【安永AP-80F】浄化槽ブロワーの修理手順|メンテナンスキットでの部品交換を写真・動画で解説!
「ブロワーが故障しています」と管理業者に言われて自分で直せないかと考える方は多いでしょう。
結論からいうとブロワーは部品を交換すれば自分でも修理できます。
ブロワーは消耗品なのでいつか必ず壊れます。傷んだまま使い続けると次の症状が出てきます。
- 動いていても風量が弱くなる
- 異音や振動が大きくなる
- 浄化槽からにおいが出る
- 浄化槽の水質が悪くなる
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が安永AP-80Fブロワーの修理手順を写真と動画で解説します。
純正のメンテナンスキットを使えば傷んだ部品をまとめて新品に交換できます。
修理に使う部品と工具|安永純正のメンテナンスキット

今回の修理では安永エアポンプ純正のメンテナンスキットを使います。

箱のラベルには品番と使えるブロワーの型式が書かれています。
AP-50F・60F・80Fのほか、AH・TY・CHJシリーズにも使えます。
購入する前にブロワー本体のラベルで型式を確かめておきましょう。

箱を開けると部品が袋に分けて入っています。説明書も付いています。

中身を並べるとこのようになります。キットに入っている部品は次の13点です。
- ケーシングブロック(2個)
- ダイヤフラム(2個)
- ケーシングパッキン(2枚)
- ケーシング止メネジ(8本)
- Uロックナット(2個)
- 平ワッシャ(2枚)
- 位置決め板(4本)
- 保護スイッチレバー(1個)
- カバーパッキン(1枚)
- カバープレートパッキン(1枚)
- プレート止メネジ(4本)
- クリーナエレメント(1枚)
- クリーナパッキン(1枚)
ダイヤフラムだけでなくパッキン類やフィルターまでそろっているのがメンテナンスキットのよいところです。
工具はプラスドライバー・マイナスドライバー・ナットドライバーの3つがあれば作業できます。
Uロックナットを外すナットドライバーは7mmを使っています。
修理するブロワー|安永AP-80F

今回修理するのは安永エアポンプのAP-80Fです。風量80L/minの電磁式ブロワーで消費電力は51Wです。
本体の上にあるオレンジ色の部分はクリーナカバーといいます。
中には吸い込む空気のホコリを取るフィルターが入っています。このフィルターがクリーナエレメントです。
外から見ただけでは中の傷み具合はわかりません。カバーを開けて確かめていきましょう。
ブロワーの中身|カバーを外して確認する
作業を始める前に必ずコンセントから電源プラグを抜いてください。
ブロワーにつないでいるホースも外しておきます。
手順1:カバーを外す

カバーの下の四隅にあるカバー止メネジ4本を外してカバーを持ち上げます。
中の本体はグレーの防音ネットに包まれています。
上にある金属の板はカバープレートです。
手順2:クリーナカバーを外す

クリーナカバー止メネジを外してクリーナカバーを持ち上げます。
中のクリーナエレメントにもホコリがたまっています。
写真左のクリーナカバーの裏にある黒い枠はクリーナパッキンです。クリーナエレメントとあわせて最後に新品へ交換します。
クリーナエレメントの目詰まりは風量が落ちる原因のひとつです。
3〜4か月に1度の点検と清掃をしましょう。
手順3:カバープレートを外して位置決め板を差し込む

防音ネットを取ったらプレート止メネジ4本を外します。
カバープレートを持ち上げると中に電磁石とロッドが入っています。
白い板はキットに入っている位置決め板です。ロッドと電磁石のすき間に4本差し込みます。

上から見たところです。青いコイルが電磁石で上下のコイルの間にロッドがあります。
ロッドは強力な磁石でできていて電磁石の力で左右に細かく動きます。この動きでダイヤフラムが空気を送り出すしくみです。
真ん中の黒い部品は保護スイッチです。はたらきは手順10で説明します。
位置決め板を使う理由
ロッドが動かないので片側ずつ部品を交換できる。
ロッドのすき間を左右均等に保てる。
すき間が均等でないとブロワーが早く壊れる。
ロッドの磁石はネジや工具を強く引きつけます。作業中に吸い付かないように気をつけましょう。
ブロワーの分解|ダイヤフラムを外す
手順4:ケーシングブロックを外す

ケーシング止メネジ4本を外すとケーシングブロックが取れます。
中からダイヤフラムが出てきました。マイナスドライバーで指している箇所が破れています。
写真左に置いてあるのが外したケーシングブロックです。
ダイヤフラムのふちはフレームの溝にはまっています。
マイナスドライバーで少し浮かせると外しやすくなります。
手順5:ダイヤフラムを外す

ダイヤフラムの中心にあるUロックナットをナットドライバーで外します。
平ワッシャも外せばダイヤフラムをロッドから抜き取れます。
外したUロックナットと平ワッシャは再利用しません。組み立てにはキットに入っている新品を使います。
部品の交換|新しいダイヤフラムとケーシングブロックを付ける
手順6:新しいダイヤフラムを取り付ける

新しいダイヤフラムをロッドに差し込みフレームの溝にはめ込みます。
キットのUロックナットと平ワッシャで固定すれば取り付け完了です。
はめ込みにくいときはダイヤフラムのふちに水を少し塗るのがコツです。
手順7:新しいケーシングブロックを取り付ける

キットに入っている新品のケーシングブロックです。
中の丸い部品は空気を一方向にだけ流す弁です。弁が傷むと空気をうまく送り出せなくなります。
下の写真の箇所にケーシングパッキンを忘れずに付けましょう。

そのあとケーシングブロックを取り付けます。
向きを確かめてケーシング止メネジ4本を均等に締めましょう。
手順8:反対側も同じ手順で交換する

反対側も同じようにケーシングブロックを外します。

新しいダイヤフラムを付けてUロックナットで固定します。

新しいケーシングブロックを取り付ければ両側の交換は終わりです。
組み立て|カバーを元に戻して試運転する
手順9:位置決め板を抜く

位置決め板を4本とも抜きます。
手順10:保護スイッチのレバーを取り付ける

手に持っているのは保護スイッチのレバーです。キットにも新品が入っています。
保護スイッチとは
ダイヤフラムなどが壊れたときにブロワーを止める安全装置です。
ロッドの動きが乱れるとレバーがずれてスイッチが切れるしくみになっています。
レバーは差し込んでから横にスライドさせて取り付けます。
レバーがスイッチの接点ボタンを押す位置にないとブロワーは動きません。
レバーの付け方は写真だとわかりにくいので動画で解説しています。
手順11:カバープレートを取り付ける

配線がはさまらない位置にあるか上から確かめます。

カバープレートパッキンを新品に替えてカバープレートをのせます。
プレート止メネジ4本を均等に締めて固定しましょう。
手順12:クリーナエレメントとクリーナパッキンを交換する

新しいクリーナエレメントをセットします。

クリーナカバーの裏に新しいクリーナパッキンを取り付けます。
パッキンがずれたりめくれたりしていると雨水が入るので注意しましょう。

クリーナカバーをかぶせてクリーナカバー止メネジで固定します。
手順13:防音ネットとカバーを取り付ける

防音ネットを元どおりに巻きつけます。

カバーをかぶせる前にカバーパッキンがずれていないか見ておきましょう。
防音ネットや配線をはさまないように注意してカバー止メネジ4本で固定すれば完成です。
手順14:試運転をする
電源プラグを差し込んで試運転をします。
ブロワー配管につないで浄化槽の中で空気が出ているか確かめましょう。異音や大きな振動がなければ修理は完了です。
ブロワーが動かないときは保護スイッチのレバーがずれていないか確認してください。
動画で見る|安永AP-100Fの修理と圧力テスト
同じ安永APシリーズのAP-100Fを修理した動画です。
ダイヤフラムを交換したあとの圧力テストまで紹介しています。
AP-100FはAP-80Fと使うメンテナンスキットが違います。
分解から部品交換までの流れの参考にしてください。
まとめ|AP-80Fはメンテナンスキットで修理できる
安永AP-80Fは純正のメンテナンスキットを使えば自分で修理できます。
ダイヤフラムやケーシングブロックだけでなくパッキンやフィルターもまとめて新品に替えられます。
作業のポイントは次の3つです。
- 作業の前に電源プラグを抜く
- 位置決め板でロッドを固定して片側ずつ交換する
- 組み立てたあとに保護スイッチのレバーの位置を確かめる
ロッドが割れていたり配線が切れていたりするときは新しいブロワーへの買い替えをおすすめします。
部品をそろえると費用が高くなり初心者には修理も難しくなるためです。
自分で直すのが不安なときは契約している管理業者に相談してください。
ほかのブロワーの修理手順も紹介しています。






