浄化槽が臭い原因は?現役管理士が教える7つの原因と対処法
浄化槽を使っていて臭いに悩む方は多くいます。臭いは浄化槽に異常が起きているサインです。
この記事では浄化槽の仕組みと微生物の働き・臭いの原因・対処法を解説します。原因がわかれば自分で直せることもあります。
原因を知って快適な生活を取り戻しましょう。臭いの主な原因は次のとおりです。
- 槽内で発生するガスが臭気の原因になる
- 油や食べカスによって処理能力を超えると臭気が発生する
- ブロワーの故障や風量不足で処理機能が低下する
- 保守点検を怠ると汚れが溜まり臭気が発生する
- マンホールの破損が臭気の原因になる
- 害虫の排泄物や死骸が臭気を引き起こす
- 新築・リフォーム時に臭気が発生する
以下の動画でもわかりやすく解説しています。
浄化槽の仕組みと微生物の役割

浄化槽の役割と仕組みは以下のとおりです。
- 浄化槽の目的は汚水を浄化すること
- 嫌気性微生物は酸素を嫌う浄化槽の主役
- 好気性微生物は酸素を使って汚れを分解する
浄化槽の目的は汚水を浄化すること
浄化槽は下水道がない地域で生活排水をきれいにする設備です。川や海の水質を守る役割があります。
浄化槽では2種類の微生物が汚れ(有機物)を分解しています。
以下に、槽内での汚水処理の流れを解説します。
- 嫌気ろ床槽の第1室で大まかに分解する
- 第2室でさらに分解する
- ばっ気槽で好気性微生物が汚れを分解する
- 消毒槽で大腸菌などを消毒してから放流する
嫌気性微生物は酸素を嫌う浄化槽の主役
嫌気性微生物は、酸素を必要としない微生物です。
嫌気ろ床槽には微生物がすみつく「ろ材」が入っています。汚水がここを通るときに微生物が固形物を分解します。
詳しくは以下の動画をご覧ください。
好気性微生物は酸素を使って汚れを分解する
好気性微生物は酸素が必要です。酸素がないと生きられません。
第1室と第2室を通った汚水は次にばっ気槽へ送られます。ブロワー(空気を送る機械)から空気が届き好気性微生物が汚れを分解します。
空気を送る機器をブロワーと呼びます。
臭気の原因と解決法

臭いをなくすには原因を知ることが大切です。主な原因は次の7つです。
- 槽内で発生するガスが臭気の原因になる
- 油や食べカスによって処理能力を超えると臭気が発生する
- ブロワーの故障や風量不足で処理機能が低下する
- 保守点検を怠ると汚れが溜まり臭気が発生する
- マンホールの破損が臭気の原因になる
- 害虫の排泄物や死骸が臭気を引き起こす
- 新築・リフォーム時に臭気が発生する
槽内で発生するガスが臭気の原因になる
浄化槽からの臭気の原因は、し尿から発生するアンモニアや硫化水素などのガスです。
アンモニアはツンとする臭いです。硫化水素は腐った卵のような臭いがします。
このガスが外に漏れる量を減らすことが臭い対策の基本です。原因ごとの対処法を次から見ていきましょう。
詳しくは、以下の動画でガス発生の過程をご確認ください。
油や食べカスによって処理能力を超えると臭気が発生する
油や食べカスは微生物が分解しにくいものです。たくさん流れ込むと浄化槽の処理能力を超えてしまいます。処理しきれなかった汚れが臭いの原因になります。
油は流さず食べカスは先に取り除きましょう。定期的な清掃と点検でトラブルや臭いを防げます。
ブロワーの故障や風量不足で処理機能が低下する

ブロワーが故障すると槽内の酸素が足りなくなります。微生物が働けなくなり臭いや水質の悪化につながります。フィルターの詰まりや部品の劣化で風量が落ちることもあります。
ブロワーが止まっていたり音が変だったら早めに修理や交換をしましょう。
ブロワーが止まっていた後は動き出してもしばらく臭いが残ることがあります。その場合はシーディング剤(微生物を補う薬剤)がおすすめです。
シーディング剤は微生物のバランスを整えて臭いのもとを分解してくれます。
保守点検を怠ると汚れが溜まり臭気が発生する

臭いを防ぐには定期的な保守点検と清掃が欠かせません。
清掃をしないと槽内に汚泥がたまり微生物の働きが弱まります。その結果水がきれいにならず臭いが出ます。
清掃は年1回以上が法律で決まっています。保守点検も業者と契約して忘れずに行いましょう。
マンホールの破損が臭気の原因になる
マンホールの蓋の寿命は使い方によりますが約10年が目安です。
蓋にひび割れやズレがあると槽内のガスが外に漏れて臭います。
破損に気づいたら早めに交換しましょう。
害虫の排泄物や死骸が臭気を引き起こす
浄化槽の中は一年中暖かく害虫がふえやすい場所です。蓋の隙間から入った害虫がふえるとフンや死骸がたまって臭いの原因になります。
害虫を防ぐには浄化槽のまわりをきれいにしておくことが大切です。
害虫対策には殺虫プレート「バポナ」が効果的です。槽内に置くと約3か月間効果が続きます。
新築・リフォーム時に臭気が発生する
新しい浄化槽は微生物が育つまで約6か月かかります。そのあいだは臭いが出ることがあります。
リフォームで水回りを変えたときも同じです。シーディング剤を使うと微生物が早く育ち臭いを抑えられます。
浄化槽の正しい使い方

臭いを防ぐには日ごろの使い方も大切です。ポイントは次の3つです。
- 浄化槽にはトイレットペーパー以外を流さない
- 洗剤の使用は浄化槽への影響を考慮する
- 浄化槽管理者の責任と義務を理解する
浄化槽にはトイレットペーパー以外を流さない
トイレに流していい紙はトイレットペーパーだけです。
トイレットペーパーは水に溶けやすく作られています。ティッシュやウェットティッシュは溶けにくいので槽内で詰まります。流してはいけません。
「流せる〇〇」と書かれた商品も詰まりの原因になります。使ったらゴミとして捨てましょう。
以下の動画では、トイレットペーパーとティッシュの溶けやすさの違いを実験しています。
洗剤の使用は浄化槽への影響を考慮する
強い洗剤や漂白剤を使いすぎると微生物が弱ってしまいます。
中性洗剤や浄化槽対応の洗剤なら微生物を守りながら使えます。
ふつうの洗剤も適量なら問題ありません。使いすぎだけ注意しましょう。
浄化槽管理者の責任と義務を理解する
浄化槽の持ち主には「法定検査」「保守点検」「清掃」が法律で義務づけられています。
これは浄化槽管理者(持ち主)の責任です。きれいな水を守るための大切な決まりです。
まとめ|浄化槽を快適に保ちましょう

臭いを放っておくとひどくなりご近所にも迷惑をかけます。定期的な点検と清掃で防ぎましょう。
日頃から適切な使い方を心がけることも大切です。洗剤や廃棄物の扱いに注意し、保守点検や清掃を怠らないようにしましょう。
正しい知識があれば浄化槽を長く快適に使えます。






