【NISSIN・NIS型】浄化槽管理士の点検手順と道具の使い方を紹介!
浄化槽の保守点検は毎日の暮らしを守る大切な作業です。槽の中の汚れや異常を放っておくと水をきれいにする力が落ちて、故障や悪臭につながります。
この記事では浄化槽管理士歴10年以上の私が、NIS型浄化槽の点検手順と使う道具を紹介します。
スカムや汚泥の確認から消毒剤の補充・残留塩素の測定まで、点検の流れを順番に見ていきましょう。
NIS型浄化槽の点検の流れ|1槽目から順に確かめる

各槽の点検は次の3つの流れで進めます。
- 1槽目:まわりを確かめてからスカムと汚泥を見る
- 2槽目:スカムと汚泥を見てガスを抜く
- 担体流動槽:担体がしっかり回っているかを見る
1槽目:まわりを確かめてからスカムと汚泥を見る

点検はまずマンホールのまわりを見るところから始めます。ひび割れやガタつきがないことを確かめてから、1槽目の中を点検します。
1槽目は汚水が最初に流れ込む槽です。汚れがたまりやすいので、水面に浮いたゴミの層(スカム)の厚みと底にたまった汚泥の量をしっかり確かめます。
スカムが厚くたまっていれば清掃の時期が近いサインです。底にたまった汚泥の測り方は次の動画をご覧ください。
点検では槽の中にわいた害虫も駆除します。チョウバエや蚊を見つけたら槽の中に殺虫剤をまきます。
まいたあとはマンホールを3分ほど閉じておくのがコツです。薬剤が槽の中に行きわたってよく効きます。
2槽目:スカムと汚泥を見てガスを抜く

2槽目も1槽目と同じようにスカムと汚泥の状態を確かめます。
2槽目(嫌気ろ床槽)はろ材にガスがたまりやすく詰まりの原因になります。ガス抜きも忘れずに行いましょう。

塩ビ管とブロワーで2槽目をかき混ぜて、たまったガスを外へ出します。作業中は槽の中に泡が出てきます。

ガス抜きのやり方は次の動画を参考にしてください。
担体流動槽:担体がしっかり回っているかを見る

2槽目が終わったら担体流動槽を確かめます。この槽では微生物のすみかになる担体についた微生物が、酸素を使って汚水を分解しています。
まずは担体に汚れがついていないかを目で見て確かめるのが最初の作業です。そのうえで空気の量がちょうどよいか、担体がしっかり回っているかもチェックします。
担体が槽の中でどう動いているかは次の動画で見られます。
消毒剤と残留塩素|処理水を安全に保つための点検

消毒で確かめることは次の2つです。
- 消毒剤は点検のたびに残りを確かめて補充する
- 残留塩素は0.1mg/L以上が目安
消毒剤は点検のたびに残りを確かめて補充する

消毒剤は処理水を安全に保つために必要な薬剤です。
残りが少なくなると殺菌する力が弱まり、大腸菌などをふくんだ処理水がそのまま流れ出てしまいます。
点検では消毒剤の残りを必ず確かめ、足りなければすぐに補充しましょう。消毒剤が足りないと法定検査でも指摘されます。
残留塩素は0.1mg/L以上が目安
残留塩素は消毒した処理水に残る塩素のことです。濃度が0.1mg/L以上あれば、きちんと消毒できている目安になります。
残留塩素が足りないと細菌が殺菌されないまま流れ出てしまいます。測るときはDPD錠剤などを使って、遊離残留塩素と結合残留塩素を見分けるのが基本です。
遊離残留塩素と結合残留塩素の違いは次の2つです。
- 遊離残留塩素は殺菌する力が強く細菌やウイルスをすばやく退治する
- 結合残留塩素は塩素がアンモニアなどと結びついたもので、消毒する力が弱い
DPD錠剤で調べると遊離残留塩素はすぐに反応します。結合残留塩素は反応するまでに時間がかかります。
公民館や集会所などあまり使われていない現場では、水に溶けた塩素が空気中に逃げて残留塩素が出ないこともあるので注意が必要です。
残留塩素はちょうどよい量に保ち、結合残留塩素はできるだけ少なくなるように管理しましょう。
残留塩素の測り方は次の動画でも見られます。
水質チェック|亜硝酸性窒素と透視度を測る

水質チェックで測るのは次の2つです。
- 亜硝酸性窒素を測って硝化反応をチェックする
- 透視度は合併処理浄化槽で20度以上が基準
亜硝酸性窒素を測って硝化反応をチェックする

硝化反応は汚水にふくまれるアンモニアが、微生物のはたらきで亜硝酸や硝酸に変わる反応です。
亜硝酸性窒素の値を測れば、この反応がきちんと進んでいるかがわかります。
あわせて透視度・pH・水に溶けた酸素の量(DO)も測って、結果を点検記録票に書きこみます。記録を続けて残すと浄化槽の状態の変化を追いやすくなるのです。
透視度は合併処理浄化槽で20度以上が基準

放流水の透視度の基準は合併処理浄化槽で20度以上、単独処理浄化槽で7度以上です。
透視度は水のすきとおり具合を表す値です。透視度計に処理水を入れて、底の十字マークが見えるかどうかで測ります。
透視度が基準値以上なら、きちんと処理できていると考えてよいでしょう。
今回の点検では透視度が30度以上あり、汚水がきちんと処理されていました。
点検の仕上げ|ブロワーフィルターを清掃する

ブロワーは槽の中に空気を送りこみ、微生物を元気にはたらかせる大切な機械です。
フィルターが汚れたままだと空気が足りなくなり、汚水をきれいにする力が落ちます。
点検のときは必ずフィルターも清掃しましょう。手順は次の3つです。
- ブロワーの電源を切る
- フィルターを取り外し、汚れを取り除く
- フィルターを再び取り付ける

清掃が終わったらすべてのバルブを開けて、ブロワーがきちんと動いているかを確かめます。
最後にマンホールのまわりを掃除し、フタの向きを合わせてロックすれば完了です。
まとめ|NIS型浄化槽の点検は各槽と水質を順番に確かめる

浄化槽の管理をおこたると水をきれいにする力が落ちて、まわりの環境にも悪い影響が出ます。
定期的な点検と清掃を続けましょう。
NIS型浄化槽の点検では、マンホールのまわりと各槽のスカム・汚泥を確かめます。そのあと消毒剤の補充・残留塩素と透視度の測定・ブロワーフィルターの清掃まで、ひと通りの作業を行います。
こうした管理を積み重ねることが、浄化槽の性能を長く保ついちばんの近道です。
安心して使い続けるためにも日々の管理を大切にしていきましょう。






