二重取り？【法定検査と保守点検業者の違い】浄化槽維持管理について解説

保守点検と法定検査の違いは？法定検査は必要なの？法定検査が必要かどうか疑問に思う方も多いでしょう。

浄化槽を適切に維持・運用するためには、法定検査は必須です。この記事では、法定検査の内容、保守点検との違い、受検のメリットを解説します。

浄化槽利用者が知るべき基本事項を確認しましょう。定期的な検査で浄化槽トラブルや環境への影響を未然に防げます。

以下の内容を解説します。

Contents

浄化槽利用者が知っておくべきこと

浄化槽利用者が知っておくべきことは、以下のとおりです。

浄化槽所有者には以下の義務と責任があります。

法定検査を受検することは、浄化槽法にもとづく所有者の義務です。受検しない場合、法律違反となり最高30万円以下の過料が科せられます。

過料は秩序維持のために金銭を徴収する制度です。刑事事件における罰金とは異なり、前科にはなりません。

検査項目は以下の表を参考にしてください。

検査の種類	7条検査	定期検査(11条検査)
検査の時期	使用開始後3ヶ月を経過してから5ヶ月以内	年1回
外観検査	設置状況設備稼働状況水の流れ状況使用状況悪臭発生状況消毒実施状況蚊やハエの発生状況	設置状況設備稼働状況水の流れ状況使用状況悪臭発生状況消毒実施状況蚊やハエの発生状況
水質検査	水素イオン濃度(pH) 活性汚泥沈殿率溶存酸素量透視度塩化物イオン濃度残留塩素濃度生物化学的酸素要求量(BOD)	水素イオン濃度(pH) 溶存酸素量透視度残留塩素濃度生物化学的酸素要求量(BOD)
書類検査	使用開始直前の保守点検記録をもとに、浄化槽が適正に設置されているか検査する	保守点検や清掃の記録、前回の検査記録を参考にし、保守点検と清掃が適正に行われているか検査する

お客様からは「浄化槽の保守点検や清掃に加えて、法定検査も必要なのか？」という質問を多くいただきます。

保守点検や浄化槽清掃、法定検査の違いは以下のとおりです。

保守点検の内容: 保守点検は浄化槽の機能を維持するために行います。点検や修理、薬剤の補充などを実施。
浄化槽清掃: 清掃では、バキュームカーで槽内の汚泥を吸引し、配管やポンプを洗浄。機能低下や汚物の流出、悪臭の発生を防ぎます。
法定検査: 国家資格を持つ指定検査員が検査を実施し、浄化槽の機能や水質をチェック。保守点検や清掃が適切に行われているかも確認します。不適正と判断した場合は、顧客と管理業者に改善を指摘し、対応を求めます。

7条検査、11条検査の違いは以下のとおりです。

7条検査は、浄化槽設置後の使用開始から3か月後から5か月以内に行う検査です。

新築やリフォームで浄化槽を新設した際に実施されます。

浄化槽が正常に機能しているか、配管の接続が適切か、水流に問題がないかなど、詳細に確認します。

11条検査は年に1度、必ず受ける必要がある検査です。

浄化槽の保守点検や清掃が適切か、正常に機能しているか、水質が基準に合っているかを確認します。

検査費用は地域ごとに異なるため、詳細は各地域の規定を確認しましょう。

お客様のご自宅に保守点検に伺うと、

お客様

昨日も検査に来てましたよ～

じょー太郎くん

それは法定検査で、本日は保守点検ですよ～

法定検査では、検査員が浄化槽を調査し、問題があればお客様や保守点検業者に報告します。

定期メンテナンスをしていても、法定検査で新たな問題が発見されることがあります。

浄化槽は地下に設置されているため、問題が発生しても気付きにくいです。

点検頻度や法定検査と保守点検の違いは、以下の表を参考にしてください。