浄化槽に合ったトイレットペーパーの選び方|ティッシュを流してはいけない理由
浄化槽を使っていてトイレの詰まりやにおいに悩んだことはありませんか?
原因は普段使っているトイレットペーパーにあるかもしれません。溶けにくいペーパーを使い続けると、浄化槽に負担がかかります。
この記事ではトイレットペーパーの選び方と浄化槽の正しい使い方を解説します。
適切なペーパーを選んで正しく使えば浄化槽の不調を防げます。余計な出費も抑えられます。
浄化槽を長持ちさせるために正しい知識と習慣を身に付けましょう。
トイレットペーパーとティッシュペーパーの違い

トイレットペーパーとティッシュペーパーの違いを以下で解説します。
トイレットペーパーの特徴
トイレットペーパーの特徴は以下のとおりです。
- トイレ専用のペーパー製品
- 水に流せる、やわらかくて分解しやすい素材
- ロール状で専用のホルダーにセットして使う
- トイレのあとに体を清潔に保つためのもの
トイレットペーパーは短い繊維でできていて、水に溶けやすいようにつくられています。
ティッシュペーパーの特徴
ティッシュペーパーはいろいろなことに使えます。その一方で水には溶けにくいです。主な特徴は以下のとおりです。
- 鼻をかむ・顔を拭くなどいろいろなことに使える
- ティッシュボックスや携帯用サイズで販売
- 水に溶けにくいので使ったあとはごみとして捨てるようにつくられている
- 繊維が長いので分解に時間がかかる
水に溶けるかを比較した実験結果
実際にトイレットペーパー・ティッシュペーパー・ウェットティッシュを水に入れて比べてみました。トイレットペーパーは水に入れるとすぐにやわらかくなり始めます。かき混ぜるとほぐれます。一方でティッシュペーパーは形を保ったまま残ります。
気になる方は下の動画や画像でご確認ください。
以下の写真をご覧ください。左から順にトイレットペーパー・ティッシュペーパー・ウェットティッシュが並んでいます。

水に入れて1時間後の状態。

かき混ぜると左側のトイレットペーパーだけがほぐれて溶けました。

24時間後。もう一度かき混ぜましたがトイレットペーパー以外は溶けませんでした。

分解しにくいペーパーが浄化槽に与える影響

分解しにくいペーパーを流すと浄化槽に次のような影響が出ます。
- 「ろ材」が詰まる
- 槽内が満水になり排水が滞る
- 修理・清掃に数万円の費用がかかる
「ろ材」が詰まる
浄化槽の中には「ろ材」という部品があります。ろ材は汚れた水をきれいにする微生物のすみかです。
水に溶けないティッシュペーパーやウェットティッシュを流すとろ材に絡まって詰まります。
槽内が満水になり排水が滞る
ろ材の詰まりが進むと浄化槽の中の水位が上がります。すると排水の流れが悪くなります。
さらに悪くなるとトイレの水が逆流したりにおいが出たりします。ふだんの生活にも困ります。
修理・清掃に数万円の費用がかかる
浄化槽の詰まりを直すには専門業者による清掃や修理が必要です。費用は数万円かかります。
ふだんから浄化槽に合ったトイレットペーパーを使えば余計な出費を防げます。
浄化槽にやさしいトイレットペーパーの選び方

浄化槽にやさしいトイレットペーパーの選び方について以下の内容を解説します。
- パルプ100%の表示を確認する
- シングルとダブルの違いを知る
パルプ100%の表示を確認する
トイレットペーパーを選ぶときは原材料が「パルプ100%」かどうかを確かめてください。
「パルプ100%」や「ピュアパルプ100%タイプ」と書かれたものなら安心して使えます。
パルプ100%の紙は水に溶けやすく浄化槽の中でも分解されやすいからです。
パルプは木や竹などの植物の繊維からつくられた自然の素材です。環境にやさしいうえにやわらかくて丈夫です。
シングルとダブルの違いを知る
トイレットペーパーには1枚重ねの「シングル」と2枚重ねの「ダブル」があります。シングルは水に溶けやすいので浄化槽への負担が少ないです。
ダブルは厚みがあるので1回に使う長さを減らせます。その結果流す紙の量も減らせます。
浄化槽のことを考えるなら基本はシングルがおすすめです。
ダブルを使うときは一度にたくさん使いすぎないように気をつけましょう。
正しいトイレの使い方

正しいトイレの使い方について以下の内容を解説します。
- 適切な使用量と流すタイミング
- 「流せる」表示の製品にも注意
- 節水トイレの「小」「大」レバーの使い分け
適切な使用量と流すタイミング
一度にたくさんのトイレットペーパーを流すと詰まってしまいます。使う量はほどほどにしましょう。多く使ったときは何回かに分けて流してください。
「流せる」表示の製品にも注意
「流せる」と表示されている製品でも水に溶けるわけではありません。
「流せる」と「溶ける」は別物です。「流せる」製品は浄化槽の中で詰まりの原因になります。
浄化槽を使っている場合は「流せる」と書かれた製品でも使わないでください。
節水トイレの「小」「大」レバーの使い分け
トイレのレバーには「小」と「大」があります。場面に合わせて使い分けましょう。
小便のときは「小」で問題ありません。大便やトイレットペーパーを流すときは必ず「大」を使ってください。
「小」ばかり使うと水が足りません。紙が流れきらずに詰まってしまいます。
詰まりを防ぐためにも正しい使い分けを習慣にしましょう。
トイレのトラブルと日常のメンテナンス

トイレのトラブルと日常のメンテナンスについて以下の内容を解説します。
- 詰まりのサインが出たら専門業者へ相談する
- 保守点検と清掃の実施頻度
詰まりのサインが出たら専門業者へ相談する
詰まりはじめると水の流れが悪くなったりゴポゴポという音がしたりします。
異変に気づいたらそれ以上ものを流さないでください。早めに専門業者へ相談しましょう。特に次のような症状が出ていたらすぐに相談してください。
- トイレの排水がスムーズに流れない
- トイレのまわりからいやなにおいがする
- ブロワー(浄化槽に空気を送る機械)から変な音がする
保守点検と清掃の実施頻度
浄化槽の点検や清掃は法律で回数が決められています。家庭用の合併処理浄化槽なら点検は4か月に1回以上(年3回以上)です。清掃は年1回以上です。
古い単独処理浄化槽では点検が年4回以上必要です。
よくある質問|ペットの排泄物を浄化槽に流してはいけないの?

ペットの排泄物(ふんや尿)を浄化槽に流してはいけない理由について以下の内容を解説します。
- 浄化槽は人間の生活排水を処理する設備
- 猫砂や動物の毛は浄化槽の処理能力を下げる
- ペットの排泄物は自治体のルールに従って分別する
浄化槽は人間の生活排水を処理する設備
浄化槽は家で使う人の数をもとに大きさ(人槽)が決められています。
ペットの排泄物は人のものより汚れが濃いです。そのため微生物が分解しきれなくなります。
ペットの排泄物は浄化槽に流さないようにしましょう。
猫砂や動物の毛は浄化槽の処理能力を下げる
特に猫砂は水を吸って膨らみます。そのため配管が詰まったり浄化槽の働きが落ちたりします。
動物の毛も配管やろ材を詰まらせます。トイレには流さないようにしましょう。
浄化槽の処理能力を超えると水がきれいになりません。においも出るようになります。
ペットの排泄物は自治体のルールに従って分別する
ペットの排泄物は各自治体のルールに従って可燃ごみとして処分しましょう。新聞紙やビニール袋で包んでしっかり口を閉じればにおい漏れを防げます。
ペット用トイレの砂が「可燃ごみ」と「不燃ごみ」のどちらになるかは自治体によって異なります。
処分前に自治体の分別ルールを確認しておきましょう。
まとめ

浄化槽を長く使うには毎日のトイレットペーパー選びが大切です。
パルプ100%の溶けやすい紙を選びましょう。ティッシュや「流せる」製品は流さないでください。それだけで浄化槽の寿命を延ばせます。
ペットの排泄物や猫砂もトイレには流さずごみとして処分しましょう。詰まりのサインが出たら早めに専門業者へ相談してください。
この記事を参考に今日から家庭のトイレ環境を見直しましょう。






