浄化槽基礎知識

【単独処理浄化槽の種類と設置禁止の理由】合併処理浄化槽との違い解説!

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浄化槽には「単独処理浄化槽」と「合併処理浄化槽」の2種類があります。単独処理浄化槽はトイレの排水のみを処理する設備です。

環境負荷が大きいため、新規設置は法律で禁止されています。

本記事では、2種類の浄化槽の違いや、単独処理浄化槽の種類について解説します。

浄化槽の役割を理解し、安全で快適な生活を維持するための知識を身につけましょう。

浄化槽について、以下の動画でもわかりやすく解説しています。

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の違いとは?

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の違いとは?

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の違いは、処理する排水の範囲です。

単独処理浄化槽は法律改正前に設置され、トイレの排水のみを処理します。台所や風呂などの生活雑排水は未処理のまま河川へ放流されます。

合併処理浄化槽は、トイレの排水に加え、台所や風呂などの生活雑排水も処理可能です。

単独処理浄化槽は新規設置が禁止されており、現在使用中のものも順次、合併処理浄化槽への切り替えが求められています。

» 浄化槽工事について

単独処理浄化槽の4つのタイプ解説|接触ばっ気型から腐敗型まで

単独処理浄化槽の4つのタイプ解説|接触ばっ気型から腐敗型まで

単独処理浄化槽は、大きく4つの型式に分類されます。

それぞれの特徴を詳しく解説します。

  • 接触ばっ気型浄化槽
  • 沈殿分離ばっ気型浄化槽
  • 全ばっ気型浄化槽
  • 腐敗型浄化槽

接触ばっ気型浄化槽の仕組み

接触ばっ気型浄化槽

第1室で汚水を固体と液体に分離し、接触ばっ気槽で微生物による浄化処理を行います。

接触ばっ気型浄化槽には赤いバルブが付属し、ろ材のメンテナンス時に「逆洗」作業が必要です。

特徴は、微生物が繁殖しやすい「接触ろ材」を備えており、汚水を効率的に処理できる点です。

» ろ材について

以下の動画でも紹介しています。

沈殿分離ばっ気型浄化槽の特徴

沈殿分離ばっ気型浄化槽

沈殿分離ばっ気型は接触ばっ気型に似ていますが、第1室の水位がばっ気槽より高い点が特徴です。

接触ろ材を使用せず、活性汚泥方式を採用しているのも特徴です。分離ばっ気型浄化槽はやや大容量に設計されています。

接触ろ材がないため、汚泥の滞留時間が長くなります。

全ばっ気型浄化槽の特徴と注意点

全ばっ気型浄化槽

全ばっ気型浄化槽では、ばっ気槽で汚水を撹拌し、活性汚泥を生成します。

沈殿槽で処理水を分離し、放流します。

接触ばっ気型や分離ばっ気型よりも古いタイプの浄化槽です。容量が小さいため、半年に1回以上の清掃が必要です。

腐敗型浄化槽の特徴はブロワー不要

腐敗型浄化槽は、ブロワーを使わず、自然な空気の流入で汚水を処理する最も古いタイプの浄化槽です。

「散水ろ床型」と「平面酸化型」があり、一般家庭では「平面酸化型」がよく使われています。

川の流れをイメージした設計で、自然に空気を取り込み、微生物が汚水を浄化します。

詳しくは、以下の動画で解説しています。

平面酸化型浄化槽の仕組みと特徴【動画付き】

平面酸化型浄化槽の仕組み

平面酸化型浄化槽は、腐敗型浄化槽の一種で、家庭や小規模施設で広く使われています。

汚水が凹凸のある酸化床を通過する際、表面に生物膜を形成した微生物が有機物を分解します。

詳しくは、以下の動画をご覧ください。

散水ろ床型の特徴

散水ろ床型の特徴

散水ろ床型浄化槽は、散水樋の下に石を敷き詰めた構造を持ちます。

散水樋から落ちる水がろ過材に触れ、表面の汚れを微生物が分解します。

詳しい構造や仕組みは、以下の動画でご確認ください。

単独処理浄化槽の問題点と環境への影響

単独処理浄化槽はトイレの排水のみを処理します。家庭から排出される汚水の約70%が未処理で放流されます

水質汚染や生態系への悪影響を防ぐため、合併処理浄化槽への切り替えや下水道への接続を検討しましょう。

» リフォーム工事の費用について

単独処理浄化槽のメンテナンスと清掃方法

単独処理浄化槽のメンテナンスと清掃方法

浄化槽のメンテナンスは、機能を維持するために必要です。接触ろ材や沈殿槽の清掃は定期的に行う必要があります。

» 水質改善方法はコチラ

接触ろ材のメンテナンス方法【動画付き】

接触ろ材には汚れや微生物が蓄積するため、逆洗作業で付着した生物膜を除去する必要があります。

逆洗の手順は、以下の動画で紹介しています。

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の清掃方法

単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の清掃方法は、以下を参考にしてください。

単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ切り替えるメリット

単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ切り替えるメリット

単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への切り替える手順について、以下の内容を解説します。

  • 合併処理浄化槽への切り替えメリット
  • 合併処理浄化槽への切り替えの流れと費用

合併処理浄化槽への切り替えメリット

合併処理浄化槽に切り替えるメリットは、以下のとおりです。

環境保護への貢献
未処理排水を防ぎ、地域の水質改善に貢献する
法令順守
現在の法律では、単独処理浄化槽の新規設置は禁止されている
住環境の改善
生活雑排水の処理で衛生環境が向上する

合併処理浄化槽への切り替えの流れと費用

合併処理浄化槽への切り替え方法は、以下のとおりです。

  • 信頼できる浄化槽業者を選び、見積もりを取る
  • 設置場所や既存設備により異なるが、工事は数日で完了
  • 工事費や設備費は地域や規模により異なり、目安は約100万円

費用については、以下の記事をご参照ください。

補助金制度が利用できるため、お住まいの自治体に確認しましょう。

» 浄化槽補助金について

まとめ

単独処理浄化槽は環境保護や法令順守の観点から、合併処理浄化槽への切り替えが必須

単独処理浄化槽は環境保護や法令順守の観点から、合併処理浄化槽への切り替えが推奨されています。

合併処理浄化槽は汚水処理性能が高く、水環境の保全に貢献します。設置やメンテナンスには専門知識が必要です。

適切に管理するため、専門業者に相談し、対応を進めましょう。

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ABOUT ME
いなかの浄化槽
いなかの浄化槽
わたしは、浄化槽業界に10年以上携わる現役の浄化槽管理士です。「浄化槽をもっと身近に、浄化槽の仕事が好きになる」をコンセプトに、ブログやSNSで情報を発信しています。 浄化槽は、主に下水道が整備されていない地域で活躍する重要なインフラ設備です。微生物の働きを利用して汚水を浄化する仕組みで、適切な維持管理が欠かせません。 維持管理には、浄化槽管理士、清掃員、検査員、そして浄化槽所有者の協力が必要です。浄化槽の役割や正しい使用方法を多くの方に伝える活動に取り組んでいます。
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