本記事では、以下の内容について解説します。
- セキスイSGC型の処理方式
- 総容量
- ブロワーの風量
- 維持管理するポイント
- 詰まりの対処方法
古い浄化槽やメーカー情報はネット上に少なく、管理方法がわからない方も多くいます。
本記事では、「セキスイSGC型浄化槽」の特徴と管理方法について解説。
記事を読むことで、浄化槽の仕組みを理解し、適切に管理できます。
嫌気濾床と生物濾過を組み合わせた仕組み

処理方式は「嫌気濾床と生物濾過を組み合わせた方式」で、高い処理性能を持ちます。

日立KGF-2型と同様の機能を持つOEM製品です。

最初に汚水は嫌気濾床槽に流入し、槽内のろ材を通過することで、固形物と液体に分離されます。
生物濾過のメカニズム

生物ろ過は、汚水を浄化する方法の一つです。
微生物が付着・増殖しやすいプラスチックやセラミック製の担体を使用します。
担体に付着した微生物が汚水中の有機物を分解して効率的に浄化します。
嫌気性微生物の特徴
嫌気性微生物の特徴は、以下のとおりです。
- 酸素を使わずに活動し、有機物を分解する
- 嫌気濾床槽内で有機物を分解する
- 分解時にメタンガスや硫化水素ガスを生成する
好気性微生物
好気性微生物の特徴は以下のとおりです。
- 生物濾過槽で活動し、有機物を分解する
- 酸素を使い有機物を分解する
- 有機物を浄化し、二酸化炭素や水に変える
生物ろ過槽では汚れが蓄積するため、除去用の逆洗管が設置されています。
設定時間になると自動で弁が切り替わり、汚れを剥がす作業が開始されます。
セキスイSGC型5人槽の総容量とフロー
セキスイSGC型5人槽 | 槽容量(㎥) |
嫌気ろ床槽第1室 | 1.035 |
嫌気ろ床第2室 | 0.517 |
生物ろ過槽 | 0.400 |
処理水槽 | 0.139 |
消毒槽 | 0.021 |
放流 |
合計2.112㎥となります。
6人槽以上の総容量
6人槽以上の総容量は、以下のとおりです。
人槽 | 総容量(㎥) |
6人槽 | 2.471 |
7人槽 | 2.870 |
8人槽 | 3.488 |
10人槽 | 4.293 |
ブロワーの風量と管理方法
風量80ℓの2口タイプブロワーが使用されています。初期モデルはMB-80W型ブロワーです。
ブロワーの寿命が近づいている場合、新しいブロワーに交換をおすすめします。
最新のブロワーは省エネ設計で、電気代を節約し負荷を軽減できます。
管理の重要ポイント:ガス抜き作業
ろ材内にメタンガスやアンモニア性ガスが蓄積すると、ろ材が押し上げられます。
ガス抜きを怠ると、ろ材を支える板が破損したり、ろ材が落下する恐れがあります。
ガス抜き作業の手順は、次の動画で確認してください。
詰まりやすい生物ろ過槽の管理方法
生物ろ過槽で使用されるスポンジ担体は、逆洗で汚れを除去します。
しかし、完全には取り除けず、長期間使用すると担体が劣化し、水の流れが悪くなります。
逆洗や詰まりの除去後も水位が正常に戻らない場合は、担体の交換を検討しましょう。
処理能力について
処理能力 | |
処理対象人員 | 5人 |
日平均汚水量 | 1.0㎥ |
放水BOD | 20mg/L以下 |
BOD除去率 | 90%以上 |
まとめ|SGC型浄化槽の特徴と管理方法
SGC型浄化槽は、嫌気ろ床と生物ろ過の二つの手法を組み合わせた構造です。
槽の容量は2.112立方メートル、ブロワーの風量は80リットルです。
定期的なガス抜きが重要で、浄化槽の性能維持に欠かせません。
槽内に蓄積したガスを放出し、ろ材の損傷を防ぎます。
生物ろ過槽では、スポンジ担体の詰まりが処理効率を低下させるため、担体の交換が最適な対策です。
担体の入れ替え動画は、以下を参考にしてください。