浄化槽やトイレの詰まりは、家庭でよく起こる身近なトラブルです。詰まりが発生すると、悪臭や排水の逆流が生じ、浄化槽の処理機能も落ち込みます。
正しい対処法を知っていれば、被害を最小限に抑えられます。この記事では、トイレ詰まりの原因と解消法、正しい使い方を紹介します。
浄化槽やトイレの知識を深めると、快適で安心な暮らしが実現できます。浄化槽やトイレが詰まる原因は、以下のとおりです。
- 浄化槽が満水になると排水の流れが悪くなる
- 配管内の異物が排水の流れを妨げる
- 老朽化した配管のサビが排水を滞らせる
- 大雨で水量が増えると浄化槽があふれやすい
- 樹木の根が配管に侵入し排水を妨げる
- 排水口に絡んだ髪の毛が流れを阻害する
- 食べ残しや油脂が固まり排水が詰まる
- トイレットペーパーが配管を詰まらせる
トイレや浄化槽の詰まりを解消する方法と手順

排水の詰まりは、家庭で発生する緊急トラブルです。
詰まりの原因が浄化槽にあるかを確認し、該当する場合はバキュームカーによる清掃を検討してください。
浄化槽以外に原因があると判断できた場合は、詰まり解消の専門業者へ依頼するのが安全です。
原因が特定できない場合や夜間などの緊急時には、24時間対応の専門業者に連絡してください。
自力で解消できるケースもありますが、確実に対処するには専門業者へ依頼するのが最適です。
トイレの正しい使用法でトラブル防止

浄化槽を使用している家庭では、トイレに流せるものに十分な注意が必要です。流してよいのは、トイレットペーパーと排泄物のみです。
詳しくは、以下の動画をご覧ください。
トイレットペーパーはシングルタイプを選ぶのがおすすめです。
シングルタイプは溶けやすく、浄化槽への負担を軽減します。
厚手のトイレットペーパーは溶けにくく、詰まりやすいです。

浄化槽の詰まりを防ぐために避けるべき物
浄化槽を使用している場合は「トイレに流せる」と表示されている商品でも注意が必要です。
詰まりやすいものは以下のとおりです。
- トイレ用お掃除シート
- ティッシュペーパー
- 厚手のトイレットペーパー
- ペット用シート
- 生理用品
- おむつ
- タバコの吸い殻
- 食べ物のカス
- 油脂類
浄化槽の処理過程では、水に溶けにくい物質が詰まりや水質悪化の原因になります。槽内に蓄積すると水位が上がり、トイレやお風呂の排水がスムーズに流れなくなります。
トイレはゴミ箱ではありません!
使用頻度が多い家庭の浄化槽管理

浄化槽法では、浄化槽の清掃を年に1回以上行うことが義務付けられています。
使用頻度や状況によっては、3か月ごとや半年ごとの清掃が必要です。
清掃を怠ると、詰まりが頻発する原因になります。大量のトイレットペーパーを一度に流すことも詰まりを引き起こします。
節水型トイレは少ない水量で流れるため、従来の使用方法を続けると詰まりが発生しやすいです。
こまめに水を流す習慣は、詰まり防止に効果的です。
キッチンで油を流さないための工夫
油を流し込むと水質が悪化し、浄化槽の機能が損なわれます。
油が管内に残ると排泄物と結びついて固まり、水の流れを妨げて詰まりの原因になります。
油を多く使う料理の後は、キッチンペーパーや油固め剤を使用し、油の流出を防ぎましょう。
廃油は古いタオルやペーパータオルで吸収し、市が指定する方法で処分してください。

自分でできる詰まり解消方法

専門業者に依頼すると費用がかかるため、初心者でも試しやすい対処法を3つご紹介します。
- ラバーカップで排水の詰まりを解消する
- マンホールを開けて浄化槽の状態を確認する
- 点検マスを開け、排水の流れや詰まりを確認する
詰まりを自力で解消する方法の一つに、「ラバーカップ」の使用があります。
ラバーカップは詰まりが発生した際に、自分で簡単に対処できる便利な道具です。
家に1つ備えておくと、緊急時に役立ちます。

ラバーカップを効果的に使う方法
ラバーカップの使用時は排水口にカップを密着させ、力強く押し込み素早く引き上げます。排水管内に圧力が加わり、詰まりが解消できます。
具体的な詰まり解消手順
YouTube動画ではフジクリーンCFⅡ型浄化槽の詰まり解消法を解説しています。
マンホールを開ける際は、汚水に直接触れないようにゴム手袋を必ず着用しましょう。
汚水マスは浄化槽の周辺にある点検用のマスで、簡単に開けられます。
詰まり箇所を見つけたら、水を注ぎつつホースを使って詰まりを解消する方法が効果的です。
ワイヤーブラシを使う方法もありますが、扱いが難しいため初心者にはおすすめできません。

画像は汚水マス(別名:点検マス)です。
汚水マスの蓋は、隙間にマイナスドライバーを挿入し、軽く力を加えてねじることで簡単に開けられます。
トイレ詰まりの予防策と対処法

トイレ詰まりの主な原因は、大量のトイレットペーパーやおもちゃなど、本来流すべきでない物の投入です。
詰まりを防ぐには、こまめに水を流す習慣が効果的です。軽度な詰まりであれば自力で解消できますが、誤った対処は状態を悪化させます。
確実に解決するには、専門業者へ依頼するのが安心です。原因やトイレの構造についての説明も受けられるため、再発防止にも役立ちます。
対策を実施することで、トイレの詰まりを事前に防ぎ快適な使用状態を保てます。