本記事では、浄化槽から泡が発生する原因と対処法、人槽の決定基準、寿命について解説します。
この記事で解決できる内容は、以下のとおりです。
- 浄化槽から泡が出る原因は?
- 浄化槽の人槽はどう決まるのか?
- 浄化槽の寿命はどのくらいか?
浄化槽から泡が出たときの対処法
浄化槽から泡が出たときの原因と対処法は、以下を参考にしてください。
- 発泡の多くが洗剤の使いすぎ
- 水温や微生物の影響
- シリコン消泡剤の使用例
発泡の多くが洗剤の使いすぎ
主な原因は洗剤の使用量が多すぎることや、一度に大量に流すことです。
槽内の「ばっ気槽」で洗剤が撹拌され、マンホールから泡が発生します。必要に応じて「消泡剤」を活用しましょう。
発泡が続く場合は、管理業者に相談してください。
水温や微生物の影響
考えられる発泡の原因は以下のとおりです。
- 微生物の影響
- 気温、水温の変化
- 薬の服用
- 浄化槽使用開始時
単独処理浄化槽では、茶色い泡が発生することがあります。原因は微生物の活動や、流入水量が少なく希釈が進みにくいことです。
気温や水温の季節変動が微生物に影響し、泡の発生を促します。新設の浄化槽では微生物が定着しておらず、泡が出やすい傾向があります。
対策として、「シーディング剤」の使用が効果的です。
シーディング剤は、微生物や酵母を乾燥させた粉末です。使用することで槽内に微生物が定着し、浄化槽の処理機能が向上します。
シリコン消泡剤の使用例
シリコン消泡剤を使用する前の写真です。
消泡剤を使用したあとの写真です。
シリコン消泡剤は、水で希釈して使用します。少量で効果がありますが、泡が大量に発生している場合は原液を直接投入すると効果的です。
実際に、以下の動画で使用しています。
延べ床面積と人槽の関係
延べ床面積と人槽の関係は、以下のとおりです。
- 延べ床面積による人槽の目安とは?
- 住宅規模と浄化槽の容量選定
延べ床面積による人槽の目安とは?
2人しか住んでいないのになんで7人槽なの?
人槽は実際の居住人数ではなく、延べ床面積で決まります。以下の表を参考に、延べ床面積に応じた人槽の目安を確認してください。
延べ床面積または条件 | 人槽 |
延べ床面積が130㎡未満(約40坪未満) | 5人槽 |
延べ床面積が130㎡(約40坪以上) | 7人槽 |
2世帯住宅(キッチンまたは浴室が2箇所以上ある場合) | 10人槽 |
㎡は平方メートルです。
表は一般的なガイドラインです。人槽は現場の状況によって異なるため、必ず設置業者に相談してください。
住宅規模と浄化槽の容量選定
人槽の基準は、日本産業規格(JISA3302:2000)にもとづいています。
ただし、地域の条例や特例措置によって規定が異なる場合があります。
地域によっては、少人数の既存住宅で一定の条件を満たす場合、7人槽を5人槽に減らすことが認められています。
浄化槽を設置する際は、地域の規制や実際の使用状況を考慮し、適切な容量を選定することが重要です。
浄化槽の耐用年数|長持ちさせるためのコツ
浄化槽の耐用年数・長持ちさせるためのコツは以下を参考にしてください。
- 浄化槽の寿命について
- 定期的なメンテナンスが必須
- 最近の浄化槽は耐久性が向上している
浄化槽の寿命について
浄化槽の耐用年数は、設置場所や環境条件によって異なります。地盤が安定している場所では長持ちしやすいです。
一方、地震が多い地域や地下水位が高い場所では、劣化が早まる傾向があります。保守点検や清掃を定期的に行い、異常を早期に発見することが寿命を延ばす鍵です。
一般的な耐用年数は約20~30年ですが、設置場所や使用状況、地盤状態によって変動します。
定期的なメンテナンスが必須
維持管理は、浄化槽の寿命を延ばすために不可欠です。年に1回の清掃や法定検査、保守点検を怠ると、浄化槽の機能が低下します。
最新の浄化槽は耐久性が向上している
最新の浄化槽は、材料や設計の改良により耐腐食性や耐久性が向上しています。定期的な点検や清掃を行うことで寿命は30年以上が期待できます。
また、省エネ性能の向上により環境負荷を抑えながら高い処理能力を維持可能です。ランニングコストの削減にもつながり、経済的なメリットも得られます。
災害や大きなトラブルがなければ、長期間安定して使用できます。
まとめ
記事のまとめは以下のとおりです。
- 発泡の原因は主に洗剤
- 人槽は延べ床面積で決まる
- 浄化槽の耐用年数は約20~30年
浄化槽は定期的な維持管理が必要です。正しい使い方を心がけることで、寿命が延び、水質への影響も軽減されます。
適切な維持管理を実施し、快適な生活環境を保ちましょう。