ブロワーの異音や臭いに悩んでいませんか?浄化槽トラブルでよくあるのが、臭気やブロワーの異音です。
ブロワー故障を放置すると槽内の環境が悪化します。ブロワーは浄化槽の運転を支える重要な機器で、定期的なメンテナンスが必要です。
この記事では、ブロワーの故障原因や修理に必要な道具を解説します。記事を読めば修理のポイントや注意点が把握できます。
ブロワー修理を始める前に知っておくべき知識

ブロワー修理を始める前に、ブロワーの仕組みを紹介します。
- ブロワーの仕組み
- ブロワー修理が必要なとき
ブロワーの仕組み

ブロワーは、空気を圧縮して送る機器です。多くの機種で、ゴム製のダイヤフラム弁が使われています。
電磁石に電流が流れると磁界が発生し、固定された磁石との間で吸引・反発力が働きます。磁石とは、ロッドのことです。
ロッドが高速で振動し、両端のダイヤフラムが変形します。圧縮室の容積が変わり、弁を通じて空気の吸入と吐出が繰り返されます。

ブロワー修理が必要なケース
ブロワー修理が必要なケースは、以下のとおりです。
- 異音がする
- 動作が停止している
- 吐出風量が弱い
- 浄化槽から臭気がする
ブロワー故障の原因で最も多いのは、ダイヤフラムの劣化です。次いで多いのが、ロッド(磁石)の破損です。
まずはブロワー内部のロッドに割れがないか確認してください。ロッドが破損している場合は、新しい部品に交換する必要があります。
内部配線の断線も故障の原因となります。以下の動画で解説しています。
断線は絶縁抵抗計(メガテスター)で確認できます。

ブロワー修理に必要な道具

ブロワー修理に必要な道具は、以下のとおりです。
- 必要な工具
- 修理時に必要な安全装備
- 便利なツールで作業効率UP
ブロワー修理に必要な工具

ブロワーの交換や取り付けには、以下の道具が必要です。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ナットドライバー
- 六角レンチ(必要に応じて)

ブロワー修理時に必要な安全装備
作業時の安全を確保するために、以下の道具も用意しておきましょう。
- 軍手や作業用手袋
- 懐中電灯
- 保護メガネ
便利なツールで作業効率UP
便利で効率が上がるツールは、以下のとおりです。
- インパクトドライバー
- アンギラス
- 潤滑油スプレー
- コンプレッサー
インパクトドライバー。

6角ソケットやプラスビットは特に便利です。


コンプレッサーがあれば、ホコリやゴミを楽に吹き飛ばせます。


ブロワー修理の進め方

ブロワー修理の進め方は、以下を参考にしてください。
- 安全確認と作業スペースの準備
- ブロワー分解時に気をつけるポイント
- 修理箇所の特定と修理方法
安全確認と作業スペースの準備
作業前に確認すること | 詳細 |
作業前の点検 | ブロワーに損傷や異常がないか確認する 電源コードやプラグに破損がないか確認する |
作業環境の確認 | 作業場所の照明が十分か確認する |
作業スペースの準備 | 設置場所の選定 浄化槽の近くに設置スペースを確保する |
作業エリアの整理整頓 | 不要な物を取り除き、作業に必要な工具や部品のみを配置する |
ブロワー分解時に気をつけるポイント
ブロワーを分解する際は、必ず電源を切りましょう。故障していても、通電していると内部が高温になっているため、注意が必要です。
ネジ式のブロワーでは、ネジが固くなっている場合があります。
無理に力を加えると破損する恐れがあります。ネジ溝を傷めないよう丁寧に取り外してください。
フィルターやゴムパーツは破損しやすいため、慎重に取り外す必要があります。取り付け位置を忘れないよう、作業前に写真を撮って記録しておきましょう。
修理箇所の特定と修理方法

故障する箇所は主に以下のとおりです。
- ダイヤフラムの劣化
- ロッドの劣化
- ピストンリングの消耗
- コイル、配線等の断線
修理方法は、基本的に消耗品の交換です。コイルや配線が断線している場合は、修理より新規交換が適しています。
内部に焦げが見える場合も、新規交換してください。
ブロワーに関するよくある質問

ブロワーに関するよくある質問は、以下を参考にしてください。
- ブロワーの音がうるさい場合は?
- 修理後に動作しない場合の確認ポイント
- 修理中によくあるミス
ブロワーの音がうるさい場合は?
ブロワーは使用状況や劣化によって異音が出ます。ブロワーがうるさい原因は、以下を参考にしてください。
- 本体とフィルターカバーのズレ
- パッキンやフィルターの劣化
- ブロワー本体のゴム足の紛失
- 消耗品の故障
- ブロワー近くの物による干渉
ブロワー修理後に動作しない場合の確認ポイント
ブロワーの修理後に動作しない場合は、電源が通っているか、コンセントの接続を確認してください。修理部品が正しく取り付けられていない可能性も考えられます。
ブロワー内部の保護スイッチが作動している可能性もあるため、併せて確認が必要です。それでも直らない場合は、専門業者へ相談しましょう。
ブロワー修理中によくあるミス

ブロワー修理中によくあるミスは、以下のとおりです。
- 各パーツのネジ締めを忘れる
- 内部フィルターの入れ忘れ
- ダイヤフラムを逆向きに取り付ける
- ロッドの向きを間違える
- ビルトインチューブの向きを間違える
ビルトインチューブに関する動画は、以下で解説しています。
修理後の確認とメンテナンス

修理後の確認とメンテナンスは以下のとおりです。
- 修理後の再組立てとテスト運転
- 修理後のアフターケアと長期的なメンテナンス
修理後の再組立てとテスト運転
修理が完了したら、電源を入れて正常に運転するか確認します。
動作に問題なければ、カバーを取り付けます。風量計や圧力計、騒音計を使用して異常がないかテストしましょう。
修理後のアフターケアとメンテナンス

ブロワーや消耗品は、1年以内であれば保証期間内です。
修理しても再び故障する場合は寿命と考え、新しいものに交換しましょう。

ブロワーのメンテナンスでは、フィルターの清掃が欠かせません。フィルターが詰まると風量が低下し、槽内の微生物に酸素を十分供給できなくなります。
まとめ

ブロワーの修理は、正しい知識と道具があれば自分で対応できます。仕組みを理解し、故障箇所を特定すれば、早期のトラブル解決につながります。
適切なツールを準備することで、作業時間も短縮できます。メンテナンスを行うことで、ブロワーの寿命を延ばし、浄化槽の性能を安定して保つことが重要です。