浄化槽を選ぶ際や業務で扱う際に、「型式の意味」を理解することは重要です。型式には、メーカー名や処理方式、構造などの情報が凝縮されています。
この記事では、代表的な浄化槽の型式名を取り上げ、背景にある意味や機能について解説します。記事を読めば、浄化槽の仕組みや特性への理解が深まります。
代表的な浄化槽メーカー
紹介するメーカーは以下のとおりです。
- ニッコーNSR型
- ハウステック
- フジクリーン工業
- ダイキアクシス
ニッコーNSR型

ニッコーの「NSR型」について以下で説明します。
- N:ニッコー(メーカー名)
- S:生物(バイオ)
- R:ろ過(フィルター機能)
NSR型は、ニッコー社が製造する浄化槽で、生物を利用したろ過機能を備えています。
型式名を読み解くと、処理方式や構造のイメージができます。浄化槽の選定や点検時の理解にも役立ちます。
ハウステック
ハウステック(旧日立)の浄化槽型式には、処理方式や構造を示す情報が込められています。
型式名に込められた意味は、以下のとおりです。
- KGK2型
- KG:家庭合併槽
- K:嫌気濾床接触ばっ気方式
- 2:BOD(生物化学的酸素要求量)20mg/L以下
- KGR2型
- KG:家庭合併槽
- R:リファイン(改良)
- 2:BOD20mg/L以下
- KGRN型
- KGR:家庭合併槽でのリファイン機種
- N:窒素除去
- KTG型
- K:既設
- T:単独
- G:合併化
- KRS型
- K:家庭合併槽
- RS:楽々施工
フジクリーン工業

フジクリーン工業の浄化槽型式名にも、処理方式や構造を示す独自の意味が込められています。型式名に込められた意味は、以下のとおりです。

以下で、シンプルにポイントを絞って説明します。
- LX型
- 前機種がK型であり、次世代を象徴するためアルファベットの次の文字「L」を採用しています
- LC型
- 「C」はカプセル槽を意味し、次世代カプセル槽です
- LP型
- 「P」はプレス成型品を示し、採用することで生産性が向上しています
- CS型
- 「C」はコンパクト、「S」は生物ろ過方式を意味します。カスタマーサティスファクション(顧客満足度)との掛け合わせでCS型と名付けられました
- CE型
- 「C」はコンパクト、「E」はエコロジーとエコノミーの両方を表しています
- CF型
- 「C」はコンパクト、そして「F」は未来を指すフューチャーから取っています
- CA型
- 「C」はコンパクト、「A」はアドバンス(進歩)を意味しており、時代と共に進歩している浄化槽を表現しています
ダイキアクシス

ダイキアクシスの浄化槽型式名について解説します。
- MCH型
- M:メトン(材質)
- C:構造基準型
- H:BOD20mg/Lを意味
- KRN型
- K:核(担体)
- R:流量調整機能付き
- N:窒素除去型
まとめ

浄化槽の型式名には、メーカー名や技術仕様、処理能力などの情報が含まれています。これらを把握することで、製品の特徴や用途を正確に理解できます。
型式名に込められた設計意図を読み解けば、浄化槽の構造や処理方法が明確になります。結果として、設置や点検作業の精度が高まり、トラブルの予防にもつながります。