
本記事では、ロータリーブロワーのオイルシールおよびOリングの交換方法について詳しく解説します。
ロータリーブロワーは浄化槽内の空気の循環を司る重要な装置で、主な役割は内部のローター(回転体)を用いて空気を吸引し、排気口から放出することです。
特性として、高い圧力を生成し効率的な空気供給を可能にします。また、連続的な運転が可能であるため、安定した風量を維持できます。
ロータリーブロワーのメンテナンスは極めて重要で、定期的なオイルの交換やフィルターの清掃が必要となります。
これらの手入れを行うことで、ブロワーの動作をスムーズにし、効率的な空気供給を継続的に保つことができます。
ロータリーブロワーのオイル漏れ

ブロワーの外観を観察すると、矢印で示した場所からオイルが漏れていることが確認できます。
オイル漏れの主な原因として、「Oリングやオイルシールの劣化」が挙げられます。
この状態で放置し、そのまま使用を続けるとブロワーが焼損し、新たなブロワー本体への交換が必要となります。
そのため、早急に上記の部品の交換を行うこととなりました。

ロックナットを外す
まずは、ロックナットを取り外します。
それには、モンキーレンチやラチェットレンチを使用していただければ問題ありません。
ロックナットの役割は、プーリーの取り外しを可能にすることです。

以下の手順で分解を行います↓
ベルト、プーリーを外す

次に、Vベルトを外します。
プーリーを大きい方向へと回転させながら外側に引っ張ることで容易に取り外すことができます。
その後、プーリーを取り外します。
プーリーと本体を外す
すべてのナットを外した後、指示矢印が示す二箇所に、先程外したナットを時計方向に締め込むとプーリーが取り外せます。
作業中、オイルが漏れる可能性があるので、作業エリアの下にはウエスや吸収用の布を敷いてください。
また、プーリーを取り外す前に、「本体とプーリーが触れる部分にマーカーで印」をつけておくと、後の組み立て時に役立ちます。
これらの手順を守れば、プーリーの取り外し作業をスムーズ且つ安全に行うことができます。

Oリング交換
次のように、Oリングが割れていました。
一般的な家庭用ブロワーのダイヤフラムと同じく、長年の使用によってゴム製の素材が劣化し、硬化してしまっていました。
この割れている部分からオイルが漏れ出していたわけですね。

形あるものは、いつかは壊れる運命にあるのです!
修正後の状態は次の通りです。

これでオイル漏れの心配はなくなりました。
オイルシール交換
外したプーリーの裏側はこんな風に見えます。

内部のオイルシールに異常は特に見当たりませんでしたが、分解したタイミングで交換を行います。
オイルシール交換が無事に終わると、それぞれの部品を元の場所に戻していきましょう。
このとき、事前につけておいた目印が作業をスムーズに進めるためのガイドになります。
全ての部品が元の位置に戻り、異常が無いことを確認できたら、作業完了です。
動画を通じて具体的な作業の流れを把握できるでしょう。
まとめ

ロータリーブロワーは、繰り返し使用することで汚れが溜まり、動作に影響がでます。
そのため、「定期的なメンテナンスは機器の長寿命化や適切な動作を維持するために不可欠」です。
特に、オイルの交換、Oリングの交換、そしてベルトの緩みの確認は、ブロワーの持続的な性能を保つために必須の手順となります。
メンテナンスを怠った場合、機器の動作不良や故障を招き、最終的には大規模な修理費用が発生する可能性があります。
また、安全面にも影響を及ぼす可能性があるため、使用する前には必ず機器の点検を行い、問題が見つかった場合は直ちに修理をすることが重要です。
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プーリーとは、こちらの写真にある車のハンドルのような形状をしたものを指します。