フジクリーンCA型の点検時に、どこを重点的に確認すべきか迷った経験はありませんか?詰まりや満水を放置すると、処理性能が低下します。
この記事ではCA型の構造や詰まりの解消法を、写真や動画を交えて解説します。記事を読めばトラブルを防ぐためのメンテナンス法が身に付きます。
フジクリーンCA型の詰まりやすい箇所と解消法


フジクリーンCA型の詰まりやすい箇所と解消法を、以下で解説します。
- 1槽目のメンテナンスポイント
- 2槽目のメンテナンスポイント
- 消毒槽のメンテナンスポイント
1槽目のメンテナンスポイント
1槽目では、詰まりやすい3か所に注意が必要です。詰まりが発生した場合は、以下の手順で対応しましょう。
- 循環水・汚泥移送バルブを全開にする
- 配管を軽くハンマーで叩く
- 生物膜が剥がれない場合は、ブラシで清掃する
1槽目の撹拌している部分は「汚泥撹拌装置」と呼ばれ、汚泥のスカム化を促進する役割があります。詰まりやすい箇所のため、点検時には水道水を使って詰まりを解消しましょう。
2槽目のメンテナンスポイント
2槽目の嫌気ろ床槽では、ろ材に汚泥やガスが溜まるため、点検時にはガス抜きが必要です。塩ビ管でろ材を突いて抜く方法や、ブロワーで撹拌してガスを放出する方法があります。
以下の動画でガス抜き作業を実践しています。
消毒槽のメンテナンスポイント

消毒槽の詰まりは、オリフィスに微細なゴミが溜まり発生します。クリップやブラシでゴミを取り除き、水道水で水圧洗浄を併用すると、確実に解消できます。

オリフィス清掃後の写真です。

CA型詰まり解消と清掃手順を動画で学ぼう
CA型浄化槽の詰まり解消やメンテナンスは、動画を参考にすると実践的に学べます。以下の動画で、清掃手順や詰まり解消法をわかりやすく紹介しています。
以下の動画では、バキュームカーを使用した清掃の手順を解説しています。
フジクリーンCA型の構造と各槽の役割

フジクリーンCA型の処理方式は接触ろ床方式です。微生物と接触ろ材を活用し、汚水を効率的に処理します。

CA型の構造を把握すると、詰まりの原因を特定できます。以下では、各槽の役割や特徴について解説します。
- CA型各槽の役割
- CA型の処理能力
- 5人槽のフロー|容量と機能
- CA型人槽別総容量|5〜10人槽
- CA型ブロワーの風量
CA型浄化槽の各槽について
CA型浄化槽の各槽の役割は、以下のとおりです。
- 沈殿分離槽:固形物と液体を分離する
- 嫌気ろ床槽:有機物や窒素を無酸素状態で分解する(脱窒)
- 接触ろ床槽:好気性微生物が有機物や窒素を分解する(硝化)
CA型の処理能力
CA型の処理能力は、以下のとおりです。
項目 | 基準値 |
BOD | 20mg/L以下 |
T-N | 20mg/L以下 |
SS | 15mg/L以下 |
COD | 30mg/L以下 |
5人槽のフロー|容量と機能
フジクリーンCA型5人槽のフローと容量は、以下のとおりです。各槽の役割と容量を把握すれば、適切な運用と維持管理に役立ちます。
槽の種類 | 容量(㎥) | 機能説明 |
沈殿分離槽 | 0.317 | 固形物と液体を分離 |
嫌気ろ床槽 | 0.600 | 嫌気状態で有機物を分解 |
ピークカット部 | 0.120 | 流入量を調整し、処理過負荷を防ぐ |
接触ろ床槽 | 0.296 | 有機物分解と水質改善 |
処理水槽 | 0.165 | 処理水を次の槽へ移送 |
消毒槽 | 0.015 | 処理水を消毒し放流 |
CA型人槽別の総容量|5〜10人槽
人槽別の総容量は以下のとおりです。
人槽 | 総容量(㎥) |
5人槽 | 1.513 |
7人槽 | 2.117 |
10人槽 | 3.029 |
CA型ブロワーの風量

ブロワーの風量は、浄化槽の処理能力に直結します。適切な風量で空気を供給すると、微生物が有機物を安定して分解できます。
各人槽に必要な風量は、以下の表で確認してください。
人槽 | 風量(ℓ/分) | 圧力(kPa) | 消費電力(W) | 吐出口径(mm) |
5人槽 | 60 | 15 | 39 | 13 |
7人槽 | 90 | 15 | 55 | 13 |
10人槽 | 110 | 18 | 75 | 20 |
まとめ

CA型はメンテナンスと詰まりやすい箇所の確認を徹底すると、トラブルを未然に防げます。
適切に維持管理すれば、浄化槽は本来の処理性能を発揮します。動画や写真を活用すると、現場での対応力も向上します。