浄化槽に虫が出る原因は?5種類の害虫の駆除法と侵入を防ぐ3つの対策
浄化槽を使っていると害虫や悪臭に悩むことがあります。放置すると自分の生活だけでなく近所にも迷惑がかかるため早めの対策が大切です。
浄化槽管理士歴10年以上の経験をもとに解説します。この記事では浄化槽に害虫が出る原因と害虫5種類の駆除方法、家への侵入を防ぐ3つの対策を紹介します。
ぜひ参考にして衛生的な暮らしを守ってください。
浄化槽に害虫が発生する原因|たまったスカムと汚泥がすみかになる

浄化槽の中は1年を通して温度が安定しています。そのため害虫が増えやすい環境です。
槽内の害虫が増えるのを抑えるには定期的な浄化槽清掃がいちばんの対策です。
槽内では処理の初めの段階で固形物と液体が分かれます。重いゴミや汚泥は底に沈みます。
一方で水面に浮かんだ軽いゴミの層がスカムです。
さらに底にたまった汚泥はガスの力で押し上げられてスカムの層を厚くしていきます。
この厚くなったスカムや汚泥が害虫のエサや卵を産む場所になります。そのため清掃でスカムや汚泥を取り除くことが大切です。

スカムについては次の動画で解説しています。
浄化槽に発生しやすい害虫5種類|特徴と駆除方法

浄化槽でよく見られる害虫の特徴と駆除方法を紹介します。対象の害虫は次の5種類です。
- チョウバエ
- サカマキガイ
- アメリカミズアブ
- 蚊
- ゴキブリ
チョウバエは殺虫剤と殺虫プレートで駆除する
チョウバエの主な特徴は次の4つです。
- 繁殖力が強い
- 殺虫剤が効きにくいことがある
- 茶色でハート型の羽を持つ小型のハエ
- 水回りや汚れた場所に発生する
チョウバエは家の中にも入ってくるやっかいな害虫です。網戸や換気扇のすき間から入って浴室や部屋に現れます。
メスは1回に200〜300個の卵を産みます。卵から約20日で成虫になるため短い期間でどんどん増えるのが特徴です。
駆除するにはマンホールを開けて槽内に殺虫剤をまきます。まいたあとはふたを閉めておきましょう。
マンホールの周りでチョウバエを見かけたら槽内にもいる可能性が高いです。その場合は浄化槽用の殺虫プレート「チャッポリン ロング」を使いましょう。
槽内につるしておくと約3か月は効果が続きます。目の届かない場所の害虫にも効きます。
サカマキガイはサカマキラーで駆除する
サカマキガイは何でも食べる貝で浄化槽内の微生物や汚泥をエサにします。汚水をきれいにする微生物が減ると処理がうまくいかず水質が悪くなります。
サカマキガイの特徴は次の5つです。
- 透明でゼリー状の卵を産む
- 繁殖力が強く槽内の微生物を減らしてしまう
- エサの多い場所にすみつく
- よく似たモノアラガイとは殻の巻き方が逆向き
- ミネラルの多い水や弱アルカリ性の水で増えやすい
サカマキガイは1匹でオスとメスの両方の働きを持ちます。そのため少ない数でも短い期間で一気に増えます。
主な侵入経路は放流先の側溝からの逆流です。点検道具や清掃車のホースについて運ばれることもあります。
対策には「サカマキラー」を定期的にまきましょう。駆除と水質の改善の両方に効果が期待できます。
サカマキラーを使った結果は次の動画で見られます。
アメリカミズアブはバポナ製品で駆除する

アメリカミズアブは日本では「便所バチ」の名で知られる害虫です。幼虫は「フェニックスワーム」と呼ばれ爬虫類のエサとして売られることもあります。
卵を産む場所はマンホールのすき間です。幼虫は槽内で育ち成虫になるとまわりを飛び回ります。
混ぜ混ぜするぜ~
アメリカミズアブの幼虫はスカムを食べて汚泥をドロドロにし、悪臭の原因にもなります。
アメリカミズアブの特徴は次の3つです。
- 大量に発生しやすいアブの仲間
- 飛び回る成虫の見た目が不快
- 湿気の多い場所に集まり家の中にも入ってくる
駆除には「バポナうじ殺しスティック」がおすすめです。
うじスティックはスカムの表面やマンホールの枠のふちにまきます。幼虫を退治でき槽の外へはい上がるのも防げます。
マンホールの周りで嫌な臭いや虫に気づいたらバポナ製品を使ってみてください。
蚊・ゴキブリはキンチョールで駆除する
夏はヤブカの動きが活発になります。ゴキブリもマンホールの周りに集まりやすくなります。
ヤブカやチカイエカに刺されると強いかゆみが出るので注意が必要です。夜に耳元を飛び回る音で眠りをじゃまされることもあります。
蚊やゴキブリの駆除にはスプレーの殺虫剤が手軽です。
マンホールを開けて槽内や周りにキンチョールを吹きかけます。吹きかけたあとはふたを閉めておきましょう。
害虫の侵入を防ぐ3つの対策|換気扇・網戸・家のすき間を見直す

浄化槽から出た虫は家の中にも入ってきます。見直したい場所と対策は次の3つです。
- 換気扇のすき間をふさぐ
- 網戸の破れ・すき間をふさぐ
- 古い家のすき間を埋める
換気扇のすき間をふさぐ
「部屋に虫が入る原因を知りたい」というご質問をよくいただきます。その1つが換気扇からの侵入です。
換気扇が回っている間は虫が入りにくいです。しかし止まっている間やON/OFFが切り替わる瞬間に入り込むことがあります。
防虫フィルターをつけるかシャッター付きの換気口に交換しましょう。止まっている間の侵入も防げます。
網戸の破れ・すき間をふさぐ

網戸の破れやすき間も虫が入るよくある原因です。網戸は衝撃に弱く小さな裂け目や穴からでも虫が入り込みます。
破れたら網を張り替えるか目の細かい網戸に交換しましょう。
網戸の近くに植木鉢やバケツの受け皿を置くとたまった水に蚊が卵を産みます。水をこまめに捨てると蚊が増えるのを防げます。
古い家のすき間を埋める
虫の侵入を根本から防ぐなら家のすき間も見直しましょう。
古い家はすき間が多くなりがちです。年月がたってできたヒビやすき間から虫が入りやすくなります。
すき間はコーキングなどで埋めましょう。
新築やリフォームの機会があれば高気密・高断熱の仕様も検討してみてください。虫の侵入を防げるだけでなく室温も一定に保ちやすくなります。
浄化槽の害虫に関するよくある質問

浄化槽の害虫についてよくいただく質問をまとめました。
- 浄化槽に発生しやすい害虫の種類は?
- 浄化槽で害虫が発生する原因は?
- 浄化槽の害虫を駆除する方法は?
- 害虫の発生を予防する方法は?
- 害虫が家庭に与える影響は?
浄化槽に発生しやすい害虫の種類は?
浄化槽内ではチョウバエ・サカマキガイ・アメリカミズアブ・蚊・ゴキブリなどが発生します。
どれも繁殖力が強く放置するとどんどん増えます。早めに対処しましょう。
浄化槽で害虫が発生する原因は?
1年を通して安定した温度とたまったスカムや汚泥が大きな原因です。
害虫はマンホールや換気口のわずかなすき間から入ってきます。マンホールのふたにヒビや欠けがある場合は交換すると侵入を防げます。
ふたの交換は契約している管理会社に相談しましょう。
浄化槽の害虫を駆除する方法は?
槽内の害虫にはつるすタイプの殺虫プレートやまくタイプの殺虫剤を使うのが手軽です。
サカマキガイには「サカマキラー」などの専用の駆除剤が向いています。定期的にまくと発生を抑えられます。
害虫の発生を予防する方法は?
害虫の発生を防ぐには定期的に浄化槽を清掃しましょう。殺虫剤をまく時期やプレートを交換する時期を決めておくと再発も防げます。
害虫が家庭に与える影響は?
害虫が室内に入ったり蚊に刺されたりするのが主な影響です。悪臭が周りに広がることもあります。放置すると近所にも迷惑がかかります。
まとめ|害虫対策は浄化槽の定期メンテナンスから

浄化槽内で害虫が発生すると臭いが広がり汚水をきれいにする力も落ちます。紹介した害虫ごとの駆除方法をふり返りましょう。
- チョウバエ:殺虫剤と殺虫プレート
- サカマキガイ:サカマキラー
- アメリカミズアブ:バポナうじ殺しスティック
- 蚊・ゴキブリ:キンチョール
害虫を防ぐいちばんの近道は浄化槽の定期点検と清掃です。殺虫剤や駆除剤も上手に使いながら槽内を清潔に保ってください。
家の中への侵入は換気扇・網戸・古い家のすき間の3か所を見直して防ぎましょう。
駆除しても虫が減らないときは契約している管理会社に相談しましょう。







