浄化槽基礎知識

浄化槽の臭いトラブル|原因とプロが教える対処法5選!

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「浄化槽の臭いが気になる…」と悩む方は多くいます。臭気は生活の快適さを損なうだけでなく、近隣トラブルの原因にもなります。

臭気の原因は特定しづらく、対策を見つけるのが難しいです。この記事では臭いの原因5選と対処法を解説します。

記事を読めば臭いの原因を特定し、適切な対策ができます。臭いの問題を解消し、快適な生活環境を取り戻しましょう。

臭いの主な原因は以下の5つです。

  • ブロワーの劣化や故障により臭気が発生する
  • マンホールのヒビや隙間から臭気が漏れる
  • 害虫の発生により臭気が生じる
  • 維持管理が行われていないと臭気が発生する
  • 水の過剰使用により処理容量を超えて臭気が発生する

以下の動画でも、浄化槽の臭いについてわかりやすく解説しています。

浄化槽の臭気はブロワーが原因|故障時の影響と対策

ニオイの主な発生源はブロワー

ブロワーは浄化槽の「心臓」といえる重要な装置です。槽内の微生物は酸素を必要とし、ブロワーがエアーを供給しています。

ブロワーが故障すると酸素の供給が不足し、好気性微生物が死滅します。浄化処理が停止し、臭気の発生につながります。

» おすすめの1口ブロワー3選

微生物不足が原因?シーディング剤で浄化槽の臭いを改善

新築やリフォーム後に新設した浄化槽では、微生物が十分に定着しておらず、臭気が発生しやすい状態です。

微生物のバランスが崩れると処理が不十分になり、臭気の原因になります。臭気が発生した場合は、シーディング剤の使用が効果的です。

シーディング剤は微生物の働きを活性化させ、脱臭効果をもたらします。使い方は簡単で、トイレにパックを流すだけで槽内の環境が整います。

マンホールの劣化に注意!ヒビや隙間から漏れる浄化槽の臭い

マンホールが劣化すると隙間から臭気が漏れ出します。臭気や煙は上昇するため、隙間から外部に拡散します。

経年劣化により耐久性が低下するため、定期的な点検が必要です。マンホールを交換すると、臭気問題を解消できます。

ヒビや欠けのあるマンホールは破損するリスクがあるため、早めに交換してください。

» マンホールについて

浄化槽内に潜む害虫の駆除方法と予防策

害虫によって臭いが発生する主な原因は、以下のとおりです。

  • 幼虫が動き回りスカムが崩れる
  • 幼虫がスカムを食べる
  • 幼虫の排泄物が強い臭気を放つ

槽内は年間を通して暖かく、虫にとって好都合な環境です。スカムとは槽内に浮かぶ汚れやカスのことを指します。

スカムの様子は、以下の動画で確認できます。

マンホールの隙間やヒビから虫が侵入し、槽内で卵を産んで繁殖が進みます。

特にアメリカミズアブによる被害が多く報告されています。アメリカミズアブの幼虫は、強い臭気を放ち、見た目も不快です。

» 槽内に潜む害虫駆除法5選

害虫対策としては、槽内に殺虫プレートを設置する方法や、粉末薬剤を散布する方法があります。浄化槽清掃して汚泥の引き抜きも効果的です。

対策により害虫の発生を抑え、1年を通じて快適な環境を保てます。

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浄化槽の臭気と故障を防ぐ|日常点検と維持管理のポイント

浄化槽の維持管理については、以下で解説します。

  • 浄化槽管理の基本|保守点検・清掃・法定検査の重要性
  • 節水・省エネで浄化槽の負担を軽減|今日からできる習慣

浄化槽管理の基本|保守点検・清掃・法定検査の重要性

浄化槽を長期間維持するには「保守点検・清掃・法定検査」が重要です。維持管理を怠ると、以下の問題が発生します。

  • 消毒剤が不足する
  • 汚水が垂れ流しになる
  • 環境に悪影響を与える
  • 漏水や湧水のリスクが高まる
  • 悪臭が発生する
  • 浄化機能が低下する
  • 浄化槽が破損する
  • 近隣に迷惑がかかる

維持管理を怠ると悪臭が発生し、周囲に迷惑をかけるだけでなく、環境汚染の原因にもなります。

浄化槽所有者は、排水に対して責任を持ち、保守点検・清掃・法定検査を実施する義務があります。維持費や処理費がかかることを理解し、適切な管理を徹底しましょう。

» 法定検査について

過剰な水使用に注意|浄化槽への負担を減らす節水習慣

無駄な水の使用は浄化槽に負荷がかかり、槽内の滞留時間を短くします。汚水を処理するには、一定の時間が必要です。過剰に水を使用すると、処理容量を超えてしまいます。

無駄な水の使用は控えましょう。日々の習慣を見直すと水道代の節約に加え、電気やガス代の削減にもつながります。

» 節水・省エネで節約する方法はこちら

まとめ

臭いの原因を解決する方法は以下のとおりです。

  • ブロワーの稼働状況を確認する
  • マンホールの状態を点検する
  • 浄化槽周辺の虫の発生を確認する
  • 維持管理の点検を受ける
  • 浄化槽清掃を行い水の無駄遣いを防ぐ

嗅覚には個人差があるため、現場で確認しなければ臭気の原因を特定できない場合があります。状況に応じた対応が求められるため、管理会社へ相談するのが確実です。

臭気対策としては、ブロワーやマンホールの点検、害虫の防除、定期的な維持管理が重要です。

» 槽内に潜む害虫駆除法5選

ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、YouTubeやSNSを通じて現場で得た気づきや詰まり解消法、ブロワーの修理法について発信しています。 浄化槽は下水道が整備されていない地域で主に活躍するインフラ設備です。微生物の働きによって汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が不可欠です。維持管理には浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。浄化槽の役割や正しい使い方を伝える活動を行っています。
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