
本記事では、既に浄化槽を利用中の方やこれから導入を考えている方に向けて、重要な情報をわかりやすく解説しています。
今日から浄化槽を適切に使用するための知識を手に入れましょう。
- マンホール上への物置き禁止
- 「トイレに流せる」と記載のある物でも極力使用控える
- 浄化槽の周辺には木や植物の植樹禁止
- 大量の塩素系漂白剤の使用は避ける
- ブロワーの電源は切らない
- 必要がない場合、放流ポンプは設置しない
- 油や食べカスは浄化槽にNG
マンホールの上に物置きNG!

新品のマンホールは耐久性に優れていますが、年月が経つにつれて劣化が進行します。
マンホールの上にしか車を停めれないよ~
マンホールが駐車スペースとして使用される際、「安全荷重を確認することは必須」です。
この安全荷重は、マンホールが支えられる最大の重さを示します。
たとえば、マンホールに「500K」と表示されている場合、1つのタイヤが500キログラムの荷重まで耐えられることを意味します。
2トンの車を例にすると、タイヤは四本あるので、一本のタイヤの重さは約500キロになります。
そのため、500Kと表示のあるマンホールであれば、普通車のような車両であれば、安全に通行や駐車が可能です。
ただし、アルファードのような大型車は車両自体の重量が1,920〜2,240キログラムとなるため、マンホールの上を避けるよう注意しましょう。
マンホールに書かれている数字は、新車の空車時の上限荷重を示しています。
しかし、使用年数が経過すると耐荷重の信頼性は低下します。
安全を確保するために、耐荷重が「6トン車に対応するサイズのマンホール」を選択することをおすすめします。

マンホールは時間とともに劣化します。
特に車両の頻繁に通る場所では、劣化が早まるため、数年ごとの交換をおすすめします。
ヒビや割れが見られる場合は、配管や装置への破損リスクがあるため、すぐに交換を検討しましょう。
さらに、外見上は問題がなくても、「マンホールの枠部分に隠れた損傷が存在」します。

こういった問題は、適切な維持管理を行っていないと見過ごしてしまいます。



マンホールの維持管理は定期的に行うことが大切です。
浄化槽の専門家に管理を依頼することで、安心して使用することができます。
枠部分の交換や鉄板の設置は、対応策として有効ですが、これらの作業には専門知識が必要です。
そのため、自ら判断して行動するのではなく、専門の管理業者に相談することをおすすめします。
安全なマンホール選び!ロック機能の重要性!

マンホールには、ロックのついていないタイプとロック付きのタイプがあります。
価格の違いから、多くの人はロックがないタイプを選ぶ傾向があります。
ロックのないマンホールは、豪雨や洪水時に流されるリスクがあるだけでなく、簡単に開けられる危険性も持っています。
このようなリスクを考慮すると、多少のコストはかかるものの、ロック付きのタイプを選択することを強くおすすめします。
マンホールは必ずロック有りを選びましょう!
トイレットペーパー以外はトイレに流さない!

市販に売っている「ウェットティッシュ、おしりふき、生理用品などは、トイレに流せるものとして販売」されていますが、注意が必要です。
浄化槽を使用している場合は、これらの商品は絶対にトイレに流さないようにしてください。
理由として、これらのものは浄化槽内で分解されずに固形物となってしまうため、故障や浄化不良、さらには詰まりの原因になってしまいます。
これらの商品をトイレに流すことは避け、適切な処分方法を選びましょう。
トイレに流せる〇〇は流しちゃだめ!
市区町村のルールに従い、正確に分別して捨てることが重要です。
浄化槽清掃を行っても、ウェットティッシュや尿漏れパッド、生理用品などは取り除くことができず槽内に残存します。
「水に溶ける」という表示がある商品もありますが、それは「分解しやすい」を意味し、完全に溶けるわけではありません。
また、トイレットペーパー選びについては、「100%パルプ製のシングルタイプ」を選ぶことをおすすめします。購入の際は表示を確認しましょう。
海外製のトイレットペーパーは、日本製品とは異なるパルプの品質を持っているため、分解が難しいものがあります。
この違いは、日本と海外でのトイレットペーパーの使用方法の差異に起因しています。
多くの国では、トイレットペーパーをトイレに流さず、可燃ごみとして処理するのが一般的です。
しかし、日本ではトイレに流すのが一般的なため、分解しづらい海外製のトイレットペーパーを使用すると詰まりの原因につながります。
そういった問題を避けるために、日本で使用するトイレットペーパーは、日本のトイレットペーパー用のパルプで作られた製品を選ぶようにしましょう。

※閲覧注意
▼こちらの動画ではウェットティッシュが使用NGな理由を解説しています↓
避けるべき!周囲に植えてはいけない樹木

浄化槽の周りに木や植物を植えることでの目隠しは魅力的に思えるかもしれませんが、実際には注意が必要です。
木の根は非常に強い生命力を持っており、時間とともに成長することで浄化槽に損傷を与えるリスクがあります。
最悪の場合、木の根が浄化槽を貫通してしまうことも考えられます。

浄化槽の近くに木や植物を植えると、根が槽内に侵入し、流れを妨げるリスクがあります。
これは詰まりや故障の原因となる可能性が高いです。
庭に緑を取り入れたい場合、プランターを使用して植物を植えるのがおすすめです。
これにより、浄化槽を保護しつつ、庭を美しく演出することができます。

塩素系漂白剤の適切な使い方と注意点

漂白剤は主に「塩素系」と「酸素系」の2つに分けられます。
塩素系の漂白剤は効果が非常に強力ですが、使用する際は注意が必要です。

塩素系の漂白剤は、浄化槽内の微生物に悪影響を及ぼす可能性があります。
過度な使用は、これらの「微生物を死滅」させ、浄化槽の機能低下や水質の悪化を引き起こす恐れがあります。
そのため、汚れが特にひどい場合のみ使用し、日常の掃除には酸素系の漂白剤をおすすめします。
塩素系は使ったらだめなんでしょ?
と、よくいわれることがありますが、日常の使用で適量を守っていれば、大きな影響はなく問題ありません。
ブロワーのコンセントは抜かない!

浄化槽にはたくさんの微生物が生息しており、その生命維持と浄化機能を支えるために、ブロワーが重要な役割を果たしています。
微生物は生物であり、酸素供給が欠かせません。
電気料金の負担や騒音の問題から、ブロワーの電源を断つ方もいらっしゃいます。しかし、ブロワーが停止すると、槽内の循環も停止してしまいます。
その結果、配管に汚れが堆積し、ブロワーを再起動しても空気が適切に供給されなくなる恐れがあります。
このような問題を避けるために、ブロワーの電源は必ず繋げたままにしておいてください。
一般家庭でのブロワー使用による電気代は、1日あたり約20〜30円程度です。
詳しい電気代の計算方法については、下記のリンクの記事を参照してください。
以下の動画で紹介しているのは「間欠タイマーユニット」という商品です。
使用できる場面は限定的ですが、節約や環境保護の観点から非常に優れた商品です。
ブロワーのメンテナンスならお任せ
ブロワー設置のポイント
- 場所の選定:直射日光を避ける
- 風通し:良好な位置を確保
- 設置方法:水平に設置する

放流ポンプのランニングコストに注意!
放流ポンプとは、「勾配が取れない場合や、放流先までの距離が長い、または高低差がある場合に、ポンプの力を利用して水を揚げ、排水するための装置」です。
放流ポンプの必要性は、一般の方にとっては理解しにくいことが多いため、大抵は専門業者の提案に基づいて設置することが一般的です。
しかし、放流ポンプは一定期間後に故障のリスクがあり、修理には高額な費用がかかります。
これにより、「予想以上のランニングコストが必要」となることもあります。
不動産を購入したりリフォームを検討する際には、放流ポンプが不要な物件を選んだり、必要であれば適切なサイズのポンプを設置することを検討しましょう。
不動産の購入やリフォームを検討する際、放流ポンプの必要性や適切なサイズを業者としっかり話し合って確認することが大切です。
浄化槽に関する知識を深めることで、予期せぬ出費を避けることができます。
油・食べカス・残り汁の適切な処分方法

浄化槽への油の流入は避けるべきです。油を流すと、槽内での分離や処理が難しくなり、油が残る可能性が高まります。
食器やフライパンの油を処理する際は、まずキッチンペーパーで油を拭き取り、次に洗剤で洗うことをおすすめします。
これにより、浄化槽や環境の負担を減少させることができます。
さらに、ラーメンの残り汁は、牛乳パックに入れて片栗粉を加えて固めることで、可燃ゴミとして捨てましょう。

油の後始末方法!正しい処理方法と注意点

- 固める方法:凝固剤を使用
- 吸収方法:新聞紙やキッチンペーパーで油分を吸収
- 多量の油分対応:吸収後、二重のビニール袋に入れる
多くの人が油の流入の悪影響を十分に認識していないかもしれませんが、油は水質を大きく悪化させる要因となります。
油は槽内で分解されず、水面に浮くことで、水中の酸素量を減少させ微生物の活動を妨げます。
さらに、固まった油は配管の詰まりやニオイの原因ともなります。
飲食店やコンビニのように油を多く使用する場所では、浄化槽のトラブルが頻発しやすくなります。
このため、油の適切な処理は必須で、環境への影響を最小化することが求められます。

お湯の流し方には注意を!
食器洗い後の残り湯や熱湯は、浄化槽に排出することが可能です。
しかし、浄化槽へ繋がる塩ビ配管の「耐熱温度は約60℃」と比較的低いため、沸騰した湯を直接流すと、配管が変形するリスクがあります。
このことが原因で修理費が膨らむ可能性も考えられます。
沸騰したお湯を排出する場合は、水を同時に流し、温度を下げながら慎重に処理しましょう。
これが原因で高額な修理費がかかることも。
沸騰したお湯を排出する際は、水を同時に流して温度を下げることで、メンテナンスコストを節約できます。
おわりに

これらのポイントを頭に入れておくことで、浄化槽への負担を大きく軽減することができます。
浄化槽はあなたの貴重な「財産」であり、私たちの環境に対して大きな影響を与えます。
生活習慣を少しずつ改善することで、浄化槽の耐久性や環境状況が向上すると私は信じています。
ぜひ、皆さんも一緒により良い環境作りに貢献しましょう。
プランターとは栽培容器のことです!