メンテナンス・点検

【フジクリーンCFⅡ型浄化槽の点検法】詰まり対策|KTG型・VRCⅡ型にも対応!

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フジクリーンCF型やCFⅡ型の点検で、「詰まり」や「メンテナンス方法」に困ったことはありませんか?

どの箇所を重点的に点検し、どう対処すればよいかわからない方も多くいます。

本記事では、CF型の詰まりやすい箇所やメンテナンス手順を、写真や動画を交えて紹介します。

ハウステックKTG型、マエザワVRCⅡ型、セキスイSGCX型にも応用可能です。

記事を読めば、トラブルを未然に防ぐメンテナンスのコツが身につきます。

詰まりやすい箇所と対処法

詰まる箇所と対処法は、以下のとおりです。

  • 返送管の詰まりと清掃方法
  • 移送管の詰まりと清掃方法
  • 嫌気ろ床槽のガス抜き方法
  • 汚泥貯留部(両ばっ気)の詰まり解消方法
  • オリフィスの清掃方法

返送管の清掃

底部汚泥や生物膜が管内に付着している場合は、長いブラシで上下にブラッシングすると汚れを剥がせます。

移送管の清掃

返送管に生物膜が付着すると、移送できなくなります

定期的にブラシで清掃し、適切な量が移送されているか確認しましょう。

嫌気ろ床槽のガス抜き

嫌気ろ床槽は詰まりやすいため、保守点検時にガス抜きを行いましょう。

塩ビ管でろ材を突くとガスが抜け、泡が発生します。

嫌気ろ床槽のガス抜きを行うと、ろ床内の水道(短絡)を解消できます。

ガス抜き作業により嫌気性菌が活性化し、処理能力が向上します。

» 平成24年度浄化槽保守点検技術講習会(外部サイト)

左右ばっ気の汚泥貯留部

汚泥貯留部は濃い汚泥を撹拌しているため、詰まりやすいです。

水位が上昇すると汚泥が管内に入ります。

水位が低下した際に管内に溜まった汚泥が固まり、エアー量が弱くなることが詰まりの原因です。

エアーで詰まりを抜く方法もありますが、水圧を利用したほうが効果的です。

水道が使える場所では、通水による詰まり解消をおすすめします。

配管をカットしてMCユニオンを接続する方法や、ブロワーに繋ぐゴムホースでの代用も可能です。

オリフィス

オリフィスとは、小さな穴のことで、風量を調整する役割があります。

穴にブロワーからのゴミやホコリが詰まると、揚水できなくなります。

以下の写真は、フジクリーンCA型におけるオリフィス詰まりの様子です。

» モアコンパクトCA型解説

ユニオンを外してオリフィスを清掃します。

不安な場合は、通水することで確実に詰まりを解消できます

汚泥循環は、沈殿分離部の堆積汚泥をエアリフトポンプで汚泥貯留部に移送します。

好気条件下で自己酸化(好気性消化)を促進しながら余剰汚泥を貯留します。

詰まり解消方法|動画で学ぶ

テキストだけでは分かりにくい方のために、以下の動画も参考にしてください。

  • 水圧を利用した詰まり解消方法の解説
  • ハウステックKTG・マエザワVRCⅡ型の詰まり解消法

水圧を利用した詰まり解消方法の解説

ハウステックKTG・マエザワVRCⅡ型の詰まり解消法

KTG型の汚泥循環管詰まり解消法は、以下の動画を参考にしてください。

マエザワVRCⅡ型は以下の動画を参考にしてください。

フジクリーンCFⅡ型の処理フロー・処理性能・容量

フジクリーンCFⅡ型の処理フロー・処理性能・容量は、以下のとおりです。

フジクリーンCFⅡ型・フローシート

フジクリーンCFⅡ型の処理フローは、以下を参考にしてください。

  1. 沈殿分離槽
  2. 沈殿分離部
  3. 嫌気ろ床槽
  4. 好気ろ床槽
  5. 接触ばっ気部
  6. 生物ろ床槽
  7. 処理水槽
  8. 消毒槽

処理性能

CFⅡ型の処理性能は以下のとおりです。

項目数値
BOD15mg/L
SS10mg/L
T-N20mg/L

槽容量

人槽別の槽容量は、以下のとおりです。

人槽5710
沈殿分離槽0.5090.7121.037
嫌気ろ床0.4660.6330.908
(ピークカット部)0.1500.2100.300
好気ろ床槽0.2290.3360.446
処理水槽0.1020.1470.216
消毒槽0.0150.0150.021
合計1.4712.0532.928

まとめ

フジクリーンCF型は、管理しやすく処理性能の高い浄化槽です。

コンパクトながら高い浄化能力を備え、幅広い家庭に適しています。

定期的なメンテナンスを怠ると、詰まりなどのトラブルが発生します。

適切に管理すれば、浄化槽の性能を長期間維持できます。

» 浄化槽基礎知識

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いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは、浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、ブログやSNSで情報を発信しています。 浄化槽は、主に下水道が整備されていない地域で活躍する重要なインフラ設備です。微生物の働きを利用して汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が欠かせません。 維持管理には、浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。浄化槽の役割や正しい使用方法を多くの方に伝える活動に取り組んでいます。
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