アムズCXW型は、2007年10月18日に国の認定を受けた浄化槽です。ほかの浄化槽とは少し違う、独自の処理方式を使っています。

この記事では、CXW型の基本構造や処理方式、管理方法について解説します。読めば、メンテナンス方法や性能を維持するコツがわかります。

アムズCXW型の特徴と対応人槽

アムズCXW型の特徴と対応人槽
アムズCXW型の特徴と対応人槽

アムズCXW型は5人槽・7人槽・10人槽の3タイプがあり、一般家庭や事業所で広く使われています。

処理方式は「前ばっ気型浮上濾過好気濾床方式」を採用し、汚水を空気でかき混ぜながら、微生物の働きで分解します。

アムズCXW型浄化槽の総容量(5・7・10人槽)

アムズCXW型には5人槽・7人槽・10人槽があります。どの人槽を設置するかは、建物の延床面積(すべての階の床面積の合計)などをもとに決まります。

5人槽・7人槽・10人槽の総容量は以下のとおりです。

  • 5人槽の総容量:1.792㎥
  • 7人槽の総容量:2.496㎥
  • 10人槽の総容量:3.655㎥
各槽5人槽の容量(㎥)
好気ろ床槽第1室0.216
浮上ろ過槽1.011
好気ろ床槽第2室0.219
沈殿槽0.324
消毒槽0.022

処理方式|前ばっ気型浮上濾過好気濾床方式の仕組み

いちばんの特徴は、汚水をむだなく分解できることです。ポイントを3つに分けて解説します。

  • 前ばっ気型の特徴とメリット
  • 汚水の処理フローと分解プロセス
  • 槽内での微生物の役割とばっ気の効果

前ばっ気型の特徴とメリット

前ばっ気型は、最初の槽で汚水を空気でかき混ぜる処理方式です。かき混ぜることで固形物がくだけ、微生物が働きやすくなります。

そのあと、水に浮いている汚れを浮上ろ過槽で取りのぞき、底に沈めます。この流れでBOD(水のよごれの度合いを表す数値)が下がり、放流する水がきれいになります。

» BODについての詳細

汚水の処理フローと分解プロセス

汚水はまず空気でかき混ぜられます。次に、汚れを沈めたり(沈殿)、こしたり(ろ過)して、きれいな水にします。

槽内での微生物の役割とばっ気の効果

ブロワーが送る空気の酸素で微生物が元気になり、汚水を分解します。このように空気を送りこむことを「ばっ気」といいます。

散気管の詰まりの原因と対策

散気管は詰まりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。主な問題と対策を以下で解説します。

  • 散気管が詰まる原因
  • 散気管の詰まりを予防する方法
  • 散気管の清掃手順【動画】

散気管が詰まる原因

トイレットペーパーや汚泥などの汚れが溜まると、前ばっ気槽の中にある散気管が詰まります。使う回数が多い建物では、こまめな点検と清掃が必要です。

散気管の詰まりを予防する方法

散気管を正常に保つには、定期的な点検と清掃が大切です。詰まる前に、定期的に取り外してブラシや水で洗っておくと、空気の流れが安定します。

散気管の清掃手順【動画】

散気管の清掃手順【動画】

散気管が詰まった場合は、接続部を外し、水圧洗浄やブラシで清掃します。第1室の散気管は、ユニオンを回すだけで簡単に取り外せます。

清掃後は散気受け部分に確実にはめ込み、しっかり固定しましょう。

» CXW型【5,7,10人槽】(外部リンク)

実際の作業の流れは、以下の動画も参考にしてください。

ブロワー風量の調整とメンテナンス

ブロワー風量の調整とメンテナンスのポイントは以下のとおりです。

  • 風量が処理性能に与える影響
  • ダイヤフラムの劣化対策

風量が処理性能に与える影響

ブロワーは、浄化槽に空気を送るとても大事な装置です。5人槽の標準的な風量は毎分60リットルで、定期的に風量を確かめる必要があります。

ダイヤフラムの劣化や汚れで風量が下がると、処理性能も落ちます。

使う人が多いなど使用状況によっては、毎分80リットルや100リットルのブロワーに変えると、長く安定して処理できます。

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ダイヤフラムの劣化対策

ブロワー内部のダイヤフラムは消耗品です。劣化で空気の出力が下がると、詰まりや臭気の原因になります。

風量が落ちたり停止したりした場合は、早めにダイヤフラムの交換を検討してください。

CXW型の管理ポイントと清掃方法

CXW型の管理ポイントと清掃方法

散気管のほかにも、詰まりやすい場所があります。管理ポイントと清掃方法は次の2つです。

  • 担体移流防止網の清掃方法
  • 浮上ろ過槽の逆洗方法

担体移流防止網の清掃方法

担体移流防止網の清掃方法

担体移流防止網は汚れがたまりやすいため、定期的にブラシで清掃する必要があります。詰まりを防ぐため、点検のときに汚れをていねいに落としましょう。

浮上ろ過槽の逆洗方法

浮上ろ過槽の逆洗方法

逆洗は浮上ろ過槽にたまった汚れを除去する方法です。バルブを操作したり、ホースを使ったりして槽の中をかき混ぜます。

浮上ろ過槽は水が一方向に流れる構造のため、汚れがたまりやすく、定期的な逆洗が必要です。

バルブ操作でも対応できますが、塩ビパイプとブロワーを接続したホースでかき混ぜると、より効果的に清掃できます。

浮上ろ過槽の逆洗方法

オイルボールの原因と予防策

オイルボールの原因と予防策

料理で使った油脂が浄化槽に流れると、空気にふれて古くなり(酸化して)、「オイルボール」と呼ばれる油の塊が発生します。

オイルボールは、浄化槽の詰まりの原因になります。

» 酸化しやすい油、酸化しづらい油(外部リンク)

油は水に溶けません。そのため槽の中で固まってオイルボールになり、浄化槽の処理の力が落ちてしまいます。

» 水と油について(外部サイト)

浄化槽に油を流さないための注意点

浄化槽に油を流さないためには、毎日のちょっとした工夫が大切です。

使用済みの食用油は排水口に流さず、専用の処理剤や新聞紙、布に吸わせて可燃ごみとして処分しましょう。

食器や調理器具の油汚れは、できるだけ拭き取ってから洗うと、排水への油流入を減らせます。排水口にネットや油を吸着するフィルターを設置するのも効果的です。

油が浄化槽に流れると、微生物の働きが弱まり、悪臭や詰まりが発生します。天ぷら油やラードなどの動物性油脂は固まりやすく、排水管をふさぎます。

まとめ|CXW型を長く使うための管理のポイント

まとめ|CXW型を長く使うための管理のポイント

アムズCXW型は、BOD除去率90%以上・放流水BOD20mg/L以下という高い基準を満たしています。つまり、水をきれいにする力がとても高い浄化槽です。

長く使い続けるには、定期的な点検や清掃が必要です。

散気管や担体移流防止網の清掃、ブロワーの風量チェックを定期的に行えば、処理能力を安定して保てます。

油の排出を控えると浄化槽の寿命が延び、故障の予防にもつながります。

ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。 「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、現場で得た気づきや詰まりの解消法、ブロワーの修理方法などをYouTubeやSNSで発信しています。 浄化槽は下水道が整備されていない地域で活躍するインフラ設備です。微生物の働きで汚水をきれいにする仕組みのため、適切な維持管理が欠かせません。その維持管理は浄化槽管理士・清掃員・検査員、そして所有者の協力があって初めて成り立ちます。 浄化槽の役割や正しい使い方を、一人でも多くの方に知ってもらえるよう活動しています。