いま使っている浄化槽を「まだ使えるから大丈夫」と思っていませんか?普段あまり意識しない浄化槽も、長期間使用すると経年劣化が進みます。浄化槽の耐用年数は約20~30年です。
浄化槽内部が老朽化すると、水質悪化や漏水につながります。この記事では浄化槽の経年劣化のサインや撤去方法、補助金活用術について解説します。
家計と環境にやさしい合併処理浄化槽の導入を検討しましょう。記事を読めば浄化槽の入れ替えにかかる費用や補助金を活用して負担を抑える方法がわかります。
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浄化槽の耐用年数は20〜30年が目安|経年劣化のサイン

浄化槽は長期間使用すると経年劣化が進むため、入れ替えや下水道への切り替えが大切です。一般的に浄化槽は、使用開始から20~30年が入れ替えの目安とされています。
耐用年数を過ぎると、点検や清掃をしていても設備の経年劣化は避けられません。劣化する箇所は、以下のとおりです。
- 漏水・湧水・ひび割れや腐食の発生
- 内部装置の不具合や仕切り板の破損
- ブロワーやポンプなどの機器が劣化
- 配管やマスの劣化・勾配不良
漏水・湧水・ひび割れや腐食の発生
浄化槽本体の材質には、コンクリート製やFRP製がよく使われます。コンクリート製がひび割れる主な原因は、内部の鉄筋が錆びて膨張することです。
FRP製は、長期間にわたり土圧を受けると素材が脆くなります。材質にかかわらず、浄化槽の劣化が進むと漏水や土壌の流入が発生するおそれがあります。
内部装置の不具合や仕切り板の破損
浄化槽内部には、バルブや配管、ろ材などの設備が設置されています。長年使用すると劣化し、配管の破損やバルブの故障、ろ材の流出などの不具合が発生。
汚泥を分離・処理するための仕切り板が経年劣化で破損すると、浄化機能が正常に働かなくなります。使用開始から20~30年が経過し不具合が見られる場合は、下水道への接続や浄化槽の入れ替え時期です。
単独処理浄化槽は構造が簡易なため、劣化によって機能が低下しやすい傾向があります。
ブロワーや放流ポンプなどの機器が劣化
空気を送るブロワーや排水をくみ上げる放流ポンプは、浄化槽本体よりも寿命が短い傾向があります。ブロワーの耐用年数は約5~10年で、10年を超えると風量の低下や異音などの不具合が起きます。
放流ポンプの寿命も7~10年程度とされており、消耗品として定期的な交換が必要です。機器の交換時に浄化槽本体の老朽化が見られる場合は、浄化槽全体の入れ替えを検討しましょう。
不具合が生じた際は、管理業者に点検を依頼し、修理で延命できるか、交換が必要かを確認しましょう。修理箇所が多く費用がかさむ場合は、新しい浄化槽への入れ替えや下水道へ接続すると、長期的なコストを抑えられます。
配管やマスの劣化・勾配不良
浄化槽と各排水口をつなぐ配管や中継マスも、年月とともに劣化します。塩ビ配管は長期間地中に埋設されているため、継手部分から水漏れが発生。配管が破損すると、浄化槽の処理機能に支障をきたします。
勾配が確保されていない浄化槽も多くあります。水の流れが滞り、槽内が常に満水状態に。満水状態では消毒剤が早く溶解し、十分な処理が行われないため、環境への影響が懸念されます。
外観に異常がなくても、耐用年数を超えた浄化槽は見えない箇所に問題があります。使用開始から20~30年を目安に、浄化槽の入れ替えを検討しましょう。
合併処理浄化槽に入れ替える3つのメリット|機能・環境・補助金面でお得

合併処理浄化槽は、し尿と生活排水を一括で処理できるため、機能面・環境面・経済面の3つで高い効果が得られます。入れ替えによるメリットは、以下のとおりです。
- 生活排水を一括処理できる
- 環境にやさしく災害にも強い
- 補助金制度で設置費用を削減できる
生活排水を一括処理できる
合併処理浄化槽は、トイレのし尿に加え、台所・風呂・洗濯などから出る生活排水をまとめて処理できます。処理性能が高くBOD除去率は90%以上と、下水処理場と同程度の水準です。
従来の単独処理浄化槽ではトイレ排水しか対象とならず、家庭から出る汚水のうち約8分の1しか処理できません。合併処理浄化槽に切り替えると、排出する汚れの総量を約1/8に抑えられます。
環境にやさしく災害にも強い

合併処理浄化槽への入れ替えによるメリットは、環境への負荷を軽減できる点です。単独処理浄化槽や汲み取り式では、台所や風呂から出る生活排水が未処理のまま川や側溝に流れ、水質汚濁の原因となっていました。
合併処理浄化槽を使用すれば、生活排水をまとめて処理でき、きれいな水として放流できます。自然を守るためにも合併処理浄化槽の導入は大きな意義があります。
浄化槽は災害時にも強い設備です。故障しても原因を特定しやすいメリットもあります。東日本大震災後の調査では、全損となった浄化槽の割合はわずか3.8%にとどまりました。耐震性や復旧のしやすさの面でも、浄化槽は安心して利用できる設備です。
補助金制度で設置費用を削減できる
合併処理浄化槽への入れ替えでは、国や自治体の補助金制度を活用すると、設置費用の自己負担を軽減できます。新潟市では5人槽の設置に対し、最大80万円を超える補助を受けられます。
補助金には年度ごとの予算枠や設置基数の上限があり、早めの計画と申請が重要です。「今年度は◯基まで」といった制限があり、人気エリアでは早期に枠が埋まり、受付が終了します。
水洗トイレに入れ替えると、くみ取り式トイレのように月1回の汲み取り費用が不要になります。補助金を活用すれば、費用を抑えながら快適で衛生的な暮らしへ改善できます。
浄化槽の入れ替えの費用相場

浄化槽の入れ替えで気になるのが費用です。設置工事には数十万円単位の出費がかかります。
一般的な戸建て住宅を想定した場合、浄化槽本体と工事費を合わせた総額の相場は、以下のとおりです。
- 5人槽は単世帯・小規模住宅向けで約80〜120万円
- 7人槽は大きな戸建てや二世帯住宅向けで約100〜140万円
- 10人槽は二世帯+付帯設備のある住宅向けで約120〜150万円
実際の費用は現場の条件や業者の見積もりによって変動しますが、概ね上記の範囲に収まります。
人槽が大きくなると、浄化槽本体の価格が上がるだけでなく、掘削や配管工事の規模も大きくなるため、総費用も高くなります。
上記の金額は、補助金適用前の費用です。国や自治体の補助制度を利用すると、数十万円が差し引かれ、自己負担額を軽減できます。
浄化槽入れ替え費用と補助金適用後の目安
浄化槽の規模別に、補助金を活用した際の実質負担額の目安を以下にまとめました。新潟県内の補助金制度を参考にした、人槽区分ごとの概算です。
人槽(住宅タイプ) | 交換工事費用相場 | 補助金適用後の自己負担目安 |
5人槽(40坪以下の住宅) | 約80~120万円 | 約10~30万円前後 |
7人槽(大きめの住宅・二世帯) | 約100~140万円 | 約20~50万円前後 |
10人槽(二世帯・大型住宅) | 約120~150万円 | 約10~40万円前後 |
補助金の額は自治体や条件によって異なります。新潟市では、単独処理浄化槽からの転換を対象に、5人槽で最大約82.5万円、7人槽で最大約99万円の補助上限が設けられています。
補助金を活用すれば、自己負担額は数十万円程度に抑えられるケースが多いです。単独処理浄化槽や汲み取り式トイレからの入れ替えでは、浄化槽本体の設置費用に加えて撤去費用にも補助が加算されるため、実質負担が軽くなります。
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浄化槽の入れ替え費用が変動する要因

同じ規模の浄化槽でも、工事費用は現場の状況によって変わります。「隣の家より高かった」「業者ごとに見積額が違った」といった例はよくあります。浄化槽の入れ替え費用に差が出る要因は、以下のとおりです。
- 浄化槽の大きさ(人槽)
- 掘削や設置場所の条件
- 業者や地域による価格差
浄化槽の大きさ(人槽)
費用に影響する要素が、浄化槽の「人槽」です。
人槽は居住人数ではなく、建物の延床面積や設備の状況から想定される人数を基に算定されます。
人槽が大きくなるほど、浄化槽の本体価格が高くなります。人槽の目安は、以下のとおりです。
人槽 | 目安 |
5人槽 | 延床面積130㎡未満の戸建て住宅 |
7人槽 | 延床面積130㎡以上の戸建て住宅 |
10人槽 | 浴室や台所が2か所ある二世帯住宅など |
掘削や設置場所の条件
浄化槽は地中に埋める設備のため、地盤の状態が工事費に影響します。掘削しやすい場合は問題ありませんが、岩盤や大きな石が出ると重機による破砕作業が必要です。
水分を多く含む軟弱地盤では、崩落を防ぐ土留めや底盤の補強が重要です。地下水位が高い地域では、排水しながらの作業が発生し、工数が増加します。現場ごとの地盤条件によって費用は変動します。
業者や地域による価格差
工事費は依頼する業者によって異なります。浄化槽のメーカーや仕様、各社の経費や利益の設定が違うためです。
地域によって物価や人件費にも差があるため、都市部と地方では見積もり金額に開きが生じます。
単独処理浄化槽の撤去費用は?全撤去と埋め戻し作業について

浄化槽の入れ替え工事では、既存の浄化槽を撤去する作業は重要です。撤去する方法について、以下の内容を解説します。
- 全撤去
- 埋め戻し
選ぶ撤去方法によって、費用や工事内容が異なります。以下で解説します。
全撤去
全撤去する際の手順は、以下のとおりです。
- 浄化槽内の汚泥や汚水をバキューム車で吸引清掃する
- 浄化槽本体を地中から掘り起こす
- コンクリート製の浄化槽は解体して搬出する
- FRP製の浄化槽は吊り上げて撤去する
- 撤去後の穴に砂や土を入れ、転圧して埋め戻す
全撤去では不要となった槽本体を産業廃棄物として処分する必要があり、処分費や運搬費が発生します。
埋め戻し
槽内を清掃した後、槽本体の上部や底部に穴を開けて、地下水や雨水が溜まらないようにします。槽内部に砂や流砂土を充填し、地表まで埋め戻します。
全撤去とは異なり、重機による引き上げ作業や廃棄物の運搬が不要なため、費用を抑えやすいのが特徴です。埋め戻しでは、浄化槽を地中に残したまま処理します。
撤去費用の相場

家庭用浄化槽(5~7人槽程度)の撤去費用は、全撤去で約10~20万円が相場とされています。清掃や掘削、運搬処分、埋め戻しといった作業費をすべて含んだ金額です。埋め戻しの場合は処分費が不要となるため、5~15万円程度です。
ただし、実際の費用は現場の状況に左右されます。例えば、重機が入れず人力での解体が必要となる場合、手間が増えるぶん費用も高くなります。
補助金との関係・注意点
自治体の補助金を利用するには、古い浄化槽を適正に撤去・処分する必要があります。
埋め戻しも認められていますが、自治体によっては全撤去が条件になります。例えば新潟市では、単独処理浄化槽からの切り替え時に全撤去が補助対象となり、未処分のまま放置はできません。
補助を受けるには、浄化槽撤去後に「浄化槽廃止届」の提出が必要です。適正に処分されたことを証明するため、業者から産業廃棄物管理票の写しなどを受け取り、保管しておきましょう。
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浄化槽入れ替えに使える補助金|申請の流れと活用術

浄化槽の導入や入れ替えを検討する際は、国や自治体の補助金制度を利用する方が多くいます。補助制度の概要や活用法、申請の流れについて解説します。
補助金制度のしくみ
浄化槽設置補助金は、国の制度に自治体が上乗せする「2階建て」の仕組みです。国が設定する補助金の上限額目安は以下のとおりです。
- 5人槽:30〜40万円
- 7人槽:40〜60万円
- 10人槽:70〜100万円
自治体によって上乗せ額は異なります。例えば新潟市では、5人槽で実質80万円を超える場合もあります。
補助金の対象となる工事の範囲
補助金の対象となる工事は、以下のとおりです。
- 浄化槽本体の設置工事
- 旧浄化槽の撤去と宅内配管の整備
- 水洗化工事は上限付きで補助の対象
トイレの内装など住設リフォームに関わる費用は対象外となり、自己負担です。
補助金を受けるための条件
補助金を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 申請者が居住し市町村税の滞納していない
- 性能保証付きの合併処理浄化槽を設置する
- 法定点検や清掃などの維持管理を継続する
補助金申請の流れ(概要)
補助金を受けるまでの流れは、以下のとおりです。
- 自治体窓口や施工業者に相談し、対象区域や条件を確認する
- 申請書・図面・見積書・住民票など必要書類をそろえる
- 交付決定通知を受けてから工事を開始する
- 工事完了後に検査を受け、合格後に使用を開始する
工事完了後に写真や領収書を提出し、自治体の確認が取れた段階で補助金が振り込まれます。補助金は申請者の口座に入金されるか、施工業者へ直接支払われる場合もあります。
浄化槽入れ替えの見積もり|失敗しないためのポイント

浄化槽の入れ替え工事を業者に依頼するときは、見積書を取り、内容を丁寧に確認することが重要です。見積書をよく確認せずに契約すると、あとから「説明のなかった追加費用」が発生し、トラブルにつながるおそれがあります。
以下の点に注意して見積書を確認しましょう。
- 見積書に含まれる工事範囲を確認する
- 補助金の対象や申請対応を確認する
- 支払い条件と支払時期を事前に確認する
- 保証内容とアフターサービスの有無を確認する
見積書に含まれる工事範囲を確認する
見積書に記載された作業範囲が明確かどうかを確認しましょう。浄化槽本体の代金や設置工事費だけでなく、以下の費用も含まれているかチェックが必要です。
- 見積書に作業範囲が明記されているか確認する
- 浄化槽本体代や設置費以外の費用も確認する
- 古い浄化槽の撤去・処分費が含まれているか確認する
- 宅内配管の接続工事費が記載されているか確認する
- 掘削土の処分費と地盤復旧費の有無を確認する
悪い例として「浄化槽工事一式○○万円」とだけ記載され、具体的な作業内容や費用の内訳がわからないケースがあります。後から「聞いていなかった」「料金に含まれていない」といったトラブルにつながります。
見積書は、どの作業にいくらかかるのかを明確に把握するための書類です。不明瞭な記載がある場合は、業者に説明を求め内容を明記してもらいましょう。
補助金の対象や申請対応を確認する
業者によっては、見積書に補助金を考慮した実質負担額を併記してくれます。
補助金の利用を予定している場合は、見積もりを依頼する際に「補助金を申請予定です」と事前に伝えておくとスムーズです。補助対象外の工事が含まれる場合(庭の造作など)は、費用を分けて明記してもらいましょう。
補助金申請には工事項目ごとに分かれた明細が必要です。明細が不十分だと自治体から差し戻されるため、見積書の形式についても事前に業者と相談しておくと安心です。
支払い条件と支払時期を事前に確認する
見積書や契約書では、支払い条件を確認しましょう。着手金の有無や中間払いの時期、最終支払日の記載があるかが重要なチェックポイントです。
補助金が支給される場合でも、工事費は一度全額を自己負担で支払うケースが一般的です。補助金は工事完了後に申請者へ振り込まれるため、自己資金やつなぎ融資の準備が必要になります。
補助金申請には領収書の提出が必須です。支払いのたびに領収書を受け取り、失くさないよう大切に保管しておきましょう。
保証内容とアフターサービスの有無を確認する
見積もりの段階で、業者の保証内容やアフターサービスについても確認しておきましょう。
例えば、工事後に何年間無償で不具合に対応してもらえるのか、契約内容などを具体的に確認しておくことが大切です。
信頼できる業者であれば、質問にも丁寧に答えてくれます。見積もり時点での認識合わせが、工事後のトラブルを防ぎ、満足のいく工事につながります。
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複数見積もりでコスト削減|実際の成功事例を紹介

浄化槽の入れ替え工事費を適正かつ抑えた価格にするには、複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。1社だけでは価格の妥当性を判断しにくく、比較ができません。
2社以上から見積もりを取ると、相場が見え費用の比較や工事内容の精査も可能です。他社の見積もりを参考にすると、価格や条件の交渉もしやすくなり納得のいく契約につながります。
複数の会社から見積もりを取るメリットは以下のとおりです。
- 各社の価格差を把握できる
- 見積もり内容の違いを比較できる
- 信頼できる業者を選べる
各社の価格差を把握できる
業者によって提示金額が異なります。ある業者は120万円だったのに、別の業者は100万円台前半だった、ということもあります。その差の要因を分析すれば、高い業者に値引き交渉も可能です。
見積もり内容の違いを比較できる
業者ごとに見積もりの作り方や工事提案が異なります。例えばA社は「既存槽は埋め戻しで対応」と提案し、B社は「全撤去しますがその分補助金使えます」と説明するかもしれません。複数の話を聞けば、自分にとって最善のプランが見えてきます。
信頼できる業者を選べる
値段だけでなく、見積もりの対応や説明の丁寧さなども業者選びの重要なポイントです。複数社と接触すれば、その中からより信頼できる業者を選べるメリットもあります。
新潟県内の見積もり成功事例
新潟県内で浄化槽の交換工事を行ったAさんは、地元の工務店B社と水道設備専門のC社、2社から見積もりを取りました。
B社の見積もりは「工事一式 約130万円」と大まかな内容でしたが、C社は項目ごとに内訳を明示し、総額は約115万円です。AさんがC社の見積もりをB社に提示したところ、B社も撤去費込みで120万円まで値引きに応じました。
Aさんは、見積書の内容が明瞭で説明も丁寧だったC社に信頼を感じ、最終的にC社に依頼。結果として予算より安く、納得のいく内容で工事が完了。
複数の業者から見積もりを取ることで約15万円の差が見え、満足度の高い選択ができました。
複数社に依頼する際のポイント
複数社に依頼する際のポイントは以下のとおりです。
- 各社に同じ条件と要望を伝える
- 極端に安い見積もりには注意する
- 交渉時は他社名を伏せて金額と条件のみ伝える
- 金額だけでなく実績や対応も含めて判断する
複数の業者から見積もりを取ることには大きな価値があります。補助金の適用後に残る自己負担額を、少しでも抑えたい場合に有効です。
業者ごとの価格や対応の違いを比較すれば、納得のいく条件で契約を進められます。工事内容や費用に不安がある方ほど、見積もりの比較は実践しておくと安心です。
浄化槽入れ替えのよくある質問

浄化槽入れ替えのよくある質問について、以下で解説します。
浄化槽の入れ替え工事はどのくらいの期間かかりますか?水やトイレは使えないの?
一般的な家庭用浄化槽の交換工事は、順調に進めば3日~1週間ほどで完了します。作業内容は以下のとおりです。
- 古い浄化槽を撤去する
- 新設用の穴を掘削する
- 新しい浄化槽を設置する
- 配管を浄化槽に接続する
- 作業後に埋め戻しを行う
工事中ずっと水道が使えないわけではありません。トイレや水の使用が制限されるのは、旧槽を撤去して新しい浄化槽と配管を接続する工程のときです。
作業は半日~1日程度で、その間はトイレが使えず、台所や風呂の排水も一時的に制限されます。工事前には、業者から「何日の何時頃から水の使用を控えてください」といった案内があります。
水が使えない時間帯があるため、不便が予想される場合は、簡易トイレの設置も可能です。
浄化槽の補助金は誰でももらえる?申請は難しくない?
浄化槽の設置に関する補助金は、地域に住んでいる方であれば利用できます。一定の条件はあるものの、持ち家で浄化槽を設置または入れ替えする方の多くが対象になります。
補助金を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 公共下水道の整備区域外であること
- 単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への切り替えであること
- 市町村税の滞納がないこと
条件を満たして申請すれば、ほとんどの場合で受理されます。自分で申請する場合は、市区町村の担当窓口で案内を受けながら記入すれば対応可能です。
申請に必要な書類は多いものの、施工業者が手続きをサポートしてくれます。工事契約時に「補助金の申請もお願いしたい」と伝えると、役所への提出を代行してもらえます。
要件を守れば、補助金は利用しやすい制度です。対象となる方は、積極的に活用しましょう。
単独処理浄化槽は使い続けちゃダメなの?交換しないと罰則がある?
法律上、既存の単独処理浄化槽はただちに使用禁止とはなりません。しかし、多くの自治体では環境保全の観点から、合併処理浄化槽への早期入れ替えを強く推奨しています。
老朽化した単独処理浄化槽は漏水のリスクが高く、環境への影響も避けられません。安全で快適な暮らしと環境保全のためにも、早めの交換を検討することが大切です。
浄化槽の入れ替え時に届出や手続きは必要ですか?
浄化槽の設置や撤去には、複数の届出が必要です。新しく浄化槽を設置する場合は「浄化槽設置届出書」を市役所の環境課や保健所など、所管の行政機関へ提出します。
使用開始後60日以内に「浄化槽管理者変更届」を提出し、設置者が管理者となる必要があります。設置から7~8か月後には、水質を確認する法定検査の受検が必要です。
浄化槽を撤去した場合には、「浄化槽使用廃止届出書」の提出も必要です。手続きは、多くの場合で施工業者や保守点検業者が代行します。契約時に「届出の代行は可能ですか」と確認しておくと安心です。
補助金を活用するには、必要な届出を正しく行うことが条件です。いずれも形式的な手続きであり、案内を確認しながら進めれば難しくありません。
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まとめ

浄化槽の耐用年数は約20~30年です。老朽化が進むと漏水や内部設備の故障が発生し、周囲の環境にも影響を及ぼします。
設置から20年以上が経過した浄化槽は、下水道への接続や高性能な合併処理浄化槽への交換を検討しましょう。合併処理浄化槽は生活排水をまとめて処理でき、BOD除去率は90%を超えます。
単独処理浄化槽に比べて環境負荷を1/8に抑えるうえ、耐震性にも優れています。浄化槽設置をする際の工期は3~7日で、水道の停止は半日程度です。
浄化槽入れ替えを検討する際は、複数の業者から見積もりを取りましょう。工事範囲や保証内容、費用などを比較することが重要です。