ロータリーブロワーのメンテナンスに不安を感じる方は多いものです。

手入れをしないと性能が落ち、故障の原因になります。とくにオイル切れやフィルターの詰まりには注意が必要です。

この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、「FD-300S」型ブロワーを例に基本的なメンテナンス方法を解説します。

この記事のとおりに点検すれば故障を防いで、ブロワーを長持ちさせられます。定期的に点検して、浄化槽を安定して動かしましょう。

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ロータリーブロワーの仕組み|ローターで空気を送り出す

ロータリーブロワーの仕組みと空気供給の流れ

ロータリーブロワーは浄化槽の中の微生物に酸素を送るための機械です。

内部で回転する羽根(ローター)が空気を吸いこみ、圧力をかけて空気の出口(吐出口)から送り出します。この仕組みでいつも一定の風量を保てます。

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ロータリーブロワーのメンテナンス|5つの点検ポイント

定期的なメンテナンスの重要性

ロータリーブロワーを長く安定して使うには、定期的な点検が必要です。主な点検箇所は次の5つです。

  • フィルターの汚れを確認し清掃する
  • オイル量と劣化状態を定期的に確認する
  • Vベルトとプーリーの摩耗や緩みを点検する
  • ストレーナーに付着した異物を取り除く
  • ネジ溝のゴミや油分を清掃する

①フィルターの汚れ点検と清掃手順

フィルター清掃の手順

フィルターが詰まると空気が通りにくくなり、ブロワーの働きが落ちます。清掃の手順は次の4つです。

  1. 作業前に必ず電源を切る
  2. フィルターカバーを外しフィルターを取り出す
  3. ブラシやエアダスターでゴミやホコリを取り除く
  4. フィルターを正しい向きで元に戻す
フィルター

清掃後のフィルターです。

①フィルターの汚れ点検と清掃手順

フィルターを固定するエアーフィルター支えは溝に合わせて取り付けてください。

②オイル量と劣化具合のチェック方法

オイルの管理とチェック方法

オイルの管理はブロワーの性能を保つために大切です。

オイルが足りないと内部の部品がすり減り、部品が熱でくっついて動かなくなる焼き付きの原因になります。

ブロワーを1台だけで運転している現場や吐出圧力が高い現場では、オイルの減りが早くなるので注意してください。

次の3つのポイントを確かめて管理しましょう。

  • オイルゲージで油量が指定範囲内か確認する
  • ベルトを回しオイルの循環状態を確認する
  • 点滴ノズルから適切な速度で滴下しているか確認する
オイル補充後

オイル補充後のオイルゲージ棒の状態です。

オイル管理

東浜ロータリーブロワーの純正オイルは「出光ダフニースーパーハイドロ68X」です。ねばりの弱い(粘度が低い)オイルは減りが早く、使っているうちに傷んでいきます。定期的に交換しましょう。

» オイル交換に関する記事はこちら

オイルは半年〜1年ごとに全量交換してください。

ブロワーメーカーオイルの種類
東浜ロータリーブロワーダフニースーパーハイドロ68X
アンレットルーツブロワー(BSR・BSS・BER用)スーパーギアオイル220
アンレットルーツブロワー(BS)スーパーギアオイル460

③Vベルトとプーリーの摩耗・緩み点検

Vベルトとプーリーはブロワーの動力を伝える重要な部品です。ベルトが劣化したり緩んだりすると、空気の供給が不安定になります。

次の4つのポイントを確かめましょう。

  • ベルトを手で押し、緩みがあれば張りを調整する
  • 張りが強すぎて異音が出る場合も、ゆるめて調整する
  • Vベルト中央のたわみが10mm以内か確認する
  • プーリーのゴミや汚れを確認し、必要に応じて清掃する

④ストレーナーの異物除去と清掃

ストレーナーとネジ溝の清掃

オイルのゴミを取る網(ストレーナー)に汚れがたまると、オイルが流れにくくなります。

オイルが循環しないときは、ストレーナーやネジ溝(次の⑤で説明)にゴミが詰まっていることが多いです。

ストレーナー
オイルの流れを確保

定期的に取り外して汚れを確かめましょう。

ストレーナーが破損しているとゴミを吸い込み、点滴ノズルの詰まりの原因になります。

汚れたストレーナー

やわらかいブラシやぼろ布(ウエス)でストレーナーをていねいに清掃し、シールは新しいものに交換してください。

ストレーナーを丁寧に清掃

清掃後のストレーナーです。

新品のストレーナー

新品のストレーナーは次のとおりです。次の動画でオイル交換の手順を紹介しています。

⑤ネジ溝のゴミ・油分の清掃手順

ネジ溝清掃の手順

オイルを1滴ずつ落とす点滴ノズルのネジ溝にゴミや油分がたまると、オイルの落ちる速度が乱れます。

写真は新品の点滴ノズルです。

オイルが滲んでいるか確認

写真を参考に上部のネジを緩め、オイルのにじみ具合を確認しましょう。プラスドライバーでネジを外し、ブラシで丁寧に清掃してください。

汚れを取り除くと、オイルの滴下速度が安定します。

オイルの滴下速度が改善

次の動画で新品ロータリーブロワーのオイル滴下速度を紹介しています。

異音・オートカットの原因|本体とモーターを分けて確かめる

異音がしたりオートカットが作動したりしたときは、次の順で確かめます。

  • 異音の原因と発生源の特定方法
  • オートカット機構が作動する主な原因

異音の原因と発生源の特定方法

異音はブロワー故障の前兆です。異音が出たら早めに原因を見つけて、修理や部品交換を行いましょう。

異音の発生源がブロワー本体かモーターかを見極めることが大切です。次の手順で確かめてください。

モーターのみの運転
Vベルトを取り外し、モーター単体で運転して異音の発生源を確認しましょう。モーターから「ゴリゴリ」という音がする場合は、内部ベアリングの摩耗が考えられます。
本体の確認
本体から異音がする場合は、オイル不足やローターの劣化が原因として考えられます。
金属が擦れる音がする場合は、ベアリングの交換が必要です。ローターや羽根に傷や焼き付きがある場合は修理ができないため、本体の交換が必要です。

次の動画でも解説しています。

オートカット機構が作動する主な原因

ロータリーブロワーにはモーター損傷を防ぐオートカット機構が内蔵されています。

オートカットが作動した場合、モーターに大きすぎる電流(過電流)が流れている可能性があります。

主な原因は次の3つです。

ブロワー側の問題
オイル切れやベアリングの破損で回転が重くなり、スムーズに動かなくなることがあります。
モーターの不具合
ベアリングの劣化やコイルの焼損が考えられます。
Vベルトを外してモーター単体で運転し、異音がなければモーター以外に原因がある可能性が高いです。
建物側の電源問題
分電盤からブロワーまでの距離が長い・ケーブルが細い・1つのコンセントに複数の機器をつなぐタコ足配線などで電気に無理がかかると、不具合が起きることがあります。

ロータリーブロワーの点検チェック項目一覧

メンテナンスで確かめたい項目を表にまとめました。

確認事項詳細
異音の確認Vベルトを外し、異音の原因が本体かモーターかを確認する。
フィルターの清掃詰まると浄化槽の働きが落ちるため、定期的に清掃する。
オイルの交換潤滑低下を防ぐため、メーカー推奨のオイルと周期で交換する。半年〜1年ごとに全量交換する。
ベルトの調整緩みによる性能低下を防ぐため、定期的にベルトの張りを調整する。
振動の確認振動は故障の兆候であり、異常があれば修理が必要。
ベアリングの劣化回転が重くなるのを防ぐため、劣化時や異音がある際は交換が必要。
散気管の詰まり異物の詰まりで負荷が増加するため、穴を開け直すか、水圧で洗って詰まりを取る。
モーターと本体のチェック動作不良時にモーターや本体のロックを確認し、ベルトを外して調査する。
循環ホースの確認ホース内のオイルが茶色の場合、オイル切れで焼き付いている可能性がある。点滴ノズルのオイルの落ちる速度も確認する。
ロックの解除方法吸気口を外し、パーツクリーナーや灯油を少量入れてから手で回し、ロックを解除する。
損傷の確認異音が解消されない場合、内部羽根の傷を確認する。
圧力の確認エアー漏れを確認し、圧力計で測定する。
修理の可否本体の異音が小さければオーバーホール(分解して整備すること)で使い続けられる。羽根に損傷やオイル切れによる焼き付きがある場合は修理不可。

» ロータリーブロワーのOリングオイルシール交換方法

HC型ベアリングの分解方法は次の動画をご覧ください。

まとめ|定期メンテナンスでロータリーブロワーを長く使う

ロータリーブロワーの長寿命化

ロータリーブロワーを長く使うポイントは定期的な点検です。フィルターの清掃・オイル管理・異音の確認を欠かさず行いましょう。

ストレーナーやネジ溝も定期的に清掃すれば、オイルがよく循環します。

次の動画でオイル抜きパイプの使い方を紹介しています。

動画で使っているオイル抜きパイプは次の商品です。ロータリーブロワーを何台も管理している方は、1本持っておくと便利です。

ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。 「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、現場で得た気づきや詰まりの解消法、ブロワーの修理方法などをYouTubeやSNSで発信しています。 浄化槽は下水道が整備されていない地域で活躍するインフラ設備です。微生物の働きで汚水をきれいにする仕組みのため、適切な維持管理が欠かせません。その維持管理は浄化槽管理士・清掃員・検査員、そして所有者の協力があって初めて成り立ちます。 浄化槽の役割や正しい使い方を、一人でも多くの方に知ってもらえるよう活動しています。