効率的な保守点検には、ツールと正しい使用法が必要です。この記事では、現役浄化槽管理士である私がおすすめのアイテムを5つ紹介します。
使いやすさと生産性を向上させる必需品です。初心者の方でも安心して使えるよう、わかりやすく説明しています。
以下の動画でも確認できます。
絶対に購入すべきおすすめアイテム5選
効率的で生産性の高い保守点検を行うには以下のツールが便利です。
- アンギラス(プライヤー)
- 清掃道具
- 水中ポンプ
- ハンドリベッター
- 消泡剤
浄化槽管理士は一日に多くの訪問先を回ります。便利な道具を使うことで、時間と手間を大幅に節約し、作業の生産性を向上できます。
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アンギラス活用で生産性アップ
アンギラスの使用方法は以下のとおりです。
- 錆びたネジや頭がつぶれたネジを取り外しやすい
- マンホールのロックを簡単に開閉できる
- 配管作業での締め付けや取り外しがスムーズ
- 水道の蛇口など水回り作業の締め付けや取り外しが容易
- ボルトナットの締め付けや取り外しが簡単
- ドライバーを使いネジの締め付けや取り外しに対応
- 線材のねじり、曲げ、引っ張りに対応できる
最もおすすめするツールは「アンギラス」という工具です。
ウォータープライヤーとも呼ばれ、配管作業や水回りの修理、ボルトやナットの締め付けや緩める作業など、さまざまな場面で使用できます。
特徴は、「グリップ部分の先端がマイナスドライバーに対応している」点です。マンホールの開閉を頻繁に行う管理士にとって、作業時間を大幅に短縮できます。
他メーカーの商品にもマンホールロックを解除できるものがありますが、アンギラスは多機能性で他社製品を圧倒しています。
使い勝手の良さと高い耐久性を兼ね備えたアンギラスは、現場作業で確実に効果を発揮します。
写真のアンギラスは、10年以上使用していますが、故障の兆しもなく現役です。マイナスドライバーの部分は少しすり減っていますが、作業に影響はありません。
多くの浄化槽管理士がアンギラスを愛用しています。
汚れや詰まり解消!おすすめの清掃ツール
ブラシは「浄化槽清掃、保守点検に欠かせないアイテム」です。汚れ除去力と細部までの届きやすさが特徴で、槽内の配管や詰まり穴の隅々まで清掃できます。
ブラシを使い槽内の厄介な汚れや詰まりを取り除くことが大切です。
ブロワー吸い込み口用ブラシ
写真のブラシは、ブロワーの吸引口の清掃作業に使用しています。フィルター清掃も重要です。吸引口は詰まりやすく、詰まると風量の低下や異音の原因になります。
写真のようにブラシがしっかりと穴に入るため、清掃効果が非常に高いです。
ブラシは硬い毛が丈夫に作られているため、長期間使用可能です。コストパフォーマンスも非常に優れています。
以下の写真は手動ブロワーです。
紹介した清掃用品は、全て100円ショップ「DAISO」で手に入ります。
使用方法は以下の動画をご覧ください。
効率的な水の移送!小型ポンプの利用法
寺田ファミリー水中ポンプはコンパクトで、槽内への設置がスムーズに行えます。持ち運びや設置、撤去も簡単です。
小型ながら十分なパワーを持ち、長期間の使用にも耐える耐久性があります。一台持っていれば便利さを実感できます。
フジクリーンCA型浄化槽「5人槽」での使用時の写真です。
散気管を取り外す手間はありますが、処理水槽の底部の汚泥を吸引したり、中間水を返送する際に、ポンプが役立ちます。
ポンプの口径は25ミリ
ポンプの口径は25mmで、15〜25mm用の水道ホースが使用できます。「吐出量は毎分70リットル」です。わたしは約6メートルのホースを使用しています。
長すぎると扱いにくく、短すぎると現場で足りません。
自身の作業条件に最適な長さのホースを選んで使用してください。
ハンドリベッター|最強の固定ツール
ハンドリベッターはさまざまな物を固定するための便利な道具です。板やパネルを固定する際に効果を発揮します。
木工や金属加工、DIYなど、多くの状況で活用され、作業の質がUPします。
取り扱いやすさと持ちやすさから、多くの人に便利な道具として重宝されています。
固定する際にはこちらのリベットを使用します。板状のものを重ねて固定することを「加締める」や「ハトメ」と呼びます。
リベットの使用方法は以下のとおりです。
- 加締めたい部分にドリルで穴を開ける
- リベットを穴に差し込む
- 穴からはみ出た部分(シャフト)をリベッターに差し込む
- ハンドルを握るとリベッターがシャフトを引っ張る
- 引っ張られたシャフトがリベットの頭部に押し付けられる
- シャフトがリベットの頭部で広がり加締めが完成
- リベッターを締め切ると不要なシャフトが切断される
文章で見ると難しく感じますが動画で見ると簡単に理解できます。
リベットの種類と特徴
リベッターの先端部分には「ノーズピース」と呼ばれるリベットを装着するための穴が設けられています。
ノーズピースの大きさは「2.4ミリ、3.2ミリ、4.0ミリ、4.8ミリ」の各種があり、加工対象の素材の厚みに応じて適切なリベットを選びます。
点検や修理に4.0ミリのサイズを使用していますが、不便や問題を感じたことはありません。
穴を開ける際は「4.1ミリまたは4.2ミリのドリル」を使用しましょう。わたしはいつも「4.2ミリのドリル」で下穴を開けています。
結束バンドのメリット
簡易的な固定を行いたい場合は、結束バンド(インシュロック)がおすすめです。
以下に、結束バンドのメリットとデメリットを紹介します。
- 簡単かつ迅速に固定できる
- 高い固定力でしっかりと物をまとめられる
- 調整が容易で必要な長さにカットできる
- 経済的でコスト効率が高く手軽に入手できる
結束バンドのデメリット
結束バンドのデメリットは以下のとおりです。
- 一度使用したバンドは再利用できない
- 長期間の使用や大きな荷重には不向き
- 耐久性に限界があり劣化や破損の可能性がある
結束バンドは簡単な固定に便利です。目的や用途に応じて使用しましょう。
泡を瞬時に消す最強の消泡剤
洗剤を過剰に使用すると、大量の白い泡が発生しやすくなります。槽内は常に撹拌されているため、洗剤の量が多いと泡だらけになります。
泡が出る原因は以下のとおりです。
- 洗剤の使用が多い
- 微生物の機能低下
- 浄化槽使用開始時
対策として、洗剤の使用量を減らすか、一度に多くの洗濯物を洗うと効果的です。
シリコン消泡剤は、水で希釈して使用するか、発泡が多い場合は少量ずつ原液を直接投入します。どちらの場合も少量で十分に効果が発揮されます。
茶色い泡が発生する原因は、微生物の活動と希釈の影響です。夏と冬では水温や溶存酸素量が変動し、微生物の活動状態が異なります。
微生物の健全な状態を維持するには、pH、溶存酸素量、汚泥の量を適切に調整が必要です。
人間は季節の変わり目に体調を崩しやすくなりますが、微生物も同様に季節の変化に影響を受けます。
以下の動画では、浄化槽の重要な点検項目について説明しています。
新築なのに浄化槽からにおい?微生物の安定化
新築やリフォーム後の浄化槽初期稼働時は、微生物が槽内に定着していないため、分解や処理が進まず、ニオイや泡立ちが発生しやすくなります。
この状況には、シーディング剤を使用すると効果的です。微生物を槽内に定着させることで、ニオイの問題が解消され、処理機能も向上します。
まとめ
保守点検を効率よく進めるには、段取りと道具の選択が重要です。浄化槽の点検手順は以下のとおりです。
- 計画の作成:点検日やルートを明確にする
- 道具の準備:必要な機材を事前に整える
- 環境チェック:浄化槽周辺の状態や排水口を確認する
- 水位の確認:槽内の水位、濁り、異物の有無をチェックする
- 処理能力の検証:水の流入や排水の状態を確認する
- 記録作成:点検結果や異常箇所を記録する
浄化槽管理士は毎日異なる現場で作業しますが、基本的な業務内容は同じです。作業効率を向上させるには、時間を短縮できる部分を見直し、日々の試行錯誤と改善が重要です。
保守点検の効率化と生産性の向上を図りましょう。
作業を素早く終わらせるだけでなく、お客様とのコミュニケーションがとても大切です。
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