たしています。ブロワーが停止すると酸素供給が途絶え、微生物の活動が低下します。
微生物が死滅し強烈な悪臭の原因です。
汚泥の移送と循環の重要性
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2022/12/IMG_5745.jpg)
槽内には移送管や返送管など、多様な配管が配置されています。エアー供給量によって、汚泥の移送や返送が調整されています。
ブロワーが停止すると浄化槽の全機能が同時に停止します。水の移送ができなくなり、排水の流れが悪くなり詰まりを引き起こします。
ブロワー停止が浄化槽に与える影響
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2023/10/showcasing-the-internal-workings-of-a-wastewater-treatment-facility.-A-large-blower-is-visible-and-its-directing-oxygen-into-the-purifi.jpg)
ブロワー停止は微生物の死滅とニオイの発生だけでなく、処理水への影響も出ます。微生物には「好気性微生物」と「嫌気性微生物」の2種類が存在します。
以下の図をご覧いただければ、家庭で発生する生活排水がまず液体と固体に分離され、次に1槽、2槽、3槽という順序で処理されながら右方向へと流れていく様子です。
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2022/12/S__81977355-640x360.jpg)
浄化槽は複数の槽から構成され、各槽で異なる微生物が汚水を処理します。
1槽目と2槽目には酸素を必要としない「嫌気性微生物」が存在し、初期の汚水を分解します。3槽目では「好気性微生物」が活動し、嫌気性微生物によって分解された汚水をさらに浄化します。
ブロワー停止時の緊急対応方法
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2023/06/vlog_machine_stop_Illustration_ef807f80-b752-4b2d-94eb-80f21ed9df0b.jpg)
ブロワーが止まっている時の対処方法は以下の3点です。
- 予備のブロワーを設置する
- ネットで新しいブロワーを購入する
- 管理会社に修理または新品交換を依頼する
ブロワーが停止すると周囲にニオイが発生し、ご近所の方に不快感を与えます。
なんかにおうな〜
ニオイの発生期間を最小限に抑えるためには、管理会社に予備のブロワーを設置してもらうことが有効です。ブロワーが故障しても迅速に対応できるため、ニオイの問題を最小限に抑えられます。
ブロワーの購入と最適な選び方
ブロワーが故障し見積もりを提示すると、以下のように言われることがあります。
高い!ネットだと〇〇円なのに
ネット上の価格より高い理由は、見積もりに取り付けや撤去、処分費用、補償などのコストが含まれているためです。自身でブロワーの交換や修理を行うことで、費用を節約できます。
取り付けに自信がない場合は、ネットで購入したブロワーを管理業者に取り付けてもらう方法もあります。
ブロワーの修理と交換の手順
ブロワーの修理や交換はプロに任せることをおすすめします。修理が可能であれば、新規交換よりもコストを抑えられます。
ネットでブロワーを購入し自分で取り付ける場合、後々のサポートが利用できない企業もあるため注意が必要です。
修理に興味がある方は、動画での解説も参考にしてください。
ブロワー交換後に発生するニオイの対策
ブロワー交換後は、1〜2日で強いニオイが発生します。死滅した微生物が撹拌されて空気中に拡散するためです。微生物が回復するまでには時間がかかるため、ニオイが気になる場合はシーディング剤の併用が効果的です。
シーディング剤は微生物活性を促進し、脱臭効果もあります。使用方法はトイレに直接流すだけで、ニオイの軽減と浄化機能の回復に期待できます。
![](https://jyoukasou.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
ニオイを避けるには、浄化槽清掃も効果的です。浄化槽清掃はバキュームカーを使って汚泥を吸引し、槽内を清掃する作業です。
以下の動画では、清掃の実際の様子を紹介しています。
ブロワーの重要性とメンテナンスの必要性
![](https://jyoukasou.com/wp-content/uploads/2023/09/clean_water_illustration_beautiful_nature_water-1.jpg)
ブロワーが停止すると以下の問題が発生します。
- ニオイの発生
- 浄化槽の性能低下
- 排水不良による詰まり
- 水質の劣化
- 環境への悪影響
- 近隣住民への迷惑
- 浄化槽内部の故障や破損
酸素供給不足は浄化効果と処理能力の低下を招きます。定期的な点検と清掃により、ブロワーの問題や故障を早期に発見し修理できます。
ブロワーの機能を最大限に発揮し、処理性能を維持することで、環境に良い影響を与えます。