浄化槽に流してはいけないものは?NG行動と正しい使い方を紹介!
浄化槽は家庭の排水をきれいにする大切な設備です。
使い方をまちがえると水をきれいにする力が落ちて臭いや詰まりの原因になります。
この記事では浄化槽の正しい使い方と管理のポイントを解説します。長持ちさせてトラブルを防ぐ方法も紹介します。
以下の動画もあわせてご覧ください。
浄化槽の構造と処理の流れ

浄化槽を正しく使うためにまず基本的な仕組みを知っておきましょう。
浄化槽内で働く2種類の微生物
浄化槽は微生物の力で汚水をきれいにする設備です。微生物が汚れ(有機物)を食べて分解します。
好気性微生物(酸素がいる微生物)と嫌気性微生物(酸素がいらない微生物)の2種類が一緒に働いています。
この2つのバランスがとれていると浄化槽はうまく働きます。
バランスがくずれると水をきれいにする力が落ちます。そのため定期的な点検が必要です。
汚水がきれいになるまでの流れ
合併処理浄化槽はいくつかの槽に分かれています。槽ごとに役割がちがいます。
- 最初の槽で固形物と水に分ける
- 分けた水は次の槽に送る
- 2槽目で嫌気性微生物が水をきれいにする
- きれいになった水は3槽目に送る
- 3槽目で好気性微生物が空気の力で汚れを分解する
- 最後に消毒槽で菌を消して側溝や川に流す
家庭からの汚水は槽の中で約12時間かけてきれいにします。
流してはいけないものを流すと処理が遅れます。故障や詰まりの原因にもなります。
以下の動画でも処理の流れを解説しています。
浄化槽を長持ちさせる正しい使い方と注意点

浄化槽を正しく使うポイントを次の4つに分けて解説します。
- 浄化槽に絶対流してはいけないもの
- トイレ詰まりを防ぐ正しい流し方
- 微生物を守る|浄化槽にやさしい洗剤の選び方と使い方
- マンホールの上に物を置いてはいけない理由
浄化槽に絶対流してはいけないもの
次のものは排水に流さないでください。
- 油脂や食用油
- 残飯や食べカス
- シンナーやペンキ
- 除草剤や農薬
- 薬品類
- 大量の漂白剤や除菌剤
- 砂や石・石鹸の固まりなどの固形物
- おむつ・生理用品
- ペットの毛や異物
- 紙くず・ティッシュペーパー
- タバコ・新聞紙
台所からも固形物を流さないでください。
野菜くずや魚の骨・使い終わった食用油は詰まりの原因になります。
生ごみは水気を切って燃えるごみに出しましょう。食用油は凝固剤で固めるかキッチンペーパーに吸わせて捨ててください。
トイレ詰まりを防ぐ正しい流し方
トイレは十分な水の量で流すことが大切です。水が足りないと汚物が流れきらず詰まりの原因になります。
トイレットペーパーをたくさん使ったときは一度に流さず数回に分けて流しましょう。
紙おむつやティッシュペーパーは水に溶けないので絶対にトイレに流さないでください。
「流せる」と書かれた除菌シートやおしりふきも実は分解されにくいものです。詰まりの原因になるのでトイレには流さないようにしましょう。
トイレには排泄物とトイレットペーパーのみ流してください。
「シングル・パルプ100%」と書かれたトイレットペーパーがおすすめです。
微生物を守る|浄化槽にやさしい洗剤の選び方と使い方
浄化槽のある家庭では中性または酸素系の洗剤を選びましょう。
アルカリ性洗剤は油汚れによく効きますが浄化槽の微生物を弱らせます。
お風呂のカビ取り剤やパイプ用洗剤にも微生物に悪い成分が入っています。
どちらも少しなら大丈夫ですが大量に使うのはやめましょう。
洗剤はたくさん使っても汚れがよく落ちるわけではありません。かえって洗剤が残ってしまいます。
洗剤を使いすぎるとすすぎに時間がかかります。使う水も増えて浄化槽の負担が大きくなります。決められた量を守りましょう。
マンホールの上に物を置いてはいけない理由
浄化槽は定期的な点検や清掃が必要です。
マンホールの蓋の上に物を置くと点検のときに開けられません。できるだけ何も置かないでください。
重い物を置くと本体に負担がかかり壊れることがあります。どうしても置くなら軽くて動かしやすい物にしましょう。
マンホールにひび割れや傷がないかもときどき見ておきましょう。
ブロワーは常時運転が基本|電源を切ってはいけない理由

ブロワーの電源を切ってはいけない理由を説明します。
空気が止まると微生物が死んでしまう

ブロワーは水の中に空気を送り微生物に酸素を届ける装置です。ブロワーがないと汚水をきれいにできません。
ブロワーが止まると酸素が足りなくなり好気性微生物が死んでしまいます。水をきれいにする力が落ちて臭いの原因になります。
留守中や夜間もブロワーの電源は入れたままにしてください。
1年以上浄化槽を使わないときは役所に「休止届」を出しましょう。清掃と水張り(槽に水を満たす作業)をすればブロワーの電源を切っても大丈夫です。
浄化槽の詰まりの前兆と対処法|修理費用の目安

故障や詰まりの対処法と費用について次の3つに分けて解説します。
- 詰まる前に出る異音の原因
- 浄化槽の修理費用の目安(10〜50万円)
- 補助金や火災保険を使う|故障時の支援制度
詰まる前に出る異音の原因
家の排水管と浄化槽のつなぎ目に油や固形物がたまると詰まりや臭いの原因になります。
排水口からいやな臭いがしたり「ゴポゴポ」と音がしたりするのは詰まりのサインです。詰まった場所にたまった空気が押し出されるときに音が出ます。
自分で無理に直そうとすると排水管を壊すおそれがあります。清掃業者や詰まり抜きの専門業者に相談してください。
浄化槽の修理費用の目安(10〜50万円)
浄化槽本体の修理費用は壊れた場所や種類・頼む業者によって変わります。目安は約10〜50万円です。
出張費や作業時間で追加料金がかかることもあります。前もって業者に確かめましょう。
大きな工事ではさらに費用と日数がかかります。
補助金や火災保険を使う|故障時の支援制度
浄化槽の交換や修理が必要なときは自治体から補助金が出る場合があります。
くわしい条件はお住まいの自治体で確かめましょう。
火災保険で修理費用をまかなえる場合もあるので保険会社にも相談しましょう。ただし古くなって壊れた場合は対象外です。
たとえば次のような故障は火災保険の対象になることがあります。
- 火災による浄化槽の破損
- 台風による浄化槽の破損
- 落雷による水中ポンプの故障
- 豪雨や洪水による浄化槽の破損
- ブロワーの盗難
まとめ|浄化槽を安全・快適に使おう

浄化槽を長く使うには正しい使い方と定期的な点検・清掃が大切です。
トイレや台所では流す物と洗剤の種類に気をつけましょう。それが詰まりや臭いを防ぐ近道です。
ブロワーの電源は切らずマンホールの上には物を置かないようにしましょう。
おかしいと思ったら管理業者に早めに相談しましょう。放っておくと修理費用が高くなるおそれがあります。
環境にやさしい洗剤や節水型トイレを選ぶと浄化槽の負担が減って長持ちします。






