浄化槽基礎知識

【浄化槽管理士試験】合格するための必須対策と計算問題!

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「浄化槽管理士の資格取得は難しそう」と感じている方も、適切な準備と学習で無理なく合格を目指せます。

この記事では、講習の体験談をもとに、不安を和らげるコツや勉強法を紹介します。結論から言うと、講習の最後10分が合否を左右します。

管理士講習は一発試験に比べて合格率が高く、費用や時間をかけるだけの価値があります。資格をスムーズに取得し、業務の幅を広げたい方に役立つ内容です。

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管理士試験で合格率を上げる方法

管理士試験で合格率を上げる方法は、以下のとおりです。

  • 浄化槽管理士講習を受ける
  • 講習費用と一発試験の難しさ
  • 講習のパターンと学習方法の話

浄化槽管理士講習を受ける

浄化槽管理士を取得するには「一発試験」または「13日間(計80時間)の講習」のいずれかの方法があります。一発試験の合格率は約20%ですが、講習を受けた場合の合格率は80%以上と大きく異なります。

確実に管理士免許を取得したい方は、時間や費用をかけてでも管理士講習の受講がおすすめです。

講習費用と一発試験の難しさ

講習費用は129,700円で、受講すれば合格率を大きく高められます。一発試験での合格は難易度が高く、綿密な学習と高い集中力が必要です。

私の知り合いには一発試験に合格した方が2名います。体験談によると、現場での経験に加え、テキストや過去問題を数か月前から毎日繰り返し読み込み、全ページを覚えるほどの努力が必要だったそうです。

毎年一発試験に挑戦し続けている方もいますが、なかなか合格に至らない方が多いのが現状です。

講習のパターンと学習方法の話

私が資格を取得したときのお話を、小説バージョンで語ります。

10代の頃、私は浄化槽管理士の資格を取得しました。当時、私はまったく仕事の経験がなく、何をどうすればいいのかも手探りの状態でした。そんな中で、初めて資格取得に挑むことに。先輩の紹介で、全く知らない他業者の方と一緒に飛行機で現地に向かい、同じホテルに宿泊しながら講習を受けることになりました。その方から「最近は試験が年々難しくなっているらしい」という話を聞き、少なからずプレッシャーを感じたことを覚えています。

講習が始まり、私は毎日真剣に授業を受け、ノートを取って、帰宅後も勉強を続けました。キャンパスノート2冊分がすっかり埋まるほど熱心に取り組みましたが、今振り返ってみると、このやり方はあまりよくないです。というのも、当時は浄化槽を見たこともなく、何が何だか分からないまま授業に取り組んでいたため、内容の理解が追いていませんでした。それでも、なんとか試験には合格しました。正直、合格するかどうかはどうでもいいやと思っていました。4択問題だったので、消去法で運に任せた部分も多かったです。

その時は「もう二度と試験を受けたくない」と思いましたが、数年後、「大型浄化槽(501人槽以上)」の管理に必要な浄化槽技術管理者の資格を取得することに。講習期間が短かったので、少しは気が楽でした。

技術管理者の講習初日に、浄化槽管理士の講習と全く同じ流れで進行していることに気づきました。講師は授業の最後に必ず重要なポイントを教えてくれるのです。

講習内容は依然として難しく、頭にほとんど入ってきませんでした。そこで私は、講師が最後に教えてくれるポイントだけを覚えれば合格できるのではないかと考え、その方針に切り替えることに。1日目の講習では、最後の10分に赤線を引いたり、付箋を貼ったりして、前半の授業はほとんど流して聞いていました。

技術管理者の講習は3日間ありましたが、真剣に聞いたのは最初の1時間と、2日間のうち合計で20分程度でした。ホテルに戻ってからは、教えてもらった重要な箇所を自分なりに整理し、ノートには一切書かず、自分でわかるように記憶することだけに集中。車の免許を取得するような感覚です。

結果、この方法で無事合格することができました。さらに数年後、私は浄化槽清掃技術者の資格取得のために講習を受けました。この資格の多くは経営者陣が取得するもので、なかなか一般の方は取得が難しいものです。一緒に仕事をしている社長さんから「従業員が行くからお前も行くか?」と言われ、受講することにしました。社長さん、この記事を見ていたら一言いわせてください。あの時はありがとうございます。日数も短めで、資格を持っておくに越したことはないので、東京へ行って受講しました。

講習中の勉強方法は技術管理者のときと同じでした。経験が積み重なっていたので、以前よりは講師の話が理解できるようになっていましたが、それでもやはり話は退屈で、年齢のせいか頭に入ってきません。最後のポイントだけをしっかり聞いて、出題されそうな箇所に付箋を貼っておきました。

記憶が曖昧で恐縮ですが、試験の出題は少なかったように覚えています。経験を積んだこともあり、今までの試験で一番簡単だったと感じています。結局、同じ方法で合格することができました。私と同じタイプの方は、授業中は適度に流し聴きし、最後のまとめに集中することをおすすめします。

実際の業務では、試験の問題はほとんど役に立ちません。(語弊がある)実践的なスキルや経験が求められるため、後輩からの質問や上司のアドバイスが最も重要です。

資格は取得するだけではなく、現場に出て初めてその本当の意味が理解できるものです。現場に出ると、講師が言っていたことが徐々に腑に落ちてきます。資格を取得すれば、あとは実際の経験で知識を補完していけば良いのです。

上記の文章を要約すると、授業の最後に講師が試験に出るポイントを教えてくれます。出題範囲を暗記し、問題を理解するのではなく、4択から答えを見つける方法です。勉強が苦手や集中できない方にとって、講師の話を真剣に聞くことは苦痛ですよね。

計算問題は必ず覚えておこう

試験には必ず計算問題が出題され、確実に点を取れる箇所なので、しっかり覚えておきましょう。

BOD除去率の計算方法は以下のとおりです。

  • 小学生でもわかるBOD計算方法
  • どんな計算をするの?
  • 計算に使う式
  • 具体的に計算してみよう
  • 結果

小学生でもわかるBOD計算方法

計算問題で最も多く出題されるのはBOD(生物化学的酸素要求量)の計算です。BODは浄化槽の水質評価において重要な指標で、試験でもよく扱われます。

どんな計算をするの?

この計算では、浄化槽がどれくらい水の汚れを取り除いたかを調べます。「BOD」は水中の汚れの量を示す指標です。

計算に使う式

汚れをどれだけ取り除いたかを計算するための式は、以下のとおりです。

BOD除去率=(浄化槽に入る前の汚れの量-浄化槽を通った後の汚れの量)÷浄化槽に入る前の汚れの量×100

具体的に計算してみよう

例えば、次のような数値が出題されたとします。

  • 浄化槽に入る前の水の汚れの量は200mg/L
  • 浄化槽を通った後の水の汚れの量は40mg/L

浄化槽に入る前と後の汚れの差を計算します。

200-40=160mg/L

次に、この差を最初の汚れの量で割ります。

160÷200=0.8

最後に、これを100倍してパーセントにします。

0.8×100=80%

結果

計算の結果、浄化槽は水の汚れの80%を取り除いたことがわかります。試験は選択問題で、必ず正しい答えがあります。

引っ掛け問題が多いため、文章を流し読みせず、一つひとつ丁寧に読み解くことが大切です。細かな表現の違いにも注意を払いましょう。

問題1:BODの基本的理解

次の説明のうち、BODに関する正しいものを選びなさい。

  1. BODは水中の酸素濃度を測定する方法である
  2. BODは水中の有機物が微生物により分解される際に消費される酸素の量を指す
  3. BODは水中の溶存酸素の総量を示す指標である
  4. BODは水中の無機物濃度を測定する指標である

問題2:BOD測定の目的

浄化槽でのBOD測定の主な目的として最も適切なものを選びなさい。

  1. 浄化槽内の水質を評価するため
  2. 浄化槽内の温度を測定するため
  3. 浄化槽の電気消費量を計算するため
  4. 浄化槽の設置場所を決定するため

問題3:BODの単位

次のうち、BODの測定単位で適切なものを選びなさい。

  1. mg/L
  2. μg/L
  3. g/L
  4. kg/L

問題4:BOD測定の影響因子

BODの測定に影響を与える要因として適切なものを選びなさい。

  1. 水温
  2. 測定時間
  3. 微生物の活動
  4. 以上のすべて

問題5:BODの低減対策

BOD値を低減させるために、浄化槽で実施されることが多い対策として正しいものを選びなさい。

  1. 水温の上昇
  2. 有機物の前処理
  3. 酸素供給の強化
  4. 微生物の除去

回答および理由

回答1:BODの基本的理解

答え: 2. BODは水中の有機物が微生物により分解される際に消費される酸素の量を指す。

理由: BOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)は、水中に含まれる有機物が微生物によって分解される過程で消費される酸素の量を示します。

回答2:BOD測定の目的

答え: 1. 浄化槽内の水質を評価するため

理由: BOD測定の目的は、槽内の水質を評価し、浄化槽が適切に機能しているかを確認することです。BOD値が高いと、水中に多くの有機物が存在し、分解する際に酸素を多く消費していることを示します。

回答3:BODの単位と基準値

答え: 1. mg/L

理由: BODはmg/L(ミリグラム毎リットル)で測定されます。

回答4:BOD測定の影響因子

答え: 4. 以上のすべて

理由: BODの測定に影響を与える要因には、水温、測定時間、微生物の活動が含まれます。BOD測定結果に影響を及ぼすため、測定条件の管理が重要です。

回答5:BODの低減対策

答え: 3. 酸素供給の強化

理由: 槽内でのBOD値を低減させるには、酸素供給の強化が有効です。酸素が十分に供給されることで、微生物が有機物を効率的に分解し、BOD値の低下に寄与します。

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まとめ

これまでに私は、管理士講習をはじめ、技術管理者や清掃技術者などの資格講習を受講してきました。どの講習も基本的には同じ流れで進み、最後に試験のポイントが解説されます。

試験に不合格となり落ち込む方もいますが、あきらめずに挑戦を続ければ、必ず合格を目指せますので安心してください。

受講者の皆さんの不安を少しでも和らげるため、私の経験をもとにした方法を記事にまとめました。

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いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは浄化槽業界に10年以上携わる、現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」がコンセプトです。実体験をもとにYouTubeやSNSを通じて、現場で得た気づきや詰まり解消法、ブロワーの修理法などを発信しています。 浄化槽は主に下水道が整備されていない地域で活躍するインフラ設備です。微生物の働きによって汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が不可欠です。維持管理には浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。多くの方に向けて、浄化槽の役割や正しい使い方を伝える活動を行っています。
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