• 浄化槽から泡が出る原因は?
  • 浄化槽の泡を消す方法は?

浄化槽は毎日の生活に必要な設備です。管理をさぼると汚れた水をきれいにする力が落ちてしまいます。

発泡の主な原因は洗剤の使いすぎや微生物の働きの低下です。

この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、泡が出る原因と消し方を解説します。基本を知っておけばトラブルを防ぎやすくなるはずです。

浄化槽で発泡が起きる原因|洗剤・微生物・放線菌の3つ

浄化槽で発泡が起きる主な原因

浄化槽で発泡が起きる原因は主に次の3つです。

  • 洗剤の使いすぎ
  • 微生物の働きの低下
  • 放線菌の増えすぎ

洗剤を一度にたくさん流すと泡が出る

洗剤を一度にたくさん流すと泡が出ます。浄化槽の中の「ばっ気槽」で洗剤がかき混ぜられて泡になるためです。

» 洗剤の正しい使用方法

微生物の働きが弱まると泡が出やすい

微生物の働きが弱まると泡が出やすくなります。弱まる理由は主に次の2つです。

  • 気温や水温の変化による微生物の増減
  • 使用開始直後で微生物のバランスが不安定

気温や水温が変わると微生物の働きも変わります。

そのため泡が出やすくなります。海の赤潮のように微生物は環境の変化で急に増えたり減ったりするのです。

新しく設置した浄化槽では微生物がまだすみついていません。

そのため泡が出やすくなります。対策には「シーディング剤」がおすすめです。

シーディング剤は微生物や酵母を乾燥させて粉にしたものです。

使うと槽の中に微生物がすみつきやすくなり、水をきれいにする力も上がります。

単独処理浄化槽では茶色い泡が出ることがあります。

お風呂や台所のお湯が入ってこないので水温が低くなりやすいためです。

微生物は水温が高いほうがよく働きます。

水温が低いうえに入ってくる水の量が少ないと汚れが薄まりません。すると茶色い泡が出やすくなります。

放線菌が増えすぎると消えにくい泡が出る

糸のような形をした細菌の仲間(放線菌)がばっ気槽で増えすぎると泡が出ます。

この泡は茶色っぽくてねばねばしています。水をかけてもなかなか消えません。

泡を消すふつうの消泡剤では効きにくいので対策が難しいことがあります。

» 事例と対策(外部リンク)

放線菌が増えやすい6つの条件

放線菌は次のような環境で増えやすくなります。主に工場などの大きな施設で当てはまる条件です。

  • 排水に油分や炭水化物が多く含まれる場合
  • 外気温や水温が変化する場合
  • 牛乳や乳製品の工場からの排水が含まれる場合
  • 微生物の栄養になる窒素やリンが足りない、またはかたよっている場合
  • 水に溶けている酸素(DO)が多い場合
  • 膜で水をこす「膜分離活性汚泥法(MBR)」という方式を使っている場合

浄化槽の発泡を消す対処法|消泡剤と原因ごとの対策

シリコン消泡剤の使用例

泡が出ている浄化槽の写真です。シリコン消泡剤を使って泡を消します。

浄化槽の発泡を消す対処法

消泡剤を使った後の写真です。シリコン消泡剤は水でうすめて使います。

少しの量でもよく効くのが特徴です。泡がたくさん出ているときはうすめずにそのまま入れると早く消えます。

泡の原因によって対処法は変わります。洗剤が原因なら使う量を減らしましょう。微生物がすみついていないならシーディング剤を使います。

放線菌が原因の泡は消泡剤が効きにくいので契約している管理会社に相談してください。

まとめ|発泡対策と維持管理で浄化槽は長持ちする

まとめ|発泡対策と維持管理で浄化槽は長持ちする

この記事の内容を振り返ります。

  • 発泡の主な原因は洗剤の使いすぎと微生物の働きの低下
  • 泡は消泡剤で消せる。放線菌が原因なら契約している管理会社に相談

浄化槽には定期的な維持管理が必要です。

正しく使えば浄化槽は長持ちします。川や海を汚さずにすみます。

日々の維持管理できれいな水と快適な暮らしを守りましょう。

» 浄化槽基礎知識

ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。 「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、現場で得た気づきや詰まりの解消法、ブロワーの修理方法などをYouTubeやSNSで発信しています。 浄化槽は下水道が整備されていない地域で活躍するインフラ設備です。微生物の働きで汚水をきれいにする仕組みのため、適切な維持管理が欠かせません。その維持管理は浄化槽管理士・清掃員・検査員、そして所有者の協力があって初めて成り立ちます。 浄化槽の役割や正しい使い方を、一人でも多くの方に知ってもらえるよう活動しています。