クボタ「KZ型」浄化槽は高性能で評価が高い製品です。しかし、浄化槽はメンテナンスを怠ると、トラブルや故障の原因になります。
この記事では、KZ型のメンテナンス方法と、トラブル発生時の応急処置について解説します。
メンテナンスを行うことで、浄化槽の寿命を延ばし、修理や交換コストを抑えられます。
クボタKZ型浄化槽の特徴|高性能とコンパクト設計
クボタKZ型浄化槽は、独自の「担体流動ろ過循環方式」を採用しています。汚水が槽内をゆっくり循環し、効率的に処理されます。
特徴は以下のとおりです。
- KZ型の仕様
- 放流水の処理性能とフローシート
5人槽KZ型の仕様
KZ型の仕様は、以下を参考にしてください。
- 処理方式:担体流動ろ過循環方式
- ブロワーの風量:50ℓ(5人槽)
- 総容量:1.624㎥
KZ型の大きな特徴の一つは、コンパクト設計です。小型ながら高性能で、単独処理浄化槽からの転換も容易に行えます。
放流水の処理性能とフローシート
放流水の処理性能は以下のとおりです。
項目 | 基準値 |
BOD | 20mg/L以下 |
T-N | 20mg/L以下 |
フローシートは、以下を参考にしてください。
- 流入
- 好気ろ床槽
- 沈殿分離槽
- 嫌気ろ床槽
- 担体流動槽
- 移動床式ろ過槽
- 処理水槽
- 消毒槽
- 放流
KZ型のメンテナンス|点検とトラブル防止
クボタKZ型浄化槽のメンテナンスには、定期的な点検が欠かせません。以下のメンテナンスポイントを押さえましょう。
嫌気ろ床槽のガス抜き
嫌気ろ床槽が詰まりやすいので、点検時には必ずガス抜き作業を行いましょう。流れの状況を確認し、詰まりの兆候がないか注意深くチェックすることが大切です。
以下のリンクから確認できます。
詰まりやすい箇所と対策
KZ型やKZⅡ型浄化槽で特に注意が必要な箇所は、「1番」の好気ろ床槽です。好気ろ床槽は特に詰まりやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
以下の写真は詰まりが発生している現場です。
以下の写真は詰まり解消後の槽内です。
詰まりの原因と対策
汚泥の濃度が高くなると、トイレットペーパーや食べカスが撹拌装置を詰まらせます。スカムが配管や流入口を塞ぎ、流れを妨げます。悪化すると、汚水が逆流します。
詰まりが発生すると撹拌が停止し、処理能力が低下します。ニオイの発生や水位の上昇などの問題が起きます。
1番の詰まりの抜き方
詰まりが頻繁に発生する場合は、現場での対策をおすすめします。
以下の動画で、詰まりを解消する方法を解説しています。
担体流動槽の詰まり解消法
詰まりが頻繁に発生する場合は、以下の対策を現場で行うことをおすすめします。
以下の動画では、高負荷時に発生する詰まりの解消方法を実演しています。
移動床式ろ過槽の詰まり解消方法
水道ホースを接続して水圧を利用し、配管の詰まりを解消します。この方法は、配管の詰まりを素早く除去するのに効果的です。
ブロワーと適切な風量
浄化槽には、適切な風量のブロワーを設置することが重要です。風量が不足すると、処理能力が低下します。
ブロワーの風量と容量は以下のとおりです。
- 人槽ごとの風量
- KZ型浄化槽の容量|5人・7人・10人槽の総容量
- 各槽の容量
人槽ごとの風量
人槽ごとの風量は、以下のとおりです。
- 処理方式:担体流動ろ過循環方式
- ブロワーの風量:5人槽:60ℓ
- ブロワーの風量:7人槽:80ℓ
- ブロワーの風量:10人槽:120ℓ
- 総容量:1.624㎥
ブロワーを適切に選ぶことで、浄化槽の処理効率が向上します。
KZ型浄化槽の容量|5人・7人・10人槽の総容量
5人槽の総容量は1.406㎥、それぞれの槽の容量は以下のとおりです。
各槽の容量
各槽 | 容量 |
好気ろ床槽 | 0.105㎥ |
沈殿分離槽 | 0.432㎥ |
嫌気ろ床槽 | 0.528㎥ |
担体流動槽 | 0.205㎥ |
移動床式ろ床槽 | 0.067㎥ |
処理水槽 | 0.054㎥ |
消毒槽 | 0.015㎥ |
7人槽と10人槽の総容量は以下のとおりです。
- 7人槽:1.955㎥
- 10人槽:3.219㎥
まとめ|KZ型浄化槽の寿命を延ばす秘訣
クボタKZ型浄化槽は、高性能でコンパクトな設計が特徴です。メンテナンスにより、浄化槽の寿命を延ばし、長期間の効率的な運用が可能です。
管理業者は講習を通じて最新の知識と技術を習得し、浄化槽の長寿命化を実現します。定期メンテナンスを行い、KZ型浄化槽を長く安全に運用しましょう。