浄化槽点検で「ブロワーの故障」や「交換が必要」と指摘され、対応に悩む方は少なくありません。
ブロワーが故障すると浄化槽の機能が低下し、臭気の原因になります。この記事では、現役の浄化槽管理士が選んだ、性能と耐久性に優れたブロワー3機種を紹介します。
臭気問題を解消し、快適な環境を整えましょう。記事を読めば、ブロワー選びのポイントがわかります。
第1位
フジクリーンEcoMac(風量40~100ℓ)

第2位
日東工器メドーLA(風量40~100ℓ)

第3位
安永エアポンプAP(風量40~100ℓ)

現役管理士が選ぶおすすめ浄化槽ブロワー3選

おすすめの1口ブロワーは以下のとおりです。それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
- 第1位|フジクリーンEcoMac
- 第2位|日東工器LA
- 第3位|安永エアポンプAP
第1位|フジクリーンEcoMac40〜100ℓ

フジクリーンEcoMacブロワーのメリットは、以下のとおりです。
- 静音設計で動作音が気にならない
- 省エネ仕様で電気代を節約できる
- 耐久性の高いフィルターを搭載している
- 修理やメンテナンスが簡単にできる
- コンパクト設計で設置場所を選ばない
フジクリーンブロワーのメリットは、修理やメンテナンスが簡単です。フィルターは耐久性が高く、長期間使用しても破れません。

フィルターはゴミやホコリをキャッチし、配管の詰まりや風量低下を防ぐ役割があります。

フジクリーンブロワーのフィルターカバーは、工具不要で簡単に開閉できます。臭気や水質悪化の原因になるため、フィルターは定期的に清掃しましょう。
ブロワーの風量不足は、微生物への酸素供給を妨げ、適切な汚水処理ができなくなります。
以下の動画では、フィルターがホコリで詰まった際の対処法を解説しています。
フジクリーンブロワーのデメリット|塗装が剥がれる

フジクリーンブロワーは設置場所や使用状況によって、外装の塗装が剥がれます。塗装が剥がれても、風量やブロワーの性能には影響しません。
2016年10月以降のブロワーは塗装が改良され、密着度と耐久性が向上しています。新型フジクリーンブロワーは、外装が剥がれにくく長持ちします。

満足度 | |
---|---|
フィルター強度 | |
価格 | |
耐久性 |

第2位|日東工器メドーLA-40~100ℓ

日東工器メドーブロワーのメリットは、以下のとおりです。
- 省エネ仕様で電気代を節約できる
- 独自のピストン構造で長持ちする
- 長寿命で高性能を安定して維持する
- 耐久性の高いフィルターを搭載している
メドーブロワーは他のモデルと異なり「独自のピストン式」を採用しています。リニア駆動フリーピストン方式により、耐久性に優れています。

メドーブロワーのフィルターは、ホコリやゴミをしっかり防ぐ仕様です。

メドーブロワーはピストン式構造を採用しており、他のダイヤフラムブロワーと比べて耐久性に優れています。

満足度 | |
---|---|
フィルター強度 | |
耐久性 | |
価格 |

メドーブロワーのデメリット
メドーブロワーのデメリットは、以下のとおりです。
- 部品のズレにより修理費用が発生する
- 使用中に異音が発生する
- 風量を増やすと本体サイズが大きくなる
部品のズレにより修理費用が発生する

ブロワー内部のピストンに摩耗がある場合は、芯のズレが原因です。ブロワーを設置する際は、水平な場所を選び、ピストンのズレを最小限に抑えましょう。
以下の写真は、芯がズレて摩耗している様子を写したものです。

異音が発生する
経年劣化により、ブロワーから異音が発生することがあります。以下の動画では、異音を発しているメドーブロワーの騒音レベルを騒音計で測定しています。測定結果を参考に、音の大きさを確認してください。
風量が増加すると本体サイズも大きくなる

写真は風量40ℓのモデルです。メドーブロワーは風量が増えると、本体サイズも大きくなります。

写真は風量80ℓのメドーブロワーです。

写真は、風量100ℓのメドーブロワーです。サイズが大きいため、設置には十分なスペースが必要です。
第3位|安永エアポンプ株式会社AP40~100ℓ

安永APブロワーは、洗練されたデザインが魅力です。高性能を維持しながら、本体価格と消費電力を抑えており、コストパフォーマンスに優れています。安永APブロワーのメリットは、以下のとおりです。
- 運転音が静かで快適に使える
- 省スペースなコンパクト設計
- 消費電力が少なく節電効果が高い
- 耐久性が高く長く使用できる

満足度 | |
---|---|
価格 | |
フィルター強度 | |
耐久性 |

安永APブロワーのデメリット|フィルターとパッキンの耐久性

安永APブロワーのデメリットは、以下のとおりです。
管理会社がフィルター・パッキンを無償交換する場合、維持費の心配は不要です。フィルター・パッキンの交換に費用がかかる場合は、コストパフォーマンスが下がります。

安永のフィルター・パッキンは高精度でホコリを吸着できます。他の機種と比べてフィルター・パッキンの劣化が早いため、定期的な交換が必要です。
電気代を節約|3機種の消費電力を比較

ブロワーは24時間稼働するため、省エネ性能が重要です。紹介した3機種を、消費電力の少ない順にまとめました。
以下の比較表は、風量40ℓのブロワーを基準としています。
モデル | 消費電力(W) | 24時間の電気料金(円) | 365日の電気料金(円) |
安永AP40ℓ | 27 | 17.50 | 6,386.04 |
日東工器LA40ℓ | 29.5 | 19.12 | 6,977.30 |
フジクリーンEcoMac40ℓ | 32 | 20.74 | 7,568.64 |
ブロワーの風量は「40ℓ〜」から選べます。浄化槽の型式に合った風量を選びましょう。
電気料金の計算方法
電気料金の基本単価は税込で27円/kWhです。公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価にもとづいています。
1kWhは1,000Whです。1Wの電気を、1時間使用した場合の電気代は以下のとおりです。1W×1時間÷1,000×27円=0.027円
使用に応じた電気代 | 計算方法 |
50Wのブロワーを1時間使用した場合の電気代 | 0.027円×50W=1.35円 |
50Wのブロワーを1日(24時間)使用した場合の電気代 | 1.35円×24時間=32.4円 |
50Wのブロワーを1年間(365日)使用した場合の電気代 | 32.4円×365日=11,826円 |
ブロワーを選ぶ際は、電気代や消費電力の確認が欠かせません。消費電力の低いモデルを選ぶと、年間の電気代を抑えられます。
ブロワー停止で起きるトラブルと対策

ブロワー停止で起きるトラブルと対策について、以下の内容を解説します。
- ブロワー停止の影響|微生物死滅による悪臭の発生
- ブロワー交換後の臭気対策|シーディング剤の活用法
ブロワー停止の影響|微生物死滅による悪臭の発生
ブロワーが停止すると、微生物に必要な酸素が供給されなくなります。浄化槽内のすべての機能が停止して処理機能が低下します。
水質が悪化し、臭気が発生します。放流水質の低下は、近隣住民からのクレームやトラブルの原因にもなります。
ブロワー交換後の臭気対策|シーディング剤の活用法

ブロワー交換後は1〜2日間、臭気が発生します。停止中に死滅した微生物が撹拌されることで臭いがでるためです。微生物が元の状態に戻るまで臭気は続きます。
臭いが気になる場合は、シーディング剤の使用がおすすめです。シーディングは「種付け」を意味し、微生物の再生を助けます。
浄化槽の長期未使用や新設時など、微生物の活性が低下している場合に効果的です。シーディング剤は微生物の活動を促進し、水質を向上させ、臭気を軽減します。
使用方法も簡単で、パッケージされたシーディング剤をトイレに直接流すだけです。

以下の動画では、臭気の原因や対策について解説しています。
浄化槽に最適なブロワーを選ぶポイント

ブロワーの選び方について、以下で解説します。
- 人槽と型式に合わせた風量選びの重要性
- ブロワー設置時の4つの注意ポイント
- 全国の管理士によるブロワー人気ランキング
人槽と型式に合わせた風量選びの重要性
浄化槽には「人槽」と「型式」があり、適切な風量のブロワー設置が必要です。人槽や型式に合わないブロワーは水質に影響を与えます。
風量が不足すると微生物が酸素不足に陥り、過剰になると「過ばっ気」が起きて汚れが流出します。購入前に、現在使用しているブロワーの風量を確認しましょう。ブロワーの風量が不明な場合は、管理業者に問い合わせてください。
ブロワー設置時の4つの注意ポイント
ブロワー設置時の注意点は、以下のとおりです。
- 配管の曲がりは5か所以内に抑える
- 浄化槽との距離は10メートル以内にする
- 水平で日光を避けた風通しの良い場所に設置する
- 浸水や積雪がなく水や雪の影響を受けない場所にする
ブロワーは、ブロックを敷いて水平に設置しましょう。ブロワーは雨水には耐えますが、水没すると故障します。浸水のリスクがある場所では、水面より高い位置にブロワーを設置してください。
全国の管理士が選んだブロワー人気ランキング

以下のアンケート結果は、わたしが運営する「LINEオープンチャット」で現役の浄化槽関係者に投票いただいたものです。

フジクリーン製品が1番人気です!
浄化槽に関心のある方や新しい知識を得たい方、現場で課題に直面している方はご参加ください。
全国から180名以上の浄化槽関係者が集まり、役立つ情報が共有されています。
日本最大の浄化槽コミュニティ
まとめ|ブロワー選びに迷ったらフジクリーンEcoMacがおすすめ

浄化槽は微生物の働きで汚水を浄化します。ブロワーは電気工事の資格がなくても交換できます。
既存のブロワーを外し、新しい機種を同じ位置に設置し、コンセントにつなげば作業は完了です。ブロワーは消耗品ですが、定期的にメンテナンスすれば長く使えます。
ブロワー故障の原因は、部品の劣化や設置環境の影響、配管の詰まりによる過負荷などです。紹介した3機種はいずれも高性能で耐久性があります。
ブロワー選びで迷った場合は、メンテナンスや修理がしやすいフジクリーンEcoMacをおすすめします。
